カスタマータッチポイント

2012年6月14日 木曜日

カスタマータッチポイントという概念、非常に重要なのに近年、どんどん無視されています。

マーケティングは、顧客の立場に立って、自分が行ってもらいたいことを行う。結果、その行為が感動をおこし、その体験が顧客の中、組織の中で共通の体験として語り継がれます。これが更にその企業の価値、ブランドの価値、商品の価値を高めます。

近くで利用しているクリーニング店があります。クリーニング店が提供するサービスは、汚れた衣服をきれいにすることでしょう。しかし、そのサービス以上に店舗での接客は目につきます。店に入ると愛想が無い店員がいつものように作業をします。決して接客とは言えません。無言で衣服を引き取り、無言で処理を進める。何か言っているのでしょうが、声が小さく、声がこもって良く聞こえない。表情も全くのポーカーフェス。大量に持っていくと不機嫌な顔。でも、沢山、出しているってことは、お店にとってもハッピーなはず。ニコニコ対応してくれるだけで、顧客の気持ちもよくなるのにな。

セレクトショップが提供している価値は、その人にあったファッションを提供することでしょう。しかし、試着をする部屋の隅にたまっているホコリを見て、テンションが下がります。結局、見えるところだけの接客で、中身は何を考えているのかな?って。本当に顧客目線で考えているのであれば、顧客の目線になって汚れているところは、何も言われなくてもきれいにするはず。ディスプレイや展示がきれいなのはあたり前。繁盛しているお店との違いは、こんなところに出てくるのだと思います。

先日、アウトレットに行き、仕事用のポロシャツを3枚購入。全てに30%オフの値札がついているのに、何故か、黒だけ新作で20%オフという。だから、これは20%オフになると言う。何を言っているの?展示している商品、全てに30%オフと書いているし、値札にも明らかに30%の表記。間違っているとしても、そんなのは顧客は全く関係のないこと。10%の違いは双方に取って、大きいか?と言われるとそんなに大きな額ではない。しかし、その瞬間、楽しく買い物をしていた感情が全てぱー。そんな時は、顧客には何も言わずに、展示している正札を書き直すべき。そもそものミスは企業なのだから。アウトレットはそもそも安いから、それを覚悟して買うべきだ。という考えもあるでしょう。しかし、ハイエンドの商品を安価で提供している。そのコンフリクトをマネジメント出来ないのであれば、初めから出店すべきではないと思います。

同じアウトレットでお皿を買いました。6枚買って、しばらくして取りにいく。お店が忙しいようで、まだ包んでいない。でも、店員さんが真摯に対応してくれたので、また、回ってくるからゆっくりでいいですよ。店員さんの一言で顧客の心も全く変わる。こちらの店員さんは、アウトレットの商品の理由を一枚一枚丁寧に説明。商品の絵付けは全てが手書きであるので、展示している商品の中で一番よいものを選択してくれる。結局はアウトレットなので、どこかに不備があるのでしょうが、その丁寧な対応が嬉しい。価格は安く提供しているけれど、そのブランドの価値が相対的に下がることは無いと感じる。

大切なことは顧客の気持ちになって考えること。近年、コストが厳しいから人件費を削り、商品開発とか重要な部分にのみ資金をまわす。しかし、カスタマータッチポイントを忘れてはいけない。どんなに最高の商品であっても、それをエンドで提供する店員の対応が悪かったり、サービスが悪ければ、全てが台無し。従って、重要な部分であるカスタマータッチポイントは、定期的に見直しが必要。

提供している商品。提供している人が自信を持って進めるべき。その人がその商品の一番の理解者であり、一番のファンになる。そんな気持ちがある人は、なんか不具合がおきても、その心は顧客に伝わるはず。完璧で無くてもよいと思います。しかし、完璧が出来ない時の対応がそつなくされるか、不安定にされるか。この違いは後の消費行動に大きな影響を与えるでしょう。



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