親子カフェ

2010年4月4日 日曜日

小さなお子様をお持ちのお父さん、お母さん、カフェを利用するにも「こどもが騒ぐから他のお客様に迷惑がかかるので気が引ける」「子供むけのメニューが無い」と言う理由から控える事があると思います。

また、昔と比較して地域同士のつながりが緩やかになっていること、核家族化が進んでいる事などの背景から子育ての悩みを共有したり相談する機会が少なくなり、親が子育てのストレスを抱えて孤立化される現象も生じています。

このような世の中の困った事に対しての解決策として「親子カフェ」が注目されています。親子カフェとは、プレイルームを併設したカフェのことで、キッズカフェとも呼ばれます。

親子カフェは、子ども連れ限定、もしくは優先となっている場合が多く、子ども連れでも、周囲に気兼ねすることなく飲食を楽しむことができます。また、子どもの遊び場には、保育士の資格を持つ従業員が常駐している店舗も多く、子どもを遊ばせながら、安心して親同士はおしゃべりや飲食を楽しむことができます。

他に、子どもの健康に配慮した無添加野菜を使用したメニューを充実させ、親も満足できるように豊富なメニューを取りそろえるなどの工夫をこらしている親子カフェもあります。

親子カフェの利用システム・料金体系・メニューですが、まだ確立した体系は無く様々です。会員登録を要するもの、会員登録不要のものに大別されます。
 
会員登録を要する親子カフェには、(株)ディア・マザー「ディア・マザー」、(株)キューブコミュニケーションズ「キッズパーク バンビーレ」などがあります。ただし、こうした会員制の親子カフェも入会費・年会費などを徴収するケースは少ないようです。

会員登録不要の親子カフェとしては、(株)スキップキッズ「スキップキッズ」、(株)キッズパーラー「キッズパーラー」などがあります。

料金体系は、「子ども1人当たり最初の1時間の利用料金350円+ジュース代350円」など、テーブルチャージに飲食代を加えたものを徴収するケースが大半ですが、ディア・マザーでは、ビュッフェ形式で食事を提供しているため、「子ども1人当たり880円」など定額料金を徴収しています。

メニューは、親向けにはピザやパスタなどの洋食を中心としたものが多く、子ども向けには複数のキッズプレート(お子様ランチ)などを提供しています。また、メニューとしては提供していないものの、赤ちゃん向けに市販のレトルトの離乳食などを店舗内で販売しているところもあります。このほか、夜間はソフトドリンクだけでなく、ワインやカクテルなどのアルコール類を提供している店舗もあり、居酒屋のような感覚で親子カフェを利用する人もいるようです。

親子カフェは、親子カフェを専業として展開する企業だけでなく、ホテル、レンタルビデオ店、コンビニなど既存の施設の付加価値を高めるための方策として、親子カフェと同様の機能を持つ施設が利用されています。こうした施設は、親子カフェとは称していないものの、それと同様の機能を持つ施設を運営することで、親子連れの利用客の取り込みや、子育てを支援する姿勢を打ち出すことで、企業イメージの向上に取り組んでいるようです。

親子カフェは、遊具や各種のじゅう器などの設備を充実させ、かつ子どもの安全に配慮した店舗とするため、人手・コストなどの負担が通常の飲食店に比べて増えると考えられます。また、親子カフェでは、利用客の滞在時間が長くなるので、回転率が低くなり、収益が安定しないといった課題があるでしょう。

そのため、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)「キッズカフェ」や(株)ローソン「ハッピーローソン」などのように、既存の施設の利用客の利便性を高めたり、子育てを支援する姿勢を打ち出すことによる企業イメージの向上など、施設単独での収益性を求めず運営する形でなければ、親子カフェを運営していくことは難しい可能性があり、病院など既存の施設内に親子カフェを設置する場合には、その点を考慮する必要があります。
 
この課題をクリアする企業もあります。ディア・マザーや、スキップキッズなどの親子カフェを専業で展開する企業では、利用料金以外からの収益の確保に取り組んでいます。両社とも、店舗を訪れる親や子どもを対象としたアンケート調査などのマーケティング調査を各種企業から請け負っており、利用客に対してアンケートや座談会などを実施し、回答に協力した利用客には店舗で使用できる食事券などを贈呈し、依頼企業は親子カフェに対して、料金を支払うシステムになっています。

今後、親子カフェでは、親子カフェならではの付加価値の高いサービスの提供や、収益を確保するための取り組みが求められていくでしょう。


早嶋聡史






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