
小さなサブスクビジネスの可能性
2021年5月25日
◇サブスクリプションビジネス百花繚乱
原田です。
現在、動画のサブスクリションビジネスはまさに百花繚乱です。圧倒的に強い「Netfilx」、Amazonの「Prime Vido」、ディズニーの「Disney+」、アップルの「Apple TV」など、世界に冠たる企業が運営しています。
日本でもTV局系列の「hulu」、「UーNEXT」、「FODプレミアム」などが、一気に立ち上がりました。その他にも多くの企業が参入しました。種類もアニメ専門、スポーツ専門など沢山あります。
資金とブランドがあれば、新規参入は簡単なので、続々と大手企業が参入しました。しかし、現状を見ると動画系サブスクリプションは、「Netfilx」の一人勝ちのようです。この競争が激しい業界で、「Netfilx」は世界的に値上げをしました。現時点では、初回の期間無料のキャンペーンもやっていないようです。続々とオリジナルの作品をリリースして、ヒットさせています。
◇「Netfilx」の「強み」の源泉
「Netfilx」一人勝ちの背景には、コンテンツ作成能力という「強み」があります。2019年のコンテンツ制作費用は約1兆5千億円です。NHKの年間製作費の5倍です。もちろん今は、更に多額の費用をかけていると思います。
制作費用が潤沢なので有名な監督、俳優、様々なクリエイターなど優秀な人材が流れ込んでいます。日本のお家芸のアニメでも、アニメーター「丸抱え」の仕組みを作っています。日本の制作会社と提携し、アニメーターの育成費から、その生活費まで負担しています。
お金が潤沢なだけでなく、監督にはかなりの裁量が任されているようです。TV局が敬遠するような際どい内容の作品を作ることもできます。日本のテレビ局のように過剰な自主規制に縛られません。アップルやディズニーのように今まで積み上げてきた守るべき企業イメージもありません。この制作の自由度も大きな魅力です。
現場はお金があるだけでなく、才能のある人が集まり、いい作品を作りたいという意欲に溢れています。
「Netfilx」のコンテンツ作成については、膨大な利用情報をAIで解析してユーザー層に合わせて好みの映画を作れる云々と、本や記事に専門家が書いてあることが多いです。圧倒的な量のデーターベースとその解析で、ユーザーをいくつかの層に分けて、ヒットするコンテンツを企画できるようです。しかし、何より現場の意欲の高さが強みの源泉だと思います。
◇ニッチビジネスの可能性
「Netfilx」一人勝ちの構図が形成されるなかで、ニッチなサブスクリプションのビジネスチャンスが広がっています。
注目しているのがダンスのDリーグです。プロのダンスチームが、1年間複数のラウンドで順位を競い、最終的なチャンピオンを決めます。2020年8月に発足したばかりですが、すでに名だたる企業が、スポンサーやオーナーに名を連ねています。
専用のアプリをダウンロードし、1年間6,600円の有料会員になると様々な特典がつきます。そのなかで面白い取り組みは、有料会員が、ラウンドの審査ポイントを得られることです。
Dリーグでは、100点満点の計算で順位を競います。その得点は、プロの審査員による得点と、有料会員による得点を合わせたものです。単に視聴するだけでなく、有料会員が得点を付与することができます。その勝敗に関わることができます。インタラクティブなエンターテイメントができています。
今の若い人たちはダンスがより身近になっています。ダンスは中学体育の必修科目です。若い人は、自分たちのダンス動画をTikTokに投稿しています。ダンスは単なる娯楽ではなく、コミュニケーションツールであり、自己表現のツールです。これからも競技人口は増えていくと思います。周りを気にせず大音量で音楽をかけてみんなでダンスが自由に踊れる場所のニーズはあると思います。そしてアマチュアチームの発表の場もニーズがありそうです。そう考えると、ダンスは、さらにインタラクティブにリアルとネットを融合できそうです。これはコンテンツが一方通行の「Netfilx」ではできないことです。
◇スモールサブスクリプションビジネスの可能性
魅力的なコンテンツがあり、コアなユーザーがいて、インタラクティブなエンターテイメントが実現できれば、小さな企業でも優良なプラットフォームが構築できます。更に、リアルのサービスと組み合わせて収益を上げる仕組みができれば、その優位性は確固たるものになります。
実際に、タレントやビジネス系の有名人がそのようなプラットフォームを作っています。しかし、これはファンクラブの発展形のようなものです。今後、個人のネームバリューに頼らない、一つのビジネスのカテゴリーとしての、小さな確固たるプラットフォームが生まれてくると思います。
今はアプリの開発も多額の費用はかかりません。アイデアと熱意があれば、ビジネスを立ち上げることができます。そして、その後の工夫と努力の積み重ねが重要です。もちろんサラリーマン感覚ではダメです。動画系サブスクに参入した大手企業の死屍累々たる状況を見れば、それがよくわかります。みんな同じような内容だし、同じようなキャンペーンをやっています。何かびっくりするような新機軸のアイデアはありません。何か斬新なアイデアがあっても、組織内(巨大なグループ)の稟議や調整でなかなか実現できないでしょう。
