そうだ、自動車メーカーを買おう!

2009年6月4日 木曜日

早嶋です。



中国商務部の発表では、国内資本による海外企業のM&Aの規模が2002年の2億ドルから2008年には205億ドルと100倍も拡大しており、その勢いは更に加速しています。



中国政府はこの動きを「走出去」政策と称し、中国国内企業の海外進出や海外投資を推奨しています。中でもエネルギー、鉱物、製造、貿易、サービスの分野には投資が集中しています。彼らにしてみれば世界的な金融危機の影響によって、海外企業を買い物するチャンスなのです。



最近紙面を騒がせているアメリカの自動車メーカーも中国企業が狙っています。中国の大手機械メーカー四川騰中重工機械はGM参加のSUVブランド、ハマーを買収することで暫定的に合意したと3日発表がありました、5月頃の憶測では、ハマーは四川汽車が狙っていました。



フォード傘下のボルボは長安汽車が狙っています。買収額は12億ドルを上回るところという数字も報道されフォードから株式譲渡による買収を行う見通しです。



世界的な自動車不況の中でも中国企業の業績は割と安定しています。国内での自動車販売台数が増加しているからでしょう。ただ、中国での自動車のプレーヤーが多数あり、今後は成長している中国企業同士がカニバライズを起こすことも考えられるでしょう。



自社のブランドを地道に構築するよりも既に顧客層がある著名なブランドを買収した方が成長が早い!ともみているのでしょう。ただ、ハマーなどに乗る人は強烈にブランドを意識する人たちです。アメ車のハマーが中国のハマーになった時、これまで同様にブランドロイヤリティーを持つ人がどの程度いるのか?M&Aで企業を買収していくとき、ブランドポートフォリオをどのように構築していくのか?その手腕が中国企業に問われてくるでしょう。実に見ものですよね。



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