現預金と信託

2007年7月6日 金曜日

早嶋です。



銀行や郵便局などの窓口での販売促進を背景に公募型証券投資信託の販売残高が78兆円(07年4月末)を越え順調に伸びています。



とは言うものの、日本の個人金融資産残高に占める割合はまだまだ微々たるもの。その内訳を日本銀行が公表してる日米家計の試算構成比較で調べて見ました。



先ず、日本の家計の金融資産残高が過去最高値で、06年12月末で1,536兆円あります。これに対して、現預金の割合が50.1%で約783兆円。投資信託は、4.5%に当たる約69兆円です。一方、米国では家計資産残高は、日本の3倍で約4,850兆円。そのうち現預金の割合が13.2%(日本の1/4)、投資信託が14.4%(日本の3倍)となっています。



この差が示すものからどのような事が考えられるでしょうか?米国と日本における資産管理という視点から考えると、日本は鈍いと言えるかもしれません。長期間にわたり金利が低い状態が続いているにもかかわらず、金利が高い海外の資産に移すことなどはありません。特に使う予定も無く、死ぬときに一番お金持ちという話もよく耳にする事です。



信託という視点から考えると日本には託すべき投資信託が存在していないのでは、と考える事もできます。本気で財産作りを任すことが出来る投資信託が少ないのかも知れません。もちろん、どちらが正しいか、答えのない議論です。



投資という点において、ファイナンスでは、時間の概念を常に考えます。複利で時間をかければ、無理なくお金を増やすことは可能です。このような考え方を基本に長期運用を手がけているファンドに「ジ・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ(ICAファンド)」というのいがあります。



ICAファンドは米国の巨大ファンドで、設立は1934年。以来、ずっと長期運用に徹しており、現在の預かり資産は10兆円を超える規模まで成長しています。その間の運用成績は12.8%、基準価格は、6,650倍にもなっています。これは、1万円の投資が73年間で6,650万円になるというファンドです。



ICAファンドは1934年から06年末の73年間で平均で12.8%のリターンをもたらしています。これを、同じ73年間で米国の株式市場で株式の配当を含めて全て再投資した場合、年率の平均リターンは11.3%程度になります。これは、今でいうインデックス・ファンドに相当しますが、1万円が2,528万円になるファンドです。



複利の計算を行うと当たり前の結果なのですが、実際の金額に換算すると圧巻です。短期的にチョロチョロ配当を受け取るのではなく、全てを再投資する長期運用のファンドは、当たり前なのですが、時間さえあれば複利効果を享受することが出来るのです。



現預金か信託かという話で膨らませましたが、お金は時間がたてば増えるものです。使わないのであれば、目的を持った運用をすることも選択肢にあると考えます。



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