
インドネシア(ジャカルタ)
2014年4月3日
早嶋です。
本レポートは、2014年3月28日から30日の間にジャカルタ視察のレポート。現地で視察のとビジネスパーソン等との情報交換をベースに記述している。私見を多く盛り込んでいる。
【総括】
◯内需で30年程度伸びる。現在の子供が大人になるまで、彼ら彼女らに対してて提供する全てのビジネス。
◯インドネシアを起点に海外(インドネシア以外)にビジネス展開するのは地理的状況から見て、もう少し先になる。
◯渋滞問題は根本的な解決に最低でも5年から10年はかかる。最低でも現状維持、若しくはもっと悪くなる。物流については割り引いて考える必要あり。
【ジャカルタの渋滞】
話には聞いていたものの、到着直後にその洗礼を受けて酷さに笑いが出た。スカルノハッタ国際空港から中心地のホテルまで20km程度の距離。普段なら40分程度の時間を見ていれば十分に着く距離。しかし到着後タクシーに乗ってからホテルに着くまで2時間30分もかかる。金曜の夜、スコールという条件付きではあるが、日常的に渋滞が社会問題になっていることがよく理解できた。
定量的に車の量がどの程度多いのか調べてみた。大和総研が国交省の資料から作成している資料によると、
スカルノハッタ国際空港⇔ジャカルタ中心部 676
2010年の東名高速海老名JC付近平日 130
2010年の中央高速世田谷付近平日 93
2012年の名神高速大山先付近GW 146
(単位は1日の交通量で×1000台)
平日の東名高速、或いはGWの地方の高速の5倍近い車が動いていることになる。スカルノハッタ国際空港からジャカルタ中心部の高速はほとんどが2車線なので込む理由も明確。車が多すぎるいわゆるグリッドロック状態だ。
では何故に車が多いのか。インドネシアで作られている自動車のほとんどが国内で販売され、特に金持ちが多いジャカルタに車が集中するからだ。ちなみに2013年度の統計で約123万台、2012年度で約112万台だから車がこれからも増加することを考えるとこの渋滞は緩和するどころかひどくなるだろう。
これは明らかに政府の責任。2012年10月に首都圏投資促進特別地域構想の中で、ジャカルタへの通勤用の地下鉄や空港へのアクセル鉄道の敷設を含む大規模なインフラ開発計画があった。でその計画では2016年には一部開通だったが2012年12月時点で既に財政上の問題で頓挫。どうも実際はお金を政府筋で使い込んでいるとかいないとか。したがって、この渋滞が解消される日は政治が変わる必要がある。しかもその後、しっかりとした計画が出来たとしても5年10年のスパンが最低でもかかると推察できる。これは外資(インドネシア以外の国)がビジネスを行う際に流通が全く信用出来ないことを意味する。
そもそも東京都の人口と同等のジャカルタの皆が一斉に車をベースに移動をしたら、ただでさえ道路事情が悪いジャカルタで車がスムーズに走るわけが無い。従って渋滞のリスク、今後の物流の改善は外的要因として進出する企業は留意すべき。
【自動車】
ジャカルタを走る車はほとんどが日本社。トヨタ35%、ダイハツ16%、三菱15%、鈴木11%、日産6%、本田5%、いすゞ3%、日野3%、マツダ1%。実に95%が日本車だ。トヨタが気合を入れてインドネシアに進出している理由は、インドネシアで自動車を作ると、そのほとんどがインドネシア国内で売れるから。しかも年々自動車の販売数は伸びている。ちなみに自動二輪車も日本が検討している。本田50%、ヤマハ40%、鈴木6%、川崎1%。
【道の設計】
単純に車の台数が多いほか、道の設計も悪い。基本的な大通りは一方通行にしている。これは良いが、わずか歩いて5分の距離を車で行く場合は迂回して5km車で走らないといけない。などの設計がいたる箇所にある。従って、ただでも多い道がダダゴミになる。また、メインの通りから一本入った通りは急に車がなくなるなどの不思議な構造も多々見かける。立体交差を活用している道路も車が合流するところにボトルネックがあり、信号も無いので、常に車が混んでいる。
全体最適が苦手なのか、常に部分の改善しか行われないという印象。これはモールの設計もしかり。各モールには案内板はあるものの、入り口にちょこっと表示される程度で、迷ったときに頼りとなる情報がすくない。また施設に対してのエレベーターの数やエスカレーターの数が少ないことが多い。何となく渋滞が発生する仕組みを垣間見た気分になった。また、トイレも少ない。圧倒的に人間が押し寄せてくるのだから、その数に対応した最低限のルールや決まりがあっても良いと感じる。
【いたるところにモールが賑わう】
ポケベル⇒固定電話⇒スマフォ・ケータイという普及が新興国では一気にスマフォ。みたいな感じで、個店⇒商店が⇒モールという順序を中抜してジャカルタ市内の至るところに大規模モールが完備されている。滞在中に10箇所程度のモールを見学したが、どこのモールも若い人を中心に溢れており、積極的に消費する姿を目にすることができる。
