ロジカルシンキングのデメリット

2010年5月12日 水曜日

ロジカルシンキングを身に付けることで、逆に不得手になるものはあるのでしょうか?

あります。1)単純化する事で現実や実践とかけ離れる、2)多様性に欠け画一的になる、3)手法に執着してしまう、などです。

1)単純化することで現実や実践とかけ離れる
ロジカルシンキングは論点を単純化する。例えば因数分解してモレなくダブりなく考えます。これによって包括的に考えます。また、全てを因果関係で説明するため高い論理性を持たせます。結果、次のようなメリットがあります。
・単純ゆえに議論がしやすくなり理解が容易になる
・包括的なアプローチであるため抜け漏れが出にくい
・論理=因果関係を軸として考えるため説得力が高い

一方、デメリットは単純明快なので、逆に現実や実践とかけ離れてしますリスクがあります。「理屈はあっているけど、そう単純じゃないんだよ!」なんて事です。

2)多様性に欠け画一的になる
論理的なアプローチで出した仮説は、多様性に欠けるという弊害があります。例えばビール。主要なビール会社が論理的なアプローチで商品企画をした結果、新製品といってもほぼ画一的なビールばかりです。これか、ビールに限らず、あらゆる商品で観察できます。この結果、商品に特徴がないものは値下げして価格競争に陥っています。

通常、コスト削減、経営プロセスの改善、プロジェクトの効率化等には多くの人を巻き込みながら進めるため、論理的な説得と意思決定が必要になります。ここではロジカルシンキングはフィットします。一方、新しい市場を生み出すイノベーションが絡んだ案件には、ロジカルシンキングだけで実現する事は難しいかもしれません。

3)手法に執着してしまう
ロジカルシンキングを活用すると、短時間で仮説を導けます。出した仮説を明確に説明できます。同時にその仮説に説得力を待たせる事ができます。ロジカルシンキングは本来は考えるためのツールの1つにすぎません。従って、ロジカルシンキングに執着してしまい、本来重要な考えるプロセスを軽視される事が多々あります。




早嶋聡史





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