グローバル化あれこれ

2011年7月8日 金曜日

早嶋です。

サムスン電子の常務を務めていた吉川良三氏の本を数冊読みました。その中でものづくりのグローバル化とデジタル化について触れていたのが印象的です。

日本でもグローバルという言葉が経営にも浸透してきていますが、おおくの場合まだ国際化です。つまり、世の中が成熟してきて価格競争に勝つために、商品を安く提供する仕組みが必要になってきます。人件費が安い海外に生産拠点を移管するという発想です。しかしグローバル化とは、そのような新興国を生産地と考えるのではなく、消費国として考える発想です。従って、グローバル化している企業は新興国を市場と捉えるために拠点をまるごと作る発想を持っています。そして、それぞれの地域の文化に合わせて地域密着型の商品開発と販売を行っているのです。

それに加えてものづくりのデジタル化です。これに対比する言葉はアナログ的なものづくり。かつて日本が得意として、世界の工業国にまでなったお家芸です。しかし近年のデジタル化の進歩によって製品のモジュール化が進んでいます。ここの部品があるのではなく、ある程度標準化された部品群の組み合わせがあって、それをベースに開発や生産を行う発想です。グローバル化によって、より多様なものが求められるなか、全てをアナログ的に一から創っていては間に合いません。そのために、スピーディーに対応するために生み出されたモノづくりの手法です。

これはITの発達ともリンクします。現在では、製品開発や設計の段階からデジタル化が進み、目的に応じた様々な製品がつくりやすい環境になっています。これまでは業界をリードする国や企業の専売特許だったモノづくりが、従来以上に多くの国や企業が開発しやすくなっているのです。

これによって、国際化の発想で、生産拠点を海外の新興国にもっていっただけでは競争に勝てなくなっています。グローバル化を進めている多くの企業は、現地に生産拠点、人材、調達、R&D機能、マーケティング機能を移して、市場として捉えているのです。これは国内外を問わずに、新の競争のグローバル化が進んでいく結果にもなっています。



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