ここはまだまだ完全に売り手市場。細かいことに対して気がつくようにには5年、10年はかかるだろう。従って店舗進出する企業にとっては追い風。日本では細かい規制、顧客からのクレームで、企業本位で行いたいことが大胆に出来ない場合が多い。が、こちらの国は消費欲に対しての供給がまだまだ足りていない。この状況であれば圧倒的に提供側が有利な立場になれる。しかもその状況はしばらく続く。
モールはいたろところにあるが、地域によってセグメントが確立されている。超富裕層向け、富裕層向け、中間層向け、中間層よりも下の層向け等々。当然そのコンセプトに応じて入っている店やフードコートやレストランの店が異なる。レストランやフードコートに対してはセグメントが異なると当然ながら味も異なる。
中級層以上を相手にしているモールはかなり日本食が人気。或いは日本をもじった商品を皆良く消費していた。日本っぽいイメージを表現するために、桜の造花、モミジの造花、鳥居、提灯のいづれかか、その組合せで店舗をディスプレイしている。勿論、そこには季節感は無いが、海外から見た日本というのがそこにある。ディスプレイやロゴにも感じやひらがなを取り入れたデザインが多く、日本語そのもの日本そのものに対してのあこがれがあることが分かる。
モールを歩いていて分かることが子供の数。どこのモールも上層階に子供が遊べる小さな遊園地のような施設を設けている。まさに昔の日本の百貨店で、そこに子供と家族が集まり、食事をして、百貨店を見て楽しむ。モール事態が滞在型で、時間をタップリと過ごして帰る作りになっている。ショップも子供用品が充実しており、週末には家族の笑顔がたえない素晴らしい空間になっている。
それからどこのモールにもメインとなるスペースには車か不動産の特設コーナーがあり、営業パーソンが対象となりそうな顧客に一所懸命セールストークしている。これからの成長を感じる。
何故か、ジャカルタではパスタの人気がなく、うどんに高い支持が集まっていた。ラーメンはどこでも王道。国や地域によって嗜好が変わるのはわかるが、現地を足で稼がないと、どこに何がフィットするかの感覚は身につかない。企業としては小さい規模で実験を繰り返してデータを取ることは重要だ。
【従順な国民性】
国民が非常に従順だ。モール等を中心に新しい文化が次々に入っていて、それを素直に受け入れている。中国をはじめとする他の国は、若干解釈が加わった受け入れだが、こちらはストレートに普及していく印象を受けた。
これは店員の態度もそうだ。オーナーやマネジャーから言われたことに対して素直に仕事をしている。考えずに行っているという言い方もあるが、他のアジアの国々よりも社員教育によってはサービスレベルを一気に向上できるとおもう。例えば、タクシーの運転手さんも、こちらの指示に対して素直に応じている。何やかんや言い訳をすることも全くない。
国民が非常に真面目で悪い人が少ない印象。一般的なスリや治安の悪さは当たり前にあるが、多くの人が真面目。タクシー、ホテルの受付、フロント、ドアマン、ショップ店員等々。通りすがりに道を聴いても分からないなりに何か懇切丁寧に伝えてくれる。
19歳の頃、はじめてバックパックを背負って訪れた国がインドネシアだった。その頃の国の印象とはガラリと違う。学生でお金を持っていなくても日本人ということでタカラれる。直ぐに騙される。そしてその行為に対して厳しく講義をすると、バツが悪そうにいなくなる。一方、フィリピンの心象は悪いことをしても悪いと思っていないというところ。この感覚は表現することが難しいが、社員やスタッフの教育次第でインドネシアはかなり伸びる印象。一方、フィリピンだとサービス業は難しい印象。
現在、多くのサービス業では従業員に対して一人一つの役割を与えている。極端な話、日食レストランのうどん屋さんでは麺を切るかかり、ゆでるかかり、ネギを載せるかかり、スープを注ぐ係と、多くの労働力を使ってビジネスを行っていた。今後は、ここも教育によって一人でいくつもの役割をこなすマルチ工が次々に生まれてくるだろう。
ちなみに漫画やアニメ、JKT48などのサブカルチャーもまさに従順。おたくは全世界共通のコンセプトにのっとり、その文化の浸透もあっぱれだ。JKT48の施設の前には、日本と同じニオイをもつ若者が心を踊らせながら待っている姿は、この国に対しての情報の普及、テーマの浸透の行いやすさを垣間見れる。これを見越してアキバから展開しているのであれば、あの人はあっぱれ、マーケターだ。
本屋にいけば漫画だらけ。価格を押させる工夫をしているのだろう、コミックが薄い。日本の半分から1/3程度の薄さに調整されている。日本の名前をそのまま取っているタイトルもあれば、すこし現地の雰囲気を加味しながらつけている漫画もあった。日本同様、書籍売り場の半分、あるいは1/3を漫画売り場がしめているところが多かった。この輸入コンテンツ、やはり強力な商品だとあらためて認識できた。
【ワンブロック、川の向こうはバラック小屋】
