知財紛争その1

2007年2月1日 木曜日

早嶋です。



本日、知的財産マネジメントシンポジウムin九州2007に参加してきました。このシンポジウムは、弁護士と弁理士が共同で開催したもので、九州初の知財に関する実践的なシンポジウムだったようです。



開催内容は、大きく3つのパートに分かれていました。

 Part1:ドキュメント「知財紛争」

 Part2:九州・アジアの知財マネジメント

 Part3:九州における知財戦略の支援等の紹介



中でも、Part2は、弁護士と弁理士の方々が役者になって、実際の事例を基に作ったケースを寸劇で再現し、知財を考えるテーマでした。ケースは、特許侵害の確認から訴訟に至るまでの過程でした。これらを4つのシーンに分けて再現していました。



以下、それぞれの弁護士の視点や、原告、被告の留意点等をまとめてみました。



シーン1:権利者の警告

ここでは、A社の特許侵害をしているB社の商品に対して、A社からB社に対して特許侵害を警告するまでを再現していました。



特許の権利者として、もし、自社の特許を侵害している商品を確認した場合は、相手の会社に対して警告を通知することから始まります。このときのポイントとして、

 ・相手の会社の規模・概要を確認する

 ・特許侵害に当たる商品の販売量(過去に遡って)を確認する

 ・特許出願前に相手の会社が販売を開始していないか確認する

 ・要求事項を確認する

等を上げていました。



要求事項に対しては、その目的が、商品の販売中止や製造中止を求めるものか?、過去の販売に対しての損害賠償を請求するものか?、ライセンス販売の意思を伝えるものか?などになります。



シーン1を終えて、役者の弁護士・弁理士でディスカッションがありました。



○誰が特許侵害を探すのが効率的か?

企業規模が大きいと、自社の特許や権利の内容を社員全体が把握することは難しい。そのため、特許が侵害されていることに気付かない場合がある。解決案として、特許や権利の内容を比較的把握しやすい部門単位に発見できる仕組みを作る。仮に特許侵害を発見して、それが基に賠償請求を勝ち得た場合は、発見者やその部門に対して数%のインセンティブを与える事等を行えば、組織をモチベートすることができます。



ただ、実際に特許侵害に当たる商品を見つける機会が多いのは営業マンが多い。そのため、営業マンが「おやっ?」と思った場合に、特許の侵害についての相談窓口を会社の内部に設置すること更に有効です。



また、特許侵害に対して警告を出す場合、まず弁護士や便利士と打ち合わせを行います。このときの時間を有効に使うポイントとして、以下のようなアドバイスをされていました。



 ・特許侵害の内容を事前に報告して弁護士に渡しておく



例えば、その商品が購入できるモノであれば実物を購入し、領収書を取る。そのときに、その商品の製造番号を控えたり、購入したときの様子を写真に取ったりして、その商品を実際に買ったことを証明できるモノを用意する。これは、後の証拠品として有用になるからです。



また、商品が分かりにくい場合、購入しにくい場合は、その商品の入手方法等を予め調べておく。仮に、その商品のパンフレットやチラシなどがあれば、それを取り押せておく。これは、その他の特許侵害を探す目的もあります。

 

 ・権利者で有れば、特許番号、特許こうほう等を予め弁護士に伝えておく。



こうすることで、特許の内容を弁護士が予め把握した上で相談をすることが出来ます。また、特許がどのような経緯で登録されているかの記録があれば、そちらも事前資料として準備しておきます。



上記の作業を行わないで、急に相談となっても、状況がつかめななく、時間の浪費となる場合がとても多くあるようです。



最後に、警告書を作成する際のポイントとして、以下を挙げていました。

 ・警告によって、相手から何を確認したいか?(目的を明確にする)

 ・相手から何を引き出したいか?

 ・相手とのスタンス。論争するか、交渉の余地を与えるかなどです。



シーン2以降については、明日、続けます。



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