営業の役割

2021年4月3日 土曜日

早嶋です。

企業研修を提供する事業を10年以上行っていますが、covit-19によって研修営業のシナリオが大きく変わっていくことを実感します。

従来の研修営業の流れは、営業が顧客(主には人事部)に出向き企業の方向性や社員に対しての期待、不足する能力等をヒアリングし研修体系に即してメニューや形態を提案することでした。それらを提案書として研修講師に共有し講師はテキストやアジェンダを作り当日ファシリテーションを実施する。そして終了後にFBを研修営業と行い、営業はその内容を顧客にフィードバックする。というものでした。

ですので初回の研修提供の場合は、営業の提案書が非常に重要で、顧客のニーズや考えを講師と共有できなければ、研修資料やカリキュラムの作成に多大な時間がかかっていました。一方で優れた営業とタッグを組むと、顧客の勘所や講師の癖を把握しているので講師のマッチング、講師への依頼の仕方等がスムーズで双方が気持ちよく仕事ができる状況を提供してくれます。

そして、そのような仕事は必ずリピートされ数年継続する中で講師は企業の特徴や社員の癖を理解するようになるため更にレベルの高い、かゆいところに手が届くメニューを提供できるようになります。

流れが変わったのはオンライン営業の導入です。要領が良い営業は、オンライン営業の活用の仕方も秀逸です。顧客の要望を確認して、その顧客が不安を持って居る場合でも講師の時間を資源と捉えている営業は簡単にオンラインでの打合せや議論の提案をせずに自分の力量で提案を整理します。つまり講師に取っては従来と変わりません。

一方で要領が悪い営業は、そもそも提案書が無茶苦茶だったのに加えて、顧客とあまりコミュニケーションが取れていないので更に提案が残念な状態になっています。そこで営業は講師と顧客をオンライン上でマッチングさせて直接話せる機会を増やしていきます。当然、顧客も直接講師に要望を伝えることができ、講師は直接確認することができます。さらに、営業が提案していた内容にずれがある場合は、さらなる提案などもその場で行うことができます。

が、本来これは営業が行うからこそ価値があった仕事です。ここをオンラインで丸投げするようになると営業そのものの役割はマッチングとスケジューリングになりますので、本来の提案や全体の設計に対しての価値はなくなります。

講師に取って効率の良い営業とタッグを組むことは、自分の得意な時間と内容に資源をフォーカスできるのでWin-Winなのですが、効率の悪い営業と組んだ場合は結果的に仕事の効率は悪くなるのでパフォーマンスの量をこなせなくなります。そのような意味で今後、研修営業の出来不出来によって営業が淘汰されるようになると思います。

デジタルの淘汰はあらゆるところで始まっている。一方で、その中で余った時間や金額は新たな事業を生み出す資源になるので、結果的にこれまで力を発揮できなかった方々は、当たらな新天地に行ける可能性もあるのです。

covit-19の良き面はようやく日本にもデジタルシフトを強制させてくれたことだと思います。人が行うべきことを人が行いやすくなり、人が行わなくて良い部分は効率を上げて時間を確保する。余った時間はみんなでシェアしてより豊かな時間を過ごす。これがハッピーなシナリオだと思います。



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