途上国では当たり前だろうが、通りを過ぎたとこ、ブロック先の地域、川の対岸。片方が先進的な建物や暮らしを観察できる一方で片方はバラック小屋、スラム街も珍しくない。車で移動していて子供が物乞いをする風景も多々遭遇する。
急激に経済が発展して中間所得層が増えていると言っても、底辺の人の生活環境は中々変化しない感じを受ける。戦後の日本もそうだったように、この問題は時間とともに解決されるだろう。
【内需型の経済発展】
ジャカルタは日本と同様に海に囲まれた島国。他のASEAN地区への移動も飛行機が中心。従って何かを運ぶためには飛行場や港からのアクセスは重要になる。しかし、上述したようにインフラの設計と慢性的な渋滞はコントロールすることができない。あらゆるビジネスでモノの移動が必要な場合、流通がはじめからボトルネックになるのだ。
とは言え、内需で2億を超える人口と、今後年齢を重ねていく若い人口がワンサカいる。20年以上は十分に内需だけでも経済が発展することは間違いない。
【健康ブーム】
モールには健康グッツを専門に販売するショップ。スポーツウェアを取り扱うショップ。それからフィットネスジムや少しカラダを動かす施設が賑わっている。週末になるとジャカルタの大通りでは、車の規制がなされ、正午までは自動車が通れなくなる。その代わりにその場所で、自転車やランニング、散歩を楽しむ市民の姿を多く観察できる。
なかでも自転車はかなりブームのようだ。健康志向に加えて、渋滞をすり抜ける移動手段としても一石二鳥。車種も低価格のものから本格的なロードバイクまで様々なものを取り扱う店をよく見かけた。これも急激にお金を得た人々がこぞって健康に価値を見出しているのでしょう。
【若者の政治参加】
住宅街やスラムの屋根、通りの壁などに頻繁に旗が立っているのを目撃した。赤の旗は緑や黄色。色とりどりの旗が地域によってことなっていることに気づく。タクシーの運転手さんに何かと聴いてみると政党の旗だとか。皆、自分たちが応援する政党を支持しているのだ。経済が伸びる中で年齢や収入に関係なく、選挙の票は1票と扱ってくれる。やはり自然と関心をもつのだろう。若者が政治に感心が強いが故に、政府も若い人に対しての政策を敷いていく。これは日本と対照的だとおもう。
【ジャカルタ基礎データ】
インドネシアの首都。高層ビルが次々に建設され、各種ショッピングモールは連日の買い物客で賑わう。一方で少し離れた地域では以前と電力供給が不足されたエリア、スラム街が続く。また、交通インフラが常に課題で日曜以外は常に渋滞が問題視される。詳細は外務省のWebを。
参照:外務省Web
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/data.html#section1
ジョホールバル
2014年3月31日
早嶋です。
本レポートは、2014年3月27日、28日の間に現地で視察、現地でのビジネスパーソン等との情報交換をベースに記述している。私見を多く盛り込んでいる。
【ジョホールバル(JB)】
日本ではワールドカップで有名になったジョホールバル。人口は120万人程度。マレー半島の最南端でシンガポールの目と鼻の先。マレーシアでは2番めの都市の規模。ジョホール州のスルタン(イスラム世界における大様)はお金持ちで庶民に優しく、高速道路や州の施設はほぼ無料で市民に開放している。気さくな人柄でジョホールバルの市民からも人気がある。
タクシーの運転手さんは、とにかくスルタンのことを褒めていた。シンガポールと違ってお金を取らないのは全てスルタンのおかげと。JBの高級ホテルに良くコーヒーを飲みにいき、気軽に声をかけても挨拶がかえってくるというほど市民にやさしいそうだ。
【イスカンダル計画】
海外の不動産投資に熱狂している方は承知の計画。シンガポールの海峡の反対側、JBに巨大な都市を創る計画。マレーシア政府とJB州政府が積極的に手を取り合って開発を進めている。総投資額10兆円で現在の人口規模を120万人からやく3倍にあたる300万人の都市をつくろうという計画だ。果てしなく規模がでかい。
開発はまさに都市そのもの。170万人分の人口なので2020年前に福岡市よりも大きな都市をまるまる創る計画だ。不動産、商業施設、学校、企業誘致等々、都市機能まるごと開発。
【ボトルネック】
ボトルネックは2つある。一つは投資物件に対して誰が住むかという点。もう一つは、そこに住む人の仕事はあるかという点だ。
実際に目にした感想だが、イスカンダル計画は実態が伴っていない印象。マレーシアではクアラルンプールの不動産投資も加熱しているが見学に行く限り必ずそこに人の気配を感じた、つまり投資した不動産に人の活動が結びついていた。一方、JBの計画都市は、まだ完成ではないことを承知の上でも、中国を中心とする海外からの投機マネーが加熱しすぎた感じ。
