BATNA

2012年2月28日 火曜日

交渉を優位に進めるものは?

BATNA。つまり、交渉が決裂した時の代替案です。

交渉を進める前に、その交渉が自分に取って重要な交渉か?相手との関係性は重要か?を考えます。双方が重要であれば、1)Win-Winの交渉をする。どちらかが重要であれば、2)Win-Loseの交渉になる。どちらも重要で無ければ、3)交渉をしない。これは戦略です。

次に交渉のゴールを設定します。この時のポイントは幅で考えることです。つまり、自分の最高のゴールと最低のゴールです。同時に相手の最高のゴールと最低のゴールも推定します。この時点、互いのゴールを重ねた時に、重なる部分があれば、それが譲歩できる部分になります。

そして、最後にBATNAの有無を考える。自分にとってBATNAがあれば強い交渉に臨めるし、相手がBATNAを持っていれば、強い立場で交渉を進めるでしょう。

例えば、どうしても欲しい商品があるとします。1)その商品以外に代替する商品が無い。2)別の商品でもかまわないが、その商品だとベター。3)別の商品でもかまわない。1)から3)では、交渉が決裂した場合でも、BATNAの度合いによって交渉の仕方が異なることが理解できると思います。1)は最も弱い立場で、3)であれば強気の交渉ができるからです。従って、双方のBATNAを知り理解することは大切なのです。

何より、BATNAを理解することで心に余裕がでます。決裂した場合でも別の案があることを考えると、無理に交渉を進めることが無くなります。勝者の呪いがあります。交渉を進めると、いつしかその商品がどうしても欲しくなり、後が引けなくなる状態です。オークションで価格がどんどん高騰する理由もこれで説明がつきます。皆、BATNAの存在を忘れてしまっているのです。

BATNAを理解していれば、自分にとって絶対に不利な交渉結果になり得ません。交渉が進んでいっても、その条件が自分のBATNAと比較してどうなの?と判断するからです。交渉決裂ではなく、その交渉はそれ以上進めても自分にメリットがない。と判断出来ればスッキリします。



コメントをどうぞ

CAPTCHA