何より大切なのは、関わる人のチャレンジ精神や意欲です。それがなければ人の知恵と工夫は生まれません。テクノロジーが発展しても、ビジネスの成功を決めるのはやはり人の感情です。
【動画】中小M&A推進計画
2021年5月24日
早嶋です。
中小M&A推進計画。今後5年間にM&A関連に関して官民が行うべき方針をまとめた資料です。国の目的は中小企業の貴重な経営資源を将来につなげることを目的にM&Aアドバイザー等、推進する側の話をまとめています。基本的にはM&Aを業として提供する方々を何らかの方式で管理し増やしたい意向ですが、具体的な取組はこれからでしょう。
一方で、買い手と売り手がM&Aを行う際に、アドバイザー等の不備があり整備しなければならないという記述があります。しかし、本来は売り手も買い手も自社での戦略を明確にしながらM&Aを活用するか否かの判断なので、もっと覚悟を持って経営しなさいよ!的なメッセージがあっても良いのかな?と思います。
例えば、後継者不在や債務超過で経営が大変になったよとか、確かに大変だと思いますが、もっと早めに準備しとこうよ。という内容です。当然、有事等でどうにもならないこともありますが、後継者が不在というのは現在進行形で分かっている話。世論としてはあたかも少子高齢化が悪いような感じを受けますが、ただ単に経営者の準備不足なのです。
M&Aの業者、つまりM&Aアドバイザーに対しての不備も多数指摘がありますが、業者に丸投げする側もいかがなものかと感じます。今回の中小M&A推進計画は、主にM&Aアドバイザーや業として今後M&Aを推進する組織に対しての話です。しかし今後は経営者として、経営の読み書きそろばんの1つにM&Aに対してのナレッジを身に付けていくことは必須のような気がします。
自然は描くことができない
2021年5月19日
早嶋です。
ふと、小学校の美術の授業の時に「自然を描く」というテーマの中で私だけコンクリートの壁を熱心に描いたことを思い出した。他の小学生は、もちろん教科書通りに山と空と近くの林を描いた。私なりにコンクリートの壁を描写することで主張したいことがあったが、当時はそれを表現できなかった。
自然とは。国語辞典等を引いてみると、「人為が加わっていない、ありのままの状態や現象」とあり、その対に人工とある。
これらをベースに考えると山、海、空など人工物の少ない環境は自然環境と呼ばれる。また人為が加わらないという解釈だけだと、人を除く生物全般も自然になる。一方で人は人為を加えて創造した生物では無いとすれば、人もまた自然と捉えることができて、天地や宇宙の万物を示すと考えることができる。
ちょっと考えただけで面白い。
今44歳で確かに小学生の時に紙一枚に目の前のコンクリートの壁を丁寧に描写した。実に30数年前だ。その頃の山は、当時私が通っていた学校からの景色だから岩屋山だ。すでに誰かが登っており、頂上には何かの観測のための設備と、電力を送るための送電線らしきものが山の中腹に見え隠れしていた。人為が加わっていると捉えると、その山は自然ではないし、あるいは一部は自然ではないということもできるし、人もまた自然の一部としたらそれもまた自然ともいえる。うーん。
もちろん、それは山は自然ですよ。そして早嶋少年の目の前のコンクリートの壁は人工物でしょう。という話は先生もしなかったと思うが、幼いときの早嶋少年はどこか偏屈な考えを持っていたので、概念的には同じではないかと考えていたのかもしれない。しれないというのは、その記憶が今朝、突如出てきたので、その記憶が正しのか、今作っているのかがわからないからだ。ただ、当時の絵はおそらく実家の押し入れの中のダンボールの中にあるはずだ。ただその作品はおそらく自然を書いたつもりだが作品は自然ではない。
古代ギリシャでは自然はピシュスとされ、世界の根源とされ絶対的なモノとして把握されている。その対立は人工ではなくノモスで法や社会的な制度とされた。その理由は自然と頃なり相対的な存在で人為的なモノであるから変更が可能というところで、対立の概念に置かれているのだ。このような対立を立てて考えるアンチテーゼはいかにも古代ギリシャらしいと思う。そんなに沢山の書物は読んでいないが。。
中世ヨーロッパのスコラ哲学の中にも自然の記述がある。「神は2つの書物を書いた」それが聖書と自然だ。聖書を読むことで神の考えを知り、万物のベースになっている自然を理解しようとするのだ。面白い思想だと思う。数学者で知られるガリレオ・ガリレイは神は多数の言葉で聖書を書いて「数学の言葉で自然という書物を書いた」と述べているらしい。
この話は英語の語源にもある。法則や法律を意味するLAWがそうだ。Lawは置くを意味するLayの過去分詞で、「神によって置かれたもの」が由来だそうだ。今教育やビジネスでも熱く議論されているリベラルアーツも聖書を理解するための文法、修辞学、弁証法と自然を理解するための算術、幾何、天文、音楽の7科としている。まさに自然、数の言葉で書かれたほうの書物を理解するために身につけるべき視点なのだ。