多くの外国人投資家がこぞってJBのコンドミニアムや住宅などの不動産に投資をしている。その数既に10万人以上の投資家。彼らは不動産を取得してそれをそのまま賃貸に回して利回りと不動産価格のキャピタルゲインを狙っている。しかし、賃貸を誰がするかを考えた場合、いくつか懸念点がある。
シンガポールの富裕層の場合。そもそも賃貸することは無い。かれらも魅力を感じる場合は直接投資する。自分たちが住むとしたら、毎日の通勤に国境を超える時間だけで往復2時間から3時間かかる、これだけで富裕層が時間を無駄にしてまでもJBに済むメリットはない。更に彼らは元々、政府の住宅開発局から比較的安価に住宅を供給されている。ますますメリットを感じない。
シンガポールの中流層。こちらも考えにくい。JBの物件は主に高級コンドミニアムが中心に開発されている。従って不動産は決して安い買い物ではない。仮に新しくイスカンダル計画で建設された物件に住むかと言えば、今住んでいる物件を手放してまで済むメリットは少ない。
マレーシアの富裕層。考えにくい。投資案件としては数は少なくなったもののやはりクアラルンプールが魅力的。こちらは投資をした物件に実需がついてきている。JBの不動産はまだまだ実需が追いついていない。従って、彼らの多くは様子見というところだろう。
また、JBまでクアラルンプールから3時間の距離というのを考えても、所有物件としては購入しないだろう。では彼らが投資をするかというとやや疑問。クアラルンプールの富裕層はJBに一つ距離をおいている印象があった。
マレーシアの中流層。こちらも考えにくい。中流層が住むには若干投資金額が大きすぎる。更に彼らが購入したくても物件が海外からの投機マネーによって跳ね上がっているからだ。実際は買いたくても買えないと考えているだろう。
現在、開発の多くは商業施設と住宅関連施設。工場の誘致や企業の誘致は進んでいるようだが、これと行った企業が入る確定は少ない。オフィスビルの開発も進んでいるがそもそもJBで企業が定着する魅力やメリットが少ない。
【越境に要する時間】
シンガポール中心地からJBの中心地まで移動に90分から2時間程度の時間がかかる。その内、1時間は国境にかかっている橋の通過にかかる時間。チェックポイントではマレーシア側とシンガポール側のチェックをダブルで受ける必要がある。更に国境にかかっている橋が常に渋滞しているため車が流れない。国境を渡る手段な車、タクシー、バスなどがある。バスの場合は自分で歩いて乗り継いで手続きをする必要がある。タクシーやバスは車の中だけで手続きが完了する。がやはり時間と手間が掛かり過ぎる印象。
【JBからシンガポール双方のメリット】
JBの最低賃金は900リンギット程度。インドネシアからの移民の多くが清掃作業の仕事などでこの賃金を得ている。ファーストフード店などでは1000リンギットくらい。一方、同様の仕事をシンガポールで行うと3倍位の給料を貰える。そのため、この手の仕事に従事している人はJBから時間をかけてもシンガポールに渡って仕事をしている。
但し、シンガポールで花型の仕事ははやりファイナンス関係。この職種はJBには少なくそもそも、シンガポールで仕事をしていることになる。また、ファイナンス関連は元々高級なのでJBとの行き来をしてJBに住む人はいても未だ数は少ない。
シンガポールで政府関係者などは国の助成を受けた住宅に住むことができる。従って、彼らがJBに住むことは考えにくい。その他の高給取りも既にシンガポールに居を構えている。中流層に対してはJBからの通勤は視野に入れているところだろう。例えば、シンガポールの外れに位置する郊外の住宅で60m2程度のマンションでも3000万円から4000万円はする。
これに対してJBだと同等のマンションであれば1000万円から1500万円で購入できる。従って、既に多くのシンガポール人がJBにも住んでいる。またシンガポールで庭付きの家を持ちたい人はそもそも土地が無いのでNG。このような人もJBは魅力的だろう。
しかしイスカンダル計画が始まる前から既に上記の生活があるので、新たに住宅量を2倍、3倍と供給してもそうそう埋まらないと考えられる。また海外からの投機マネーが流れ込んでいるため、決して不動産価格が安くなっているわけではない。そうそう簡単に購入できる価格ではない。
【開発資本】
これは完全に主観になるが、韓国や中国資本が入っている地域には特徴がある。何となく洗練さがかけるということだ。JBの開発の多くが中国系、韓国系のデベロッパー。施工があらくデザインが今ひとつのところも多くある。特に、海辺のせっかくの景色が夜はなんとも言えないネオンで台無しになっている。まぁ、この感覚が好きな方々が投資をするのだろうから、これは完全に余計なお世話だ。
【実態との不一致】
イスカンダル計画を背景に、既に多くのコンドミニアム急ピッチで建設されている。2015年までに認可を受けると政府の支援を得れるという条件があるためだ。計画的に作られた街には人影がまばら。不動産の購入者はいても、実際には賃貸する人がいないという最悪の結末を迎えないと良いのだが。
