マックの取り組み

2010年4月2日 金曜日

マクドナルドでは、マックポーク、プレミアムローストコーヒー、シャカシャカチキンなどを「100円マック」と名づけて販売しています。

中でもプレミアムローストコーヒーは、話題になりましたね、質の割には割安なのです。ブラジル産の「サントスNo.2」、コロンビア産の「スプレモ」、エチオピア産の「モカ・シダモ」、グァテマラ産の「グァテマラ・SHB」といった高級アラビカ豆だけを使用して、カップの外観にもこだわっています。

2008年1月にオリコンDDが発表した顧客満足度調査では、大手コーヒー
チェーンを抑えて買いたいコーヒーの第1位に選ばれています。これは味、香りといったクオリティで他店と変わらない高評価を得たにもかかわらず値段が圧倒的に安い、ということが理由として挙げられています。

一方、マックは低価格商品だけではなく、メインとなる中価格帯のバリューセット(ビッグマック、えびフィレオ、ベーコンレタスバーガーなど、概ね500円台後半~600円台前半)のほか、高価格帯商品としてクォーターパウンダー(単品350~360円、バリューセット670~680円)、メガマック(単品:340~380円バリューセット:640~690円)も提供し、それぞれ人気を博しています。

100円マックというわかりやすい1コイン戦略で消費者にアピールし入店を促していますが、実際の店頭掲示でメインとなっているのはバリューセットや目を引く新製品の高価格帯メニューで、最終的に100円マック以外のものを購入するケースも多いものと推測されます。

また、バリューセットを購入したついでに100円マック商品を購入する「ついで買い」を促して客単価を上げるという効果もあるでしょう。「ついで買い」促進戦略については、2009年4月16日~27日まで実施された、セットメニュー+1バーガーで100円キャッシュバックする、と
いうキャンペーンからも見て取ることができます。

日本マクドナルド社が公表している月次セールスレポートでは、2009年1月~3月いずれも前年度の客単価から3.4%~6.0%上昇しており、この不況下にありながら2009年3月度は全店売上高で496億4700万円と、創業以来の月間売上高最高記録を達成しています。

マクドナルドの戦略からは、単なる低価格ではなく価格と付加価値のバランスを追求していることと、価格帯を変えた商品群の提供で顧客ターゲットを広げようとしていることが見て取れ、それらが消費者にも支持されているものと思われます。


早嶋聡史






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