日本では「しぜん」を「じねん」とよぶ場合もある。万物のありのままの存在を示し、因果によって生じるものではないとする考えのとき「じねん」という。全てに因果があると考える仏教の因果論の対局で、無因論ともいうべきものだ。そう捉えると自然は外からの影響なく本来持つ性質や、その一定の性質から派生してできたものと捉えることができる。そこには偶然やたまたまもあり得ると思う。少なくとも今と違って、古来の日本的な考えの中には、今の自然と違って、人と自然の間に隔たりを持つことなく、ただ自然(じねん)にあるもの。という精神風土が少なくとも日本にはあったのだろう。
養老孟司さんは、自然は常にあるもので意味は無い。とする。前述した感覚所与の話と同じで人は得られた感覚を脳みそを通して意味を考え、最後はその意味が無いものを無視してしまう傾向にある。
現代社会の人が自然を見たときは、おそらく感じることではなく、その感じた結果に対して無理くり意味を見出して自然を楽しみ、慈しみ、懐かしみと、とにかく自然という本来意味の無いものに対しても意味を感じているのだ。そのため、人が意味を感じなくなってしまえば、その空間や概念は目の前にあったとしても、その人からは存在そのものを消されてしまう。物理的に存在するものは、その人の目の前から物理的に破壊され消去されてしまうのだ。
結果的に感覚所与を意味のあると思うものに限定して、最小の世界を作りだしたのが現代の思想で、最小の世界に閉じて世界を満たしている人の特徴が都会人だと養老孟司さんは主張している。実に面白いと思う。
小学校の授業で自然を描きなさい。というお題は、感覚所与で感じる自然、つまり意味の無いものに対して、人のアタマを通して考えさせ、その人のアタマの中での意味に解釈しなおした作品を表現する。というのであれば、当時の早嶋少年が書いた目の前のコンクリートの壁は、それまでは確実に自然だったと言える。少なくとも当時の早嶋少年は、そこにコンクリートの壁があることを議論することも考えることも疑問に持つこともなかったのだ。そこに自然を描きなさいという究極に問答のようなお題によって、結果的に意味のあるものを創造したのだから。
つまるところ、禅の問答のように自然を描くことはできないのだ。自然は意味がないもので、その意味が無いものを書いた瞬間に、誰かがアタマの中で考え始める。その瞬間から、描いた対象やその作品自体に意味が出来上がってしまうからだ。
ルネ・マグリットの作品の中にイメージの裏切りがある。パイプの絵の下にフランス語で「これはパイプではない」と書かれた作品だ。
当時の早嶋少年を後押ししたい。目の前のコンクリートの壁を書いても、本来の自然を描くことができたとしても、それは見た人が意識した瞬間に自然ではないはずだ。もしそれができるとしたら、それはすなわち神になる。これまで神しか自然を記述することができなかったのだから。
すなわち、自然を書いてとするお題自体が確実に矛盾であり、できもしないお題なのだ。それだったら、教科書をじっと見て、パクって、似たような自然の絵を描きなさい。もっと言えば、先生が描いて欲しい構図を予測して、小学生らしい作品を仕上げなさい、と先生は言うべきだったのではと。
ふと、小学校の美術の授業の時に「自然を描く」というテーマの中で私だけコンクリートの壁を熱心に描いたことを思い出した朝だった。
【動画】ハイブリット研修
2021年5月17日
早嶋です。
企業研修のスタイルを大きく変えています。インプットを動画で提供し、事前に課題等を提供。研修時間を短くして、対面、もしくはオンラインを活用して課題を中心に議論やQAや深堀をするスタイルです。何となくハイブリット研修と呼ばれるようになっています。
従来の研修は、およそ9時から17時の間で、
9:00 目的共有やアイスブレイク
9:30~12:00 ※研修
13:00~16時30分 ※研修
16時30分~17:00 まとめ、振り返り
でした。
そして※研修は通常、知識や事例のインプット、ミニワークや事例を理解いただく解説、ワーク、振り返り、QAという内容を繰り返す立てつけです。※研修の内、インプットや考える時間は全体の6割、考えた内容をベースに議論や深堀やQAのセッションが3割です。残りの1割がイントロとアウトロ。
ということで、全体の6割の部分を事前に動画と事前課題で行っていただくことで人員を同時に拘束する時間を全体の研修の3割程度にすることができるようになります。あるいは、少しだけ前説や内容の説明を行ったとしても研修時間を半日で従来の1日の提供をすることが可能です。
更に、演習や課題のフィードバックをオンラインで行うことで、テレワークが今後常態化しても研修を提供しやすくなる。また、動画を活用することで研修の振り返りもできて効果が高まります。
これまで、インプット部を長らく書籍で行っていました。あるいは、ブログを書いて文章で行っていました。しかし、実際多くの参加者は事前に読んでいない!というのが通常でした。現金な話、図書を購入頂いているので印税は幾分か入ってきて良いのですが、やはり中身を読まれないというのはもったいない。。
特に、階層型の研修は事前課題を課しますが、行っていないことを前提に当日のファシリテーションを進めていかないと上手くいかない。という実態でした。だったら課すなと思われるのでしょうが、クライアントの意識的に出したい場合が多くてしかたなく。というのもありました。
これを動画に切り替えることで、見て頂けるようになりました。動画であれば、事前に見ているか否かが分かるし、動画でインプットを提供した場合の研修の反応の方が明らかに高い議論が出来るようになったからです。それから研修終了後の動画の視聴も一定数あるため復習等を行っている方も存在も確認できました。