仮に、完成後にその不動産に移住したとしても、その人がお金を稼ぐためのビジネスがJBにそもそもあるとは思えない。まだまだ企業の誘致が進んでいないから妥。実際、政府や躍起になって企業誘致を進めているが、その状況は不明。
都市の作りは学術期間の誘致などを見ると、別にリタイアした層にとって魅力的である街ではない。なので既にお金を持って余生を過ごす場所としての選択は考えにくい。新しい開発地はハード面が仮にあったとしてもソフト面が充実しないからだ。仮に、リタイア組を狙った開発だと言っても、多くは様子見をするでしょう。ということはここの層を増やすのは容易ではない。
かと言って、その人数が全てシンガポールで仕事をする口があるかと言えば疑問。元々ファイナンスで特化した国。ファイナンスの仕事は労働集約ではない。一部の優秀な人間が会社の多くの利益を稼ぎだすビジネス。そんなに仕事が増えるとは考えにくい。
シンガポールは既にあらゆるビジネスが細かくセグメント化され多くの企業がポジションを工夫して作り出している。つまり経済の伸びが今後急激にあるわけではなく、既に飽和し始めている証拠だ。
【JBのポジショニング】
そもそもイスカンダル計画の都市づくりのコンセプトは何か。広い意味での企業誘致を6つのカテゴリに分けて実施しえいるが、全てクアラルンプールやシンガポールにある都市と変わらない。つまり、ゼロから始める割には真っ向勝負していることになる。
世の中、他の地域も含めて企業誘致を大々的に行っている場所は他にもある。その中で、2番煎じ、3番煎じになっている印象。繰り返し書いているがシンガポールは圧倒的に金融や貿易に強い。安い人件費を提供するビジネスはJB以外にも多々ある。ITC等を考えてもそのビジネスを誘致すること事態が難しい。
レゴランドやキティランド、一部の学術機関があってもそれが起爆的な魅力に鳴るかと言えば疑問。クアラルンプールは、実際に生活の感覚があり、現地の人口が増え、所得が増えている。それを機会に外人投資家の高額物件であっても徐々に自分たちも購入するようになっている。従って実需が投資に追いついている。一方、JBは街を巡っても歩いてもその感覚が感じられない。
例えば、シンガポールが必要とする電力施設や逆浸透膜水工場の施設等を作り、シンガポールに安定供給する仕組みを充実する。あるはいその電力は他のマレーシア州に共有するなどのポジションをとったほうが、双方に対して優位な交渉力を身につけることができる。電力関連、水関連の施設を誘致して、電力と水が安定していた貿易やファイナンスの中心であるシンガポールに近い。となると一気に魅力を感じるようになる。それからその周辺に労働力を確保する街を作り、高級ではなく中流とかその以下が集まる住宅を提供して、サービス業のバックオフィス的な機能をまるごと誘致するというように、段階を踏まえた誘致があるとよいと感じた。
JB政府はマレーシア政府と対向している感じがある。そのため大きくイスカンダル計画を打ち出した。JB州政府の開発地域を見ていると、マレーシアが先行に行ったプトラジャヤの行政地区開発を思い出す。なんとなく、華やかな計画を打ち立て、途中で頓挫を繰り返すマレーシアの残念なパターンに鳴るのではないかと感じた。
勿論全くの失敗ということは無いでしょう。むしろ、ある程度の都市機能が根付いて来るでしょう。が投資家が言っているほど実態を伴ったものではないので賃貸物件がもたつく頃にどっとそのお金が引き始め、おもうようなリターンを上げれなくなると思います。
コカ・コーラの増税後の価格戦略
2014年3月26日
早嶋です。
コカ・コーラの増税後の価格戦略。チャンピオンとして極めて素晴らしい方式をとったと思います。あっぱれです。
清涼飲料業界大手の日本コカ・コーラグループが4月からの増税に対しての価格方針を2月27日に発表しました。
◯コカ・コーラやジョージア缶は自動販売機での価格を10円値上げ
◯爽健美茶や綾鷹などの無糖茶飲料は、現状の500ミリリットルを525ミリリットルに増量して150円から160円に値上げ
◯いろはすは価格を据え置く
上記を見れば基本は値上げの方針であることがわかります。
が、
◯コカ・コーラや缶コーヒーの小容量タイプを110円で新規導入して自販機での需要喚起に務める
◯電子マネー対応自動販売機は4月1日以降5円引きの値引きキャンペーンを実施
とあります。
これは流石業界のトップだなと思います。大手の飲料各社はチャンピオンのコカ・コーラの動きを今か今かと待っていたと思います。コカ・コーラの動きによって自社の値上げをするか否かを決定しなければ場合によって大きな損失を被るからです。そこに対して今回のコカ・コーラ社の動き。
まずは価格をあげます!と言っておいて最も売れ筋の商品は堂々と10円の値上げです。しかもこちらの販売は基本はコンビニなどの流通店での価格戦略です。元々、10円の価格感応度が低いコンビニでは値上げを実施。但し、若干容量を増やすなど値上げの理由を明確に提供しています。ここは小技が効いています。
