ペルソナ

2007年8月23日 木曜日

早嶋です。



本日は、某クライアントでペルソナを作るべく、1回目のキックオフ・ミーティングを行いました。ペルソナは、以前、書籍紹介で「ペルソナ戦略―マーケティング、製品開発、デザインを顧客志向にする」を紹介しましたね。



心理学者のユングによるペルソナの定義は、「社会に適応する行動」ですが、ここでいうペルソナの定義は、製品やサービスを将来使うであろうユーザ像を出来る限り詳細に描いた仮想ユーザを指します。



ペルソナは、マーケティングでいうところのターゲット像を30代の女性などと大雑把に特定するのではなく、架空の人物を作り上げて、製品・サービスの開発から製造、販売に係る全ての人が共通のユーザー像をイメージできるようにするための手法です。



例えば、Windows Vistaの製品プランニングにおいて、マイクロソフト社はペルソナの概念を用いて開発を行っています。パソコンのOSのように、製品の利用者となるユーザは複数種類存在します。例えば、IT Proに代表されるシステム管理者や、Infomarion Workerと呼ばれるオフィスでの知的労働者、一般のユーザなどです。Windows Vistaの開発では、考えられるユーザを全てペルソナとして、実際に実在している人物可のように定義されています。



マイクロソフトは、機能説明においてもペルソナを利用しています。例えば、上記の機能説明の一文で時計の同期に関して説明したシナリオがあります。



『よくあることですが 2、3 時間停電したため、マイクの家では時計が全部 12:00 で点滅しています。家中の時計を直して回るのは面倒で、時間もかかります。

UPnP を入れましょう。マイクの Windows XP ベースの PC で実行されているスクリプトは、定期的に家庭内のすべての時計をコロラド州のサイトにある原子時計に同期させます。このスクリプトは、どんなデバイスであれネットワーク上のすべてのクロック サービスを検索します。スクリプトはそれぞれの時計で、時刻をインターネットの原子時計から取得した値に設定することを繰り返します。

このスクリプトは、毎日深夜に実行するように設定できます。また停電終了後やサマータイム後に、時計をリセットするため手動でスクリプトを実行することもできます。』



ここに出てくるマイクこそがペルソナです。パソコンのOSのような製品は、膨大な機能を持ちます。そのため、提供したいシナリオをペルソナを用いてかくことによって、開発者の独りよがりの発想による実装を裂けることができるのです。



現時点でペルソナは、究極の顧客志向を実現するためのツールだと思います。



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