実際、文字を読める人は少ないのでしょうね。一方で動画であれば1.5倍から2倍程度で見ることが可能ですし、当日の午前中に午後の研修の内容を確認できるなど、実は便利だったりします。
おそらく、この流れが当たり前になるのではと勝手に考えています。となると、他社から動画を仕入れて研修を提供する予定の企業や講師にとっては、動画の作成や仕入れはコスト高になると推測できます。そのためひょっとしてPPTを作る程度の感覚で動画を整理できる能力を磨いておくことが必須になるかもしれません。実際は、どうか知りませんが。。
後、階層教育は基本、全て動画になるのでは?とも思います。動画を見て、レポートを提出という流れにシフトする。集まって議論するという体験や提供は企業側にとってコストになりますし、それ以上にリスクを伴います。講師も同じ内容を正確にリピートする必要が無くなって楽になるのです。一方で、選抜トレーニングやマネジメントのトレーニングはもっと密にコストをかけて行うようになるでしょう。また、選抜トレーニングでは、どうしても知識レベルのバラつきがあったためにインプットをしなければならなかったのですが、今後は不足する参加者は事前に動画で補足を理解してもらいながら、研修に臨んで頂けるので能力に応じたトレーニングがカスタマイズできるなど非常に便利になるし、参加者も楽になるでしょうね。
ハイブリット研修の概要は動画にリンクを張っています。超マニアックな内容です。
(ハイブリット研修 概要編)
(ハイブリット研修 活用編)
決めれない
2021年5月15日
早嶋です。
組織内で仕事をしている方の特徴で、何かを決めることができる方とそうでない方に別れます。
例えば、新たなプロジェクトを開始する場合。そのしえんで相談があった場合は、その目的やゴールの確認から始めますが、そこを決めて欲しいという。一瞬、んっ?それは本来我々ではなく、プロジェクトのオーナーが決めることだと思うのです・・・
そもそもどうして、今回のプロジェクトを依頼されたのか、そこを紐解くと整理できいると思うんですが。そのプロジェクト自体は社長からの指示で、誰もその意図をつっこんだり、確認していない。さらに事業部長はそれをうけて伝言ゲームのようになんとなく、できそうな若手に降りてくる。そして若手はPJTを作る。何のため、とか関係なく会議隊が出来上がっているのです。
実に不思議でしょ?普段はコンサル費用や研修費用に対して、とりあえずネゴってくるのに、最も大切な分に対しては何の議論も行っていないのです。まぁ、我々が食べて行くためには、その当たり前のことをご指摘差し上げ、そこを作りだす、或いは確認することから始めるので納得度が高くなるのでしょうが、それって当たり前なのでは、と思うのです。
一例にしか過ぎませんが、なんか上から言われたのでプロジェクトをおこないます。というかたが大きな組織には一定数あると思うのです。すると当然ながら、なぜ、この取り組みを行うのか?なんて考えないので、どのような形式でこの取り組みが終わったらいいのか?なんて見ないのです。
ゴールも目的も成果物もイメージせずに、プロジェクトは予算をかけて動き出します。そこで何をして良いかわからないヒトは、それっぽい会社に丸投げして、それっぽいことを行ったふりをして仕事をするのです。
なんか無駄ですよね。
これはM&Aの世界でも観察することができます。歴史を持つ企業は、ある程度既存の事業モデルで安定した収益を稼ぐことができます。しかし、今後のことを鑑みるとやはり今の事業モデルが心配になり、新しい事業が必要だという判断をする。正当な議論です。
しかし、これまで既存の枠組みに乗っかって事業を行ってきたので、社内に新たな取り組みを始めるマネジメントや役者が少ない、あるいはいない状態になっている。それに気がついたからゼロからやってみようという議論になっているのに、どうしたら新しい事業ができるんだ?という。それはやって見ないとわからないでしょ。と突っ込みたくなるが、思考は既存の事業の延長なので、新規事業も3年後に◎十億と設定するとできると主ちゃうのです。
そうなると、次は新規事業の部隊が創設されます。そしてメンバはいつものメンバ。というのも大きな組織であれ、小さな組織であれ、その取り組みに対しての目的や条件を考えた上での人選をしているフリで、実は常に同じ役者に声をかけます。そしてそのメンバが常にてんてこ舞い状態で、さぁ、どうやってやるんだ?と、目的のWhyや新規事業の領域などを考えることなく、Howである具体的な手法を探し出そうとするのです。
そして、机上で計画して、Webでリサーチしてあっという間に1年、2年。それなりの予算を使っているとおもうのですが、誰も行動していないから新規事業の勘所も種も生まれません。
そこで煮えくり返って、もううちはそんな時間が無いからM&Aをするぞ!とどこから流行っているキーワードが飛んでくる。お決まりのパターンでいつものメンバがM&A部隊として部署名を変更する。パターンは同じなので皆考えずにM&Aアドバイーにまるなげするのです。。
なんだかな。
