The Wisdom of Crowds

2008年7月21日 月曜日

早嶋です。



The Wisdom of Crowdsクイズミリオネアで問題の回答に迷ったとき、あなたはどのオプションを使いますか?1)集団の智恵・・・テレビやネットで番組を見ている人に四択の答えを聞く、2)四択を二択にする、つまり確率を25%から50%に引き上げる、3)友人や親戚など、予め指定していた人に電話をかける。



以外にも、1)集団の智恵を選択した回答者の生き残り確率が高いことを知っている人は少ないでしょう。そして、この現象はフランシス・ゴールトンが1世紀前に目の当たりにした現代版の現象なのです。



グループ・ダイナミクス。1920年代から50年代半ばにかけて、米国の社会学者や心理学者の中で、盛んに集団の智恵を計測する研究が行われました。集団で下した判断は、一般的に数が多くなるほど的確な判断が下されるというものです。



この手の研究で有名な実験に次のようなものがあります。瓶の中のジェリービーンズ。名前の通り、瓶の中にジェリービーンズを詰めてその数を推測してもらう実験です。この実験を行うと、必ず個人の予測値よりも集団全体の予測値(おのおのの予測値の平均値)の方が圧倒的に正解に近い結果がでると言うものです。



集団の中には、毎回、正解に近い予測値を出す人がいるのですが、繰り返すと毎回同じ人が正解に近い予測をするとは限りません。そして、特定の個人が集団の予測値よりも正しい予測値を出したということは実証的に確認されていないのです。



この実験、企業研修中に何度か行ったことがあります。瓶の中に1円玉をぎっしり詰め、参加者にそれぞれ中の数を予測してもらうのです。結果、やはり個人の結果よりも、個人の結果を集計して平均値を取った値が実際の枚数に最も近くなりました。数回試しましたが、毎回、結果は同じでした。



つまり、個人で考えた結果より、集団で考えた結果が正しいというのです。これは、The Wisdom of Crowdsとして学問の世界では割と知られた考え方です。



これを応用しているのが、例えばアマゾンドットコム。データマイニングの技術を応用して、この本を買った人はこの本も読んでいますよ!と言うのは、当に集団の智恵を応用したものです。



1人で考えが煮詰まったとき、組織に問いかけて見るという意思決定も間違っているとはいえないのです。



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