繊細な若者へのマネジメント

2021年5月6日 木曜日

安藤です。

ここ数年、研修やカウンセリング・コーチングの後に、「最近の若者は主体性がない、繊細になった」という言葉をよく経営者、管理職、人事担当者の方々からよくうかがいます。

「電話が怖くて電話がとれない」、「ちょっと強く注意すると、すぐにこころが折れる」、「自分の意見を伝えらなない」などです。新型コロナウィルス禍で、リモートワーク、オンライン会議など新しい働き方の対応が求めれています。一方で、そのような状況の中で、上司と部下の意識の溝に対してどのように対策をしたらいいのか解決できないまま、若手社員の離職に繋がり、育成できないのが現状です。

若手社員が、受け身で、繊細になった背景には、彼らが育った社会環境も多く影響を受けていると考えられます。テロ、震災、異常気象、感染拡大等です。この激動の時代を過ごしている世代は、確実なものはなく「不安心理」が常にある状態であるということです。何も考えていない、気弱だから何も言えないのでなく自分を主張する、無理にNOを言わないという基本的態度になっているといわれています。次に、「同調圧力」です。児童期からパソコンや携帯電話、インターネットが普及している若い世代は、ネットリテラシーが高い反面、ネットいじめ・常に他者からの反応を気にする環境などの負の影響を受けています。SNSの発展によって、Netで自由に表現できる反面、発言が世の流れに沿っているかを気にしなくていけない時代に育っています。

最後に価値観の違いがあります。今の若い世代は外の世界に価値観をおかずに内に価値観を置く傾向があります。目に見える価値観、数で測れるものではなく、目に見えない価値観、存在そのものに価値観を置きます。職場においては、上司との「ワークライフバランス」についての考え方の相違、転勤を嫌がるなどもその理由と考えられます。もう少し詳しくいうと、若い世代と、中高年の管理職世代とは「ワークライフバランス」に対する意識の違いがあります。『何を大切にして生きるのか』という価値観が違います。キャリアに基づいた、生涯にわたってブレない自己欲求・自己が望む価値観の図るのに「キャリアアンカー」というものがあります。大半の若手社員は、仕事とプライベート、企業人として個人などどちらも大切に考え、熱心に仕事に打ち込む一方で、子どもが生まれると育児休暇を取得し、育児にもしっかりと関わりたい。よって、予定のない会社の飲み会や残業はきっぱり断る。仕事以外の自分の時間・生活を大切にしたい。有給休暇はしっかりと取得したいというのが、軸になっています。

若手社員の“やる気スイッチ”を押すには、今までの自分達が受けてきた動機付けや価値観、競争心をあおる等のやり方では通用しなくなっています。若手社員との関係を築いていくためには、一人ひとりとラポール(信頼構築)形成がまず先です。そのためには、傾聴スキル、言いにくいことを伝えるスキル・クッション言葉活用、
感情のコントロールをすることで信頼関係を築いていくことです。まずは、彼らの“内”なる部分で信頼を得ることが優先と考えます。

私毎で恐縮ですが、この度、国家資格キャリアコンサルタント1級技能士(国家資格キャリアコンサルタント
指導者レベル)を取得しました。企業内でのキャリアコンサルタント取得の方々・目指していらっしゃる方の
指導、また、資格に関わらずキャリアコンサルタント育成を検討されている場合は、お声かけ頂けたら幸いです。他、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が長くなり、社員の仕事ぶりや表情が見えづらくなっただけでなく、メンタルヘルス不調者への対応,ハラスメント対応,若手社員への対応等を強化していく必要ができきています。
若手社員との関係作り・コミュニケーションの取り方などでお困りの方は、気軽に弊社にご相談くださいませ。



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