根本は何も決めないことが理由なのでは無いか。とつくづく思うのです。わからないなりに、このよなことをやってみた方がよいのではないか。だったら、仮にそれが正しいか、いま時点でわからないから1ヶ月程度行ってみようよ。そして、その結果から再度自分たちが向かうべきところを決めよう。それがあってそうだったら、もっと資源を費やして一気に行ってみよう。そんなことも決めきれないのです。
だから戦略コンサルという仕事があるのでしょうが、なんとなく、その決めれないヒトの集まりが今の日本にはたくさんあって、将来の可能性をツビしているのではないかと思うのです。
マクドナルドはなぜ強い
2021年5月13日
1.コロナ渦で強いマクドナルド
原田です。
コロナ渦の中、外食業界全体が大きな打撃を受けています。しかし、その中でマクドナルドは成長を続けています。
日経MJによると、既存店売上高は、4月まで10ヶ月連続で前年を上回っています。2021年12月期の連結営業利益は、前期比2%増の320億円です。2期連続の最高益を見込みます。
単に数字がいいだけでなく、デリバリーへの対応、アプリの開発、新たなキッチンシステムの開発など、様々な革新的な取組みをしています。
2.マクドナルドが強い理由3つの理由
マクドナルドが、この非常事態に強い理由は、1)明確な戦略と業界地位、2)生真面目な日本風土への適合、3)危機を乗り越えた過去の3つが挙げられます。
まず1)の明確な戦略と業界地位です。マクドナルドは、ハンバーガに特化しています。もちろんロープライスです。そして顧客は、ファミリー層から、学生、ビジネスパーソンまで、幅広く対応しています。飲食業の中で、典型的なコスト集中戦略を実行しています。
業界地位を見ると、マクドナルドは、外食産業の中で、売上は3番目の規模です。1位はゼンショーHDの6,304億円、2位はすかいらーくHDの3,753億円です。マクドナルドは、3位で2,817億円です。しかし、マクドナルドはハンバーガーというカテゴリーに特化しています。幅広い客層が利用できます。特にファミリー層に強いです。一方で、ゼンショーHDは、その柱は牛丼ですが、このカテゴリーは熾烈な競争です。すかいらーくは、ファミリーレストランで、商品のレパートリーが豊富で、扱う食材も多いです。そして両方とも、複数の飲食ブランドを抱えています。
マクドナルドはやることが明確です。まず一番の優先事項はローコストオペレーションの確立です。なので、店舗、製品、人材、IT技術などへ集中して投資ができます。今回も急増するテイクアウト、デリバリー需要へ迅速に対応することができました。さらに生産性の高い新たなキッチンシステムも開発しています。今後、外食産業のDX化が進むなかで、この投資が集中できるというメリットはより大きくなります。
次に、2)の生真面目な日本風土への適応です。特定のカテゴリーに集中して、ローコストオペレーションを確立する戦略は生真面目な日本の風土に適合しています。コスト集中戦略の成功例は、マクドナルドだけでなく、ユニクロ、ニトリなどの製造小売業があります。コツコツとオペレーションを改善していくのは、日本人の気質にあっていると思います。
最後に、3)の危機を乗り越えた過去です。マクドナルドは長い歴史の中で、何度か危機に見舞われました。店舗急拡大、極端な安売り路線後の業績の大幅な落ち込みがありました。鶏肉スキャンダルの時も、ショッキングな写真がテレビ、ネットに流れ、大きく業績を落としました。
しかしその中でも、ブランドを陳腐化させず、リニューアルして復活してきました。こういうクライシス(危機)を組織一丸となって乗り越える風土があります。
3.クライシスの中でリーダーに必要なこと
クライシスの中、組織には明確なビジョンと戦略、そして強いリーダーシップが必要です。それがあれば、生真面目な日本人は、一丸となって働くと思います。
多くの企業が「新たな強み」を得るのは、クライシスを乗り越えるときです。コロナ禍のなか、苦境に立たされている企業がたくさんあります。しかし、この不遇な時代に培ったものが、また次のステージで活かされていくと思います。
社会で働く多くの人がコロナ禍の中で、何をやればいいのか途方に暮れていると思います。一方で、多くの人が何らかの形で社会に貢献したいという気持ちを抱いていると思います。明確なビジョンと戦略を掲げる、そしてみんなに伝えるというリーダーの役割が、何よりも重要になります。
以上、最後までご精読ありがとうございました。
意味は無い
2021年5月13日
早嶋です。
養老孟司さんの話の中で、感覚所与の話題が出てくる。これが実に興味深い。例えば、学校の黒板にチョークで青と書いた状況を想像してみてください。「青」と、まぁこんな感じでしょうか。
おそらく、このブログを読んでいる人は僕と同じ40代前後の方々でしょうから、青という言葉のイメージをアタマの中に取り入れたと思います。一方で、ヒト以外の動物と何らかの方法でコミュニケーションができたら、彼ら彼女らは、白いチョークで書かれているだから感じの意味はさておき、白い何かというイメージをアタマの中に取り入れるでしょう。
白い文字でも、赤い文字でも感じで「青」と表現すると、ヒトはアタマの中で解釈して青という概念を想定します、少なくとも日本の教育を受けていれば。しかし、動物はアタマの中で解釈することが出来ないので見た情報そのものを捉えるのです。これが感覚所与です。
