ポイントカード

2010年4月3日 土曜日

近年、財布の中にポイントカードを持たない人はいないのではないでしょうか?

従来の紙媒体のポイントカードは、発行が容易で導入や運営のための費用は低いというメリットがある反面、顧客情報の管理が氏名や住所といった単純なものに留まり、顧客の購買履歴を基にしたマーケティング活動に結び付けるのが難しいというデメリットがあります。

一方、バーコードカードや磁気カードは、導入や運営のための費用がある程度発生するというデメリットがある反面、POS端末と連動することで顧客情報を管理しマーケティング活動につなげることができるというメリットがあります。

また、ICカードは顧客にとって使いやすいポイントカードで、携帯電話はカードをわざわざ持ち運ぶ手間から顧客を解放していることから、利便性が高く会員数を拡大しやすいメリットがあります。ただし、ICカードや携帯電話には、導入のために必要な費用が高くなるというデメリットがあります。

ポイントカードのメリットは、大きく価格訴求力の向上と顧客情報の取得によるマーケティング活動への活用の2つがあります。

価格訴求力の向上は、ポイントに応じて割引サービス・商品券・景品などを提供することで顧客に「お買い得感」を感じてもらい集客につなげるものです。

例えば、「100円の購入ごとに1ポイント付与し、100ポイントたまったら1000円の割引券を提供する」などです。この価格訴求力の向上による集客は、実質値下げを実施していることになり、自店の収益性を圧迫することにもなりかねないこが留意点です。

顧客情報の取得によるマーケティング活動への活用とは、ポイントカードの発行・運用を通じて顧客情報を取得し、顧客へのプロモーションや品ぞろえ戦略などマーケティング戦略への活用をすることでせす。

顧客との関係性の構築では、まず、ポイントカードを発行する際に顧客の名前や住所といった基本情報を得ることにより、DM(ダイレクトメール)を送信するという方法があります。この方法は、紙媒体の簡易なポイントカードの発行を通じても実施することが可能であり、誕生日など節目需要を獲得するためのDMやフェアなどイベントを案内す
るためのDMなどが考えられます。

顧客の購買履歴の情報を取得することで、自店の収益に貢献度の高い優良顧客を識別し、優良顧客を重視したマーケティング活動を展開することもできます。顧客といっても、顧客の中には特売の商品ばか
りを購入したり、たまにしか来店しない顧客がいる一方で、来店頻度が高く自店の収益に大きく貢献してくれる顧客もいます。

こうした優良顧客を重視した販売促進活動を展開することで、優良顧客の継続的な来店を促すことが非常に重要です。ポイントカードを活用することで、利用実績の多い優良顧客に対して重点的にDMを送付したり、優良顧客が購入してくれる商品やメニューの種類や品質を向上させたり、優良顧客に対してポイントカードのポイント付与率を向上させるといったサービスの向上が可能になります。
 
中小の小売業やサービス業では、価格競争ではスケールメリットを生かせる大手に対して不利であるため、価格訴求力の向上による集客は難しいでしょう。一方、顧客情報の取得によるマーケティング活動への活用については、より地域に密着した店づくりとして中小の個性を発揮していくことができるため、ポイントカードによる集客を図りや
すいといえるでしょう。

ポイントカードのデメリットとしては、前述したように、ポイントの付与による値引きサービスや景品などを提供することが実質値下げになってしまうため、自店の収益性を圧迫してしまうことが挙げられます。また、ポイントカードを導入するには、イニシャルコストやランニングコストなど費用が発生してしまうというデメリットがあります。

早嶋聡史






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