単純接触効果

2020年3月20日 金曜日

早嶋です。

営業活動において、積極的に営業する方がいた場合、最後はその人の熱意に折れて契約をする。なんて話になることはありますね。もちろん、提案する商品が悪くなく、顧客もその商品を欲していたという前提はあるとしても、積極的な営業が何らかの決め手になったことは否めません。

1968年、米国の心理学者ロバート・ザイアスはある実験を行っています。学生72名に対して様々な写真を繰り返し見せ、後でその写真の中の人物の高感度を調べる実験です。結果、見せられた回数が多い人をより好ましいと感じる傾向が強いことが分かりました。

当然人は好みがあるでしょうが、それ以上にたくさん接する回数がある方をより好ましく感じるのです。この実験は人物以外にも図形や外国語の単語、意味のない抽象的な概念など様々な対象でも同様の効果が得られています。

上記は単純接触効果、若しくはザイアス効果と呼ばれます。接触回数が多い対象は無意識に記憶します。記憶とは、認知形成のための準備状態のことで、記憶によって認知するスピードが早くなるのです。そこに脳がミスリードします。これだけ早く認知できるから自分に取って好ましいものに違いない、と。

企業がマスに向けてテレビコマーシャルをヘビーで流したり、マス広告を大量に行ったりして単純なブランド名や商品名やイメージを繰り返す目的はここにあります。記憶させることによって認知的流暢性、つまり勘違いを起こさせ購買に結びつけようとしているのです。



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