例えば、震災直後の地震が来ると、多くのヒトは恐怖を覚え、避難経路の確認や情報収集といった行動を取ったと思います。これは感覚所与を受けてすぐに行動をしているのです。その際、脳に刺激を与えながら得たインプットを処理して判断して行動を起こします。しかし10年経過して、たまに地震を感じると、その行動のフィードバックを整理すると、そろそろ大丈夫ということで慣れてしまい、結果、10年前のような行動をしなくなるのです。
自然界では常に想定外の刺激が外部環境からやってくるので、アタマで考えて処理するのでは遅く、取り入れたインプットから意味を考えずにすぐにアウトプットを繰り返します。しかし、そのような行動を繰り返し行うとヒトは学習し始めて、インプットとアウトプットの差分を比較するようになるのです。ITにおけるいわば、フィードバックループのようなものです。そして、そこにギャップが生じていれば、つまり得たインプットを解釈してアウトプットしたけれども効果が薄かったなとなれば、徐々にそのインプットに対してはアウトプットしなくなり結果的に慣れてしまうのです。
つまり変化があれば人は行動をするでしょうが、その変化がづっと続けば慣れてしまい、何もしなくなるのです。この感覚所与はありとあらゆる感覚に生じます。つまりヒトが持つ五感です。
大学1年生、2年生の夏、富士山8合目の白雲荘という山小屋で長期のバイトをしていました。当時のバイトの仕事の中で辛かったのがトイレ処理です。今では信じられませんが、トイレはそのまま山の斜面に垂れ流していました。バイトの仕事は、たまにその現場に言って人工物を取り除くという仕事です。はじめは最悪だと思おっていましたが、実際行う中で慣れてきてその強烈な変化に対して慣れてしまったのです。
田舎で用を足すときのぽっとん便所。あれも今は無いのでイメージできないひともいるかも知れませんが。はじめのうちは匂いがきつくて出来ませんでしたが、徐々に慣れてきて鼻が鈍ってしまいます。これもヒトの慣れなのでしょう。
チョークで書いた青の話に戻ります。自分を振り返ると、小学校や中学校や高校と記憶優位の勉強を進めていたときは、先生が言ったこと、すなわち正解と無意識に捉えていました。しかし、今同じようなことを聴いた場合は、すぐに「ん?」それって本当なのか?片方の意見のみの情報で反対する側の意見はどうなっているんだ?と何らか受け取った情報に対して違和感を覚えるようになりました。昔は、先生が神様、正解と思っており、その情報が慣れてしまったら、全てを受け入れるようになったと思います。今は、受け入れても異なる世界が無数に有ることを知りました。したがって意識的に外部からの刺激があった場合、あまり考えないで行動していることに対しては時々振り返りをしています。
養老さんの話の中に、このような話題が出てきて、「感覚所与は意味あると思うものに限定して最小の世界を作り出す、そして世界を閉じ世界を満たす」という表現を使って話されています。非常に納得できることです。自分の興味があるものに関して意味を捉え、それ以外の外部からの刺激は無視するということです。その結果、自分で小さい世界を作り出し、無限に広がる世界の中で起きていることはそのヒトにとって全く関係なくなるのです。
話は飛躍しますが、結果的にヒトは概念の世界を作り出し、ヒトの世界を自分たちで限定し始めました。それが文明の世界で、今では都市の世界になっています。そして、ある時意味の無いものに触れた瞬間に、その意味を考え始め、自分が理解できないことに苦しむのです。
でも、本来は、意味があるか否かの意味さえもなく、意味が有るものを勝手に自分の中で意味があると思いこんでいたに過ぎないのです。自然の中を有るきまわれば、すべてのものに注意を向けて考え込むかと言えばそうでは無いと思います。しかし都市の現代社会の中に、ぽつんと大きな岩があったら、ヒトはその岩を排除する方向に動くでしょう。交通の妨げになるからです。でも自然の中を歩いていても、そのような行動をしないのです。
それは、最終的にヒトが定義した意味のあるもの以外の排除によって、自分たちの世界を作ったつもりになったからです。でも実際は、世の中のすべてのモノが意味があると捉えるよりも、意味は無いと捉えた方が自然なのです。すると九に、思考がすーっと楽になることが多々あります。
ソクラテスの無知の知。知らないことを知っていれば、全てにおいて興味がわく。勝手に脳が働いて楽しいことに満ち溢れる。意味がないことを前提に排除するのではなく、自分たちで意味付けをする世界を知る。することで常に考えて動き始めることができる。
ただ、上記の度がすぎると脳に対して負荷がかかり始めるので、意味を見出して考えなくなるという選択肢をヒトは選んだのかもしれません。
【動画】新出光リテール販売部特約店課様向けページ
2021年5月12日
こちらのは、新出光リテール販売部特約店課向けのページです。
6月15日の研修日までに、以下の動画3本を視聴ください。その後、既に策定している特約店様の事業計画のうち、新規事業として生み出す必要のある売上、利益等のギャップを把握してください。合わせて、特約店様の環境分析(SWOT)を行ってきてください。特約店の特定に対しては、事務局の指示を受けてください。
1)新規事業の基礎(40分)