一方、自動販売機では価格を据えおく戦略です。自動販売機は他の流通媒体よりも価格感応度が高い、ですから値上げによる売上現象のインパクトは大きいと考えたのでしょう。
しかし実際は自動販売機用に小容量タイプの缶を新たに導入するため、消費者からすると価格据え置きに見え、コカ・コーラからするとしっかりと値上げしていることになります。これは他の飲料会社の意表をついた戦略です。何故ならば、コカ・コーラ以外はこの方式をすぐに模倣出来ないからです。仮に模倣出来たとしてもかなりの時間を要するでしょう。これからコカ・コーラと同様の缶のサイズを製造することは不可能だからです。日本中の缶製造メーカーを探しても4月に間に合うように対応できる企業はそもそも存在しないでしょう。
小容量と発表していますが、きっと消費者にとっては認識しずらい程度の減量にとどめていると思います。従って増税後も価格据え置きとしか思わない。対して他社の取る選択肢です。コカ・コーラ社の缶が消費者の見た目上は価格据え置き。元々競争力が低い他社です。
値上げをすると、コカ・コーラに更に販売を取られてしまうとかんがえるでしょう。ということで、自動販売機での販売は価格据え置きを選択するしかない。そうなると他の飲料メーカーは実質的な値下げになります。すると確実に増税分の3%の利益を失うことになるのです。元々薄利多売の自動販売機ですから、この値下げによるインパクトは相当大きいでしょう。
更に、電子マネーの自動販売機はしばらく5%の値引きキャンペーンを実施するとあります。ここでも追い打ちをかけています。業界トップのコカ・コーラは自動販売機の電子マネー化も他社と比較して圧倒的に進んでいます。他社が真似したくてもそもそも自動販売機のハードが電子マネーに対応していない。従来とおりの小銭を入れる自動販売機は1円単位に対応していません。そう、ここにも対応するとなると10円単位で値下げをするしか方法がないのです。
小容量の対応といい、電子マネーで払った場合の5%キャッシュバックといい、2位以下を欺くかのように圧倒的な力を見せつけた戦略だと思います。
参照元:ロイター通信「消費増税時の自動販売機価格、コカ・コーラを10円値上げ」
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA1Q03Y20140227
アンバサダーマーケティング
2014年3月25日
早嶋です。
アンバサダーという言葉がマーケティングの世界に浸透している。元祖はロブ・フュジェッタ氏の著書、アンバサダー・マーケティングから来ている。サントリーのアンバサダー制度やネスレのアンバサダーなど、言葉は知らずとも、何となくその体験に触れていることでしょう。
例えば、企業の商品を熟知していて、熱烈なファンで、影響力があるヒトは、企業からお金をもらわなくとも、その商品の良さを周囲に発信していたでしょう。かつては、ロイヤルカスタマーという言葉やファンという言葉で語られていました。こちらとの違いは、企業が明確にPRの手段として活用することを目論んでいることです。
従来のロイヤルカスタマーやファンは、
◯リピート購買をする
◯浮気をしない
◯大量に買う
◯顧客を紹介してくれる
◯強烈にその商品を愛している
でした。
が、アンバサダーはこれに加えて、
◯商品に対しての正しい理解
◯周囲への盈虚力を持った人々
◯自ら発信力を持つ
と定義することが出来るでしょう。
ある時期、ステマ(ステルスマーケティング)という言葉が流行りステバレした企業は急激にロイヤリティが落ちて行きました。ステマとは、上記の定義の中で強烈にその商品を愛しているわけではないが、上記の一部を持った人々、特に周囲への発信力と影響力を持ったヒトに対して、企業が秘密裏にお金をまいて、宣伝をしてもらった手法です。
ですが、これがそもそも嫌われるというのがおかしな話ですよね。企業はありとあらゆる手法を浸かって広告をして、商品を買ってもらうように活動しているのですから。しかしきっとこの背景には、広告媒体がかつての4大媒体からWebやブログやSNSに移行していった背景があると思います。従来のテレビ、新聞、雑誌、ラジオは明らかに企業がお金を払っているということを前提に広告されていました。従って騙されている感覚はない。しかし、ブログやSNSやWebなどは、匠に消費者があたかも自分から自発的にPRしてくれているようにしている。が、実際はその発信者が多大な利益を得ている。というところに騙された感を持ち、ステバレした後に、急にロイヤリティが激減するのでしょう。
この背景には、日本がそもそも成熟して、皆の平均的な暮らしが徐々に低下していて、お金に対しての執着が実際はあるのに、頑張ってもリターンがないことであきらめている。という背景があるのではないでしょうか。従って、露骨に利益を得る人々に対しても嫌悪感を持つようになる。皆が成長していて、一定の仕事に対してそれ以上のリターンがあった時には、そのような嫌悪感はわかなかったと思います。
