関係性で地域と都市の役に立つ

2017年12月4日 月曜日

シニア・コンサルタントの原です。

私は、移住人口や交流人口の増加策だけでなく、第3の「関係人口」による地域政策を実践的に研究しています。
関係人口とは、地域への移住や観光ではなく、都市住民が定期的に想いのある地域を訪れることです。

私の取組事例では、平日は地方都市の福岡で仕事をしながら暮らし、休日の一部は、大分県の小さな田舎町に拠点をもつ「ダブルローカル」を実践しています。
私は、幼少時代を過ごした田舎町で、想いのある100年の歴史ある古民家を譲り受けました。数年前からリノベーションにより古民家再生に取り組んでいます。
その再生活動の中で、都市の仲間を古民家に招き、体験企画を一緒に楽しむ場づくりから、関係人口が増加していく変化の兆しを体感しました。
都会で暮らす人の中には、移住までは無理だけど時には地域に行き、自然や文化、伝統などに触れたいというウォンツ(欲求)があります。
このウォンツを満たす提供手段には、シェアハウス構想、ワークショップ体験の企画運営などが考えられ、私が都市と地域を結ぶハブ的存在になれると考えました。来年は、さらに企画を増やし関係人口の増加に取組みます。

以下には、既存の人口増加政策である「移住人口」と「交流人口」の限界について論じます。

2015年の国税調査では、日本の人口が減少したのは、47都道府県のうち39都道府県となりました。
「地方消滅」などの書籍が出版されるなど、人口減少が続いている地方は、将来に消滅の可能性が出ることが予測されています。
このように、日本全体の人口が減少する中で、既存の地域政策である「移住人口」と「交流人口」の増加策には限界があると考えます。

1つ目の「移住人口の増加策」については、どこかの地域が増えれば、どこかの地域が減るゼロサムゲームを繰り返すだけです。
全国の20歳以上を対象にした2014年の内閣府による世論調査では、地域への移住願望がある人は31.6%で、2005年調査に比べて11ポイントも増加しているデータもあります。一方、実際に移住予定がある人は1%台と、移住へのハードルが高いことが事実なのです。ハードルが高い理由には、仕事先、住まい、友人関係など人生の一大転換となり、理想と現実の間に大きなギャップがあるからです。

2つ目の「交流・観光人口の増加策」については、移住よりはハードルは下がりますが、一過性で地域の仲間づくりにはつながっていません。また、観光集客目的のイベントや祭りでは、地域住民が運営に疲れる「交流疲れ」が課題となっています。

以上から、私のように都市と地域で暮らすダブルローカルが普及すれば関係人口が増え、都市住民も地域住民も豊かになれると考えます。

そして、ダブルローカルへの想いを実現するには、企画アイデアだけでなく、仲間と資金が必要となります。その仲間と資金を集める手段として、クラウドファンディングがあります。私も古民家再生には、クラウドファンディングを活用し仲間と資金を集めることができました。弊社では、地域クラウドファンディングFAAVOの福岡エリアオーナーとして、地域づくりや企業を応援しています。
弊社の月次セミナーでは、クラウドファンディングの仕組みや事例を紹介する実践的な内容です。是非、ご参加お待ちしています。




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