特約店様において、今後減少する売上分を新規事業で行う場合、どのような流れで新規事業を開発するかの基本的な考え方を整理します。視聴する際は、特定の特約店をイメージしてビジネスアイデアの発想、ビジネスモデルの組み立て、そしてビジネスプランに落とし込む考えの流れを把握いただけます。
2)イノベーションの基礎_2_開発(40分)
こちらの動画では、新規事業のアイデアを創発するためのポイントを理解頂きます。アイデアの基本は事業チャンス✕強みです。コンサルタントがどのように創発するのかの考え方を整理しながら、特定の特約店へ寄り添うイメージを持ちながら視聴ください。なお、イノベーションの基礎は3本の動画がありますが、今回はその中の1本を抜粋しています。
3)戦略思考の基礎_5_環境分析(27分)
こちらの動画では、事業チャンスの見つけ方や自社の強み、市場の分析、競合の分析についての基本的な考え方を整理します。特定の特約店をイメージしながら、動画を視聴ください。ワークショップの1日目に、こちらの動画の内容に沿っって、特定の特約店の現状を確認します。なお、戦略思考の基礎は6本の動画がありますが、今回はその中の1本を抜粋しています。
ポルシェの環境事例・911
2021年5月11日
早嶋です。
「新品を今買うか、新しい技術が普及するまで購入を伸ばすか?」このような問いを持つことは無いでしょうか。今、世界を取り巻く自動車環境は電気自動車への移行時期です。しかし欲しい車はガソリンエンジン。今買って乗らなくなった頃のリセール・バリューを考える頃には、二束三文になっているかもしれない。ということで購入をためらう経験です。
スポーツカーの代名詞911。それを世の中に送り出すポルシェは、この取り組みに対して正面から取り組み解決策を提示しています。従来のガソリンエンジンは、化石燃料由来の燃料ということでCO2の排出に大きな影響を与えた。しかし、既に走っている自動車を電気自動車に置き換える過渡期において、走れる車をスクラップにして新車を普及させることもナンセンス。そう考えたポルシェは、既存の911オーナーに対して新たな環境技術で脱炭素を後押しするのです。水素から「ガソリン」を生成して提供する取組です。
(水素ガソリン)
ポルシェはドイツのシーメンス・エナジーなどとタッグを組み、チリ南部パタゴニア地方で風力発電を活用した水素ガソリンのテスト生産をはじめます。生産地のパタゴニア地方は常時風が強いことで知られ、南半球で偏西風が吹く唯一の陸地です。その風はアンデス山脈にぶつかり、冷やされ、密度が高くなったアンデス吹きおろしの風は風力発電にも最適なエリアとされます。
風力発電で得た電力から水を電気分解して水素を取り出します。そこに回収したCO2を化学的に合成することでガソリンと同じ炭化水素(水素ガソリン)を作るのです。
今回の初期投資は2000万ユーロ、日本円で凡そ26億円です。計画では22年に年間13万リットルを生産し、26年には約100万台分の5億5千万リットルを生産します。生産した水素ガソリンは既存のガソリン車に使用できディーラー等を介して既存ユーザーに直販するのです。
課題はコストです。テスト生産では1ℓ当たりの生産コストが10ドルで、26年の量産時期までに2ドル以下をターゲットにしています。ガソリンの生産から輸送、販売コスト、税金等を考えればオーナーが購入する小売価格はやや高くなるでしょうが、911を中心に特別な顧客にとって、既存のガソリン車がこれからも乗れるのであれば合理的な提案となるでしょう。
(911)
1964年の発表から今に至るまで、スポーツカーの代名詞でもあり、ポルシェのフラグシップモデルです。一貫してRR方式(リアエンジン・リアドライブ方式:車体の後部にエンジンを配置し、後輪を駆動する方式。駆動するタイアに重荷が大きく、発進時の機動が機敏になる。またブレーキ時も4輪にかかる荷重がバランスされ安定した走行を実現するとされる。)を基本として、21世紀の現在では量産RR車として独自のポジションを構築しています。
1990年代までは4輪車では数少なくなった空冷エンジンを搭載していたことでも有名で、時代によって多少の変化はあるでしょうが基本的なデザインは不変でポルシェの代名詞になっているのです。
更に注目するのはその利益率です。911の販売は2020年の販売ベースで3.4万台とポルシェ全体の約1割程度です。販売車種としてはカイエンなどのSUVが伸ばしていますが、911が稼ぐ利益はポルシェ全体の3割を占めています。ポルシェオーナーは大切にポルシェを乗り継ぐことから、過去生産されてきた911の7割は今でも現役で世界を走っています。
代名詞で稼ぎ頭、生産された7割が現役の911。これをテクノロジーが変わるからと言って全て電気にシフトしてね。というのはやはり大きな課題だったのでしょう。そこを水素ガソリンの生産から供給というエコシステムを独自でつくり911オーナーを中心に提供する取組を開始したのです。
他方では、ポルシェはEV化の商用も進めています。20年に投入したセダンタイプのEVであるタイカンは年間に2万台の販売を実現して、現在でも注文過多でフル生産を続けています。23年以降は売れ筋商品のSUVのマカン、カイエンとセダンタイプのパラメーラのEVシフトも計画しています。ポルシェは2030年の新車販売の8割をEVにする計画です。
