知財紛争その2

2007年2月2日 金曜日

早嶋です 。



昨日の内容に続いて、知財紛争についてです。



シーン2:警告への対応

特許侵害を確認したA社は、B社に対して、その旨を通知する警告書を送りました。シーン2では、B社がこの内容に対してどのように対応するかについての寸劇がありました。



B社がA社の警告に対して、特許を侵害していない事をどのように証明していくか?がポイントになります。以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。



○そもそも、どうやって弁護士と出会うか?

規模が大きい企業では、顧問弁護士に相談する事が出来ます。しかし、多くの企業は顧問弁護士に相談する体制は整っていません。この場合、知り合いの紹介が一番多いようです。中でも税理士からの紹介等です。ただし、相談内容によって、弁護士の得手・不得手があるとの事。そこで、県内の弁護士会を利用したり、知財ネットの活用を勧めていました。こちらで有れば、予め相談内容に詳しい弁護士と出会う可能性が高くなります。



○回答書のポイントとは?

警告書を受けたB社は、警告内容に対して、A社に回答を出す流れになります。その時の回答書のポイントとして、以下を挙げていました。

・特許侵害に対しては、利権者と全く関係が無くても侵害が成立することがあります。そのため、まずは冷静になること。

・回答することによって、解決という事には至らないので、回答後、どのようにア対応していくかの方向性を見極めること。

・当然、回答した後、裁判という可能性も秘めているため、回答書には不利になる内容などは一切記さない。





シーン3:回答書を受けて

こちちのシーンでは回答書を受けた利権者の対応を寸劇で再現していました。特許侵害に対して、最終的に裁判を決定した場合、九州では全て大阪高裁の管轄になります。従って、すぐに裁判と考えないで、仲裁、調停のことも考えることが大切ですと指摘されていました。



以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。



○回答書の分析について

回答所の分析について、大きく2つのことを考えると話がありました。相手の主張内容と、相手の態度です。



相手の主張内容は、相手側が特許侵害を認めたのか否か、権利の有効無効についてなどです。仮に、権利行使が難しい場合は、その後の交渉のプロセスを考えて慎重に行うことの重要性を強調されていました。



また、相手の態度も重要です。警告書を送付した後に、回答書が返ってきたということは、誠実な態度があると見ることが一般的には出来ます。そこで、相手側の回答書の中に、主張内容に対して法的に有効な理由の有無の確認は重要。もし、ある場合はやはり慎重な対応が必要になるからです。





シーン4:交渉

こちらのシーンでは、回答書を受けて、弁護士立会いの元でA社とB社が裁判を行う前の交渉を行う場面です。以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。



○交渉に臨むときのポイント

・交渉の目的を明確にしておく

・交渉の機会を認識する

これは、被告にとって、裁判を行う前の交渉は時間稼ぎにもなります。つまり、その分準備が行えるという事を双方の立場で理解しておくことが重要。

・不利な発言を行わない

・弁護士を抜きに交渉を進めない

被告が原告側に対して質問をするときは、特に注意する必要があります。被告が原告に質問をするのは、裁判で切り込むポイントを探している場合が多いからです。そのため、質問に対しては、むやみに回答しない事です。必要であれば、弁護士を通してからの発言をして下さいと、強く強調されていました。



○特許侵害訴訟について

特許侵害を確認して裁判に流れは、シーン1から4までの流れのように、特許権利者による分析⇒警告書⇒非権利者による警告書の分析⇒回答書⇒訴訟前交渉⇒裁判となるようです。さて、気になる勝率ですが、どのくらいの割合で特許侵害として認められるのでしょうか?ディスカッションの中で出ていた数字は僅か2割程度との事でした。権利者の方が数字を見る限りでは不利なのですね。



と、長々と寸劇の報告をいたしましたが、知的財産の侵害というモノは、以外に身近な所で起きていることが分かりました。経営を行っていく上で知財に対してのアンテナをはっておくこと、つまり、知財リテラシーを高めていくことも必要な活動なのです。



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