ワクの中で考える

2010年5月13日 木曜日

人はなぜワクにはまってしまうのか。また、ワクにはまらないようにするために、努力、コツなどはあるのか?

人間の思考、処理能力には限界があります。そのため、人間は簡易的な手法でザックリとした解を導きます。そのザックリとした手法は、知識や経験、学習によってある程度偏りができ、何度かその手法を用いると無意識のうちに繰り返しその思考を行うようになります。これがワクになります。メリットは、短時間で考える事ができる。デメリットは、枠の中で考えるようになる。です。

抜け道は、意識することです。人はワクにはまってしまうもの。複数の考え方が常に存在するもの。全てが仮説であって100%の解は存在しない。また、自分の考え方を分析し、他人の考え方を知り、様々な考え方がある事を受け入れる事です。

例えば、今後の世の中はどのようになるのか?予測して下さい。というお題があるとします。これらに対して、以下のようなアプローチで予測するとしましょう。
・現在、起きている全ての事象を把握する
・それぞれの事象の過去からの推移を把握する
・それぞれの今後起こりうる全ての事象を列挙する
・それぞれの事象の発生確率を求める
・上記を総合して今後の世の中を予測する・・・

これらのアプローチを全て行うのは現実的に不可能ですね。そこで多くの場合、ざっくりと大きな要因を考え、それらの関連性を基に将来を予測するでしょう。この過程で、過去に知っている知識や経験、たまたまその時にフォーカスされている事象に引っ張られて考えるかもしれません。しかし、何らかの予測が出来上がるでしょう。

またある時、おなじような予測を強いられた時、過去に行ったやり方をベースにするでしょう。これが無意識のうちに繰り返されるとワクの中に入ったイメージになります。思考のショートカットなどとも表現されます。

実際、日常的な意思決定は思考のショートカットレベルで全く問題ありません。全ての事象を細かく分析して、それぞれについて・・・とすると時間もかかるし、脳にも負荷がかかります。




早嶋聡史






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