ポルシェの取組は、既存の911を中心とするガソリンオーナーの将来の悩みを解消するばかりではなく、水素ガソリンを活用することでカーボンフリーの取組を推進するという素晴らしい発想で事業を進めているのです。ガソリン車とEVの共存。利益率の高い911を水素ガソリンで維持するが出来れば、環境対応と事業の両面の帳尻も合うのです。
(購買後の取組)
SDGsと環境と両立する社会が求められる中、多くの日本企業はいまだに逆行した行動で成り立っています。大量生産を進め、商品アイテム数を拡大、在庫を抱え、まだ使える商品に対してリプレースを促進する。その中で利拡大を得る高度成長期と変わらないビジネスモデルです。
マスク、ファーストフード、冷食、食器や家具など日常的に使う商品から、家電や車や住宅を見渡しても、どこか「使い捨て」の感覚が色濃く普及しています。もちろん経済を合理的に回す、衛生に保つ、コストを下げて提供するためには必要な面もありますが、過度な安全、安心、コスト安の日本は本来持った文化的側面と思想を壊す側面もあるでしょう。
一方で昔の日本は、モノを大切に使うことが当たり前でした。茶碗や漆器や着物などはそもそも高価なもので、複数所有することなく、大切に修理して世代を渡り使用されてきました。継ぎはぎや金継ぎなどの技術はモノをただ大切に使うことに加えて、修理して修復することでむしろ価値を上げる粋な技でもありました。
私がスイス機械式時計ブランドを創業したきっかけも、まさにモノを大切に使う文化を取り戻すことでした。スイス、フランス、ドイツ、イギリス。街中を歩けば古い商品が大切に修理されてリセールされています。モノに対しての価値は、新しいものよりも使用した歴史あるものに対して一目置く文化が今でも生活にのこっています。沢山所有することなく、自分が良いと思ったものを長く使い続ける。機械式時計は200年前の技術をベースにスイスの職人たちと手作業でつくっていきますが、文明が途絶えても、同じ部品を削り出し、組み立てることで後世でも継続して使用できます。
クリステンセンが主張したジョブ理論の中で購買後の使用にフォーカスする、リトルハイアの重要性があります。企業のビジネスモデル自体、売ることをゴールと捉えるのではなく、販売することをスタートと捉え顧客と関係構築を行い、その後の商品の使用やサービスの提供の中で顧客が問題を解決していく。そこに注目すると自ずと顧客との関係性が高まり永続的な事業につながっていきます。
ポルシェの革新的な取組は最新のEV技術を推進する中で、既存のガソリンエンジンがそのままの形で後世でも使用できるビジネスモデルを考え実現しているところにあります。誰でも思い付くことができるアイデアかも知れませんが、実際にテストマーケティングを行いながらその構想を示す。
確かに911はポルシェを象徴するアイコンです。利益率が高くても販売が続き、過去の販売者の7割の車が今でも現役であることを捉えると、それだけ多くのオーナーがこよなく911を愛しているのです。そこに対して正面から環境対策に取り組み、911のオーナーはそのガソリンまで気遣っている。将来的にはそのようなキャッチが浸透することが目に浮かびますね。
(提言)
さぁ、今911の購入をためらっている皆さん。臆せずに買いましょう!
自然環境保全と地域デザイン
2021年5月7日
原です。
地域が自然への環境保全に取り組むことに国民は力を貸してほしいです。
海外では、非営利の環境保全財団の活動が活発であると聞いたことがあります。
財団が基金を募り、集まった基金で必要な自然環境を買う。または、借り上げて維持していくことが必要です。
自然環境保全への取組の理由は、以下のとおりです。
私は都市と里山の2拠点生活をしています。
たまに、大都市に行くと空気の異様な匂いと水のひどさに呆れてしまいます。
しかし、住み慣れた都市住民の多くは、そのひどさに気づかないと言います。
人間の五感という機能そのものが崩されているのではないかと思います。
当たり前ですが、水や空気は大事なものであり、それが都市の発展や所得から生まれるものではなく、山や森、川、海から生まれるものであることは誰でも知っています。
それにもかかわらず、その大事な山や森や川や海の自然を遊休地と指定し、無駄な開発に取り組むことで、地域は貴重な価値である自然環境を失っていきました。
国などが取り組んでいるツーリズムとは、自然環境を価値あるものと認めたうえで都市との文化的・経済的交流を活性化させていくことが目的のはずです。
しかし、価値となる自然環境を悪化させてまで経済環境を追及した結果、農村地域は地域資源という価値を失い、都市は得るはずの価値を失っているのです。
経済原理の上に乗っかっただけの計画は、自然の姿を保全し、循環させる力を衰弱させていきます。
必要なことは、非営利の財団による自然環境の保全を同時に進めていくこと。それと、地域デザインの構想力なのです。そうすれば、市場を使って自然を守るという発想により生態系サービスという地域ビジネスが創造できるのではないでしょうか。
私は、「空気と水は汚いもの」ではなく「空気と水は美しいもの」という当たり前のことを取り戻し、都市と里山の双方が価値共有を得るために、里山の農園再開発後には山の保全や植林活動も微力ながら継続していきます。
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