また、本当にその企業が好きで、金銭的な対価を得ないで活動していたヒトにとっては嬉しい限りです。彼ら彼女らは純粋にその商品が好きで、だからこそ勝手にファンを増やしてきたのですから。企業としては、そのような方々に対して経済的な価値を提供するのではなく、承認や評価、信用や信頼をあたえることで、つまりもっと社会的な価値を提供することで、彼らを組織化することができる。これがアンバサダーマーケティングのベースになります。
従って、企業としては、そもそも以下の素養がなければ、そのような強烈なアンバサダーは育たないことを理解すべきです。
つまり、
◯そもそも最高の商品だと顧客から認知されているものを持っている、或いは提供できること
◯更に、記憶に残る体験や感情の提供を日常的に継続的におこなえること
◯そして、悪意のない対応をして、社会的に意義のある活動に対するコストをケチらないこと
◯何よりもミッションオリエントな会社で、顧客に共感をもたれる組織体制であること
です。
上記のような企業は自然とロイヤリティが高まり、自然と発信したくなるのです。
意図的に一時的に単発的に見せかけのアンバサダー制度を浸かってWebやSNSやブログを騒がせても、結局は商品の購買につながらない。或いはつながっても継続的な売上に貢献しない。という結末になるでしょう。やはり、一発勝負の仕掛けは存在するものではなく、きっちりとした仕掛けを長年かけて創り、さらに状況に併せて対応している企業が結果的に顧客からも支持されるのでしょうね。
大企業における新規ビジネスと人材のギャップ
2014年3月24日
早嶋です。
国内では多くの大企業の主力ビジネスが成長後期から成熟期、あるいは衰退期に差し掛かっている。ライフサイクルの理屈で言うと、この時期のビジネスはシェアをとっていれば最も効果的に利益を生む仕組みです。従って、現在の収益を支える柱になっています。
しかし、当然ですが時間の経過とともに市場が徐々に縮小する、或いは全く異なるモデルに置き換えられ突然死を迎える、なども考えられる結末です。その場合、次のビジネスを早い段階で仕込まなければなりません。そのため多くの大企業が新規ビジネスの創出や新市場への進出を戦略の重要な打ち手に入れています。
が、適切な人がいません。
現在、旗振りをしている経営層の多くがゼロからのビジネス創出経験がないので、スピード感や泥臭さ、考えるよりも手を動かすと言った全く異なるスキルの重要性を感覚的に理解出来ていません。結果、不確実な市場に置いて正確性を求め、将来の不確かな市場に現在の主力ビジネスが成り立っている市場規模を求めます。いわゆる大企業のルールでゼロからのビジネスを創出しようとしています。従って、判断が出来ずに小資本の企業に先行者利益を奪われてしまいます。
要因は、人材の育成の仕方にもあります。大企業のメインストリームで仕事をしてきた人員の多くは企業の全体像に振れることなく細分化さた個々の役割を淡々とこなしてきました。このフェーズにおいて、そのような仕事を行う人材は優秀です。がフェーズが異なると求められる資質も異なります。新規ビジネス創出部隊に適応する要件、行動する、小さく始める、失敗から学ぶ、曖昧な状態でも進められるなどの資質がありません。
従って急に抜擢されても調査の段階で半年も1年も時間を費やしてしまい、アウトプットも分厚い紙の報告書にとどまります。スピード感や対応の感覚が余りにも違いすぎるのです。
その人材を輩出して計画的に育てる人事にも課題があります。本来は経営戦略に紐付いた採用、配置、転換、教育を行うべきですが、人事の方針は独立していることが多いのです。そして、毎回、何を基準に新人社員を採用して、何を基準に中途を採用しているのかも曖昧。中長期的な戦略の方向性に紐付いていない。従って、確かに優秀な社員がおおいのですが、これは成熟ビジネスの既に出来上がった土壌では活躍できる人材であっても、ゼロから攻めていくタイプの人材がほぼ確保されていません。
伝統的にそのような人材は数年で辞めてしまうので社内の流動性が高まるためはじめからリジェクトする、なんて暗黙があるのでしょう。
フレーミング
2014年3月20日
早嶋です。
大手製造メーカーで研修中、昼食を食堂で取りました。食堂のメニューは2種類。カレーライスとエビフライ。通常はエビフライが先に売り切れ、昼食の後半はカレーライスのみになるのに、今回はカレーが先に売り切れていました。
それもそのはず、エビフライ(バナメイエビ)と表記されていたからです。別に誤表示しているわけではないのに、あえてバナメイエビの文字。何となくですが、普通にエビフライと表記されていたほうが食欲が沸いてきます。
こちらの食堂、大手製造メーカーらしく、誤表示の事件後、あえて表示を追加しているようです。バナメイエビ。昔から食べていて皆知らなかっただけ。でもあえて表示されるとなんだかカレーが美味しく感じるのでしょう。
自己理解を通じて他者を受け入れる
2014年3月14日
早嶋です。
仕事を通じて
1)自分の考え方を理解している人
2)理解していない人
がいることに気が付きます。
1)の理解している人は、アイデア出し、議論などをしている場合。本人と異なった考えやアイデアがあった場合、闇雲に否定することはなく、一度受け止めてその違いを考えたり、その違いの背景をアイデアのオーナーに質問していきます。つまり、自分の考え方を知っているために他者との比較が相対的にできるのです。
一方、2)の理解していない人は、結構こまります。本人と異なった考えやアイデアがあった場合、怪訝な表情を浮かべ、全てを全否定する態度をとります。自分の考えを絶対的に判断して、断固受け入れない感情です。
もちろん、上記は極端に書きましたが、何事も立ち位置や現状を把握しておくことと知らないことでは大きな違いがでてきます。企業の戦略を立てるときでも自分の立ち位置が曖昧な組織は、明確なビジョンがあっても、達成するためのシナリオが不安定になります。現状とビジョンを結ぶ線は現状の把握がなければ不安定なものになるからです。
大切なことは、完璧に理解することは出来ないかもしれなが、自分の考え方や自分が出した結論やアイデアの背景、そのベースを知ろうとすることです。すると様々な要因によって考え方が作られて、その要因の変化によって自分の考えも変わっていくことがあることを知ります。考えは皆違うし、前提条件が異なれば異なった結論になる場合もある。とすると、仮に2人以上の人が議論をしていて食い違いがあった場合、何かの前提が異なったり、何かの解釈が異なっている場合があります。
多くの人は、そのようなことを考えること事態が面倒だし、無意識に過ごしているので考えることすらしないかもしれません。しかし、自己の考えを追求している人は、他者との違いに興味を示し、異なっていることを受け入れながら、それは本当に違うアイデアなのか?と意識的に思考します。これは重要です。
他人を理解することが100%できることとは思いませんが、そのスタートは自己理解だと感じます。自己を理解する過程で実は他者との違いに気がつく、実は自分以外の考えが存在していることに気が付きます。当然、そのような考えの存在をしると、今度は探究心がわいてきて、その考えに触れたい、知りたいとなるでしょう。つまり、他者の考えを真っ向から否定せずに、一度は受け入れて、自分の判断基準や前提を比較しながら違いを理解しようとするのです。
勿論、最終的には自分やチームが目指す方向性により近づく考えを受け入れて行動に移すでしょう。違いあることを理解することで、モノゴトがぐんと前に進むのです。
マレーシア視察報告
2014年2月28日
早嶋です。
本レポートは、2014年2月25日から28日の間に現地での視察、現地でのビジネスパーソンとの情報交換をベースに記述している。私見をふんだんに盛り込んでいるため事実と異なる部分もある。
【マレーシア】
現在、大量消費の経済からサービスビジネス、付加価値ビジネスに価値観が急激にシフトしている。ハード面は充実してきているが、それを補うソフト面がまだまだ追いついていない。5年、10年後には3次産業が占める割合が高まるだろう。
現地のビジネスパーソンは、基本は資源の豊かさで成り立った国であるため、効果や効率を求めるスタイルが定着していないという。例えば、パームヤシのオイルを絞るビジネスで、絞る効率を改善するよりは、資本を入れて工場を追加したほうが楽という考えがある。つまり価値の中に効率やスピードの概念が少ない。日本人は同じインプットでより多くのアウトプットを求めるが、資源国はアウトプットを増やすにはインプットを増やせば良いと考える。同時に、一人あたりのスピードを早めるよりは、複数の人間を使って作業を行えば良いと考える。この価値感の違いは、彼ら彼女らとビジネスを行う場合、非常に重要だと考える。
マレーシアの経済状況、社会環境、文化面はざっくりと言えば30年前の日本と同じ。超金持ちと普通に生活ができるレベルの人が急増している。上流層の日本に対する感情は非常に良い。例えば、3月の日本行きの飛行機はほぼ取れない状況。マレーシアのネイティブが日本に行ったときのおみやげの平均金額は18万円という統計があることからも彼ら彼女らのバイイングパワーが高いことがよく分かる。
消費者向けのビジネスを行う場合、多民族国家なので、ビジネスのポジションを明確にしてもターゲットの絞り込みは極めて難しい。超尖って一部にフォーカスをしてニッチを目指す以外は、ある程度ゆるやかなターゲットにフォーカスするマーケティングがまだまだ重要と考えられる。差別化を実施するにはまだまだ経済が豊かになっていないため、他との違いにプレミアムを払う人々の割合が圧倒的に少ないからだ。仮に行うとしたら、超金持ちモデルか大衆モデルのどちらかにポジションを明確にふること。日本で言う差別化戦略が受け入れられるのはまだまだ先で、早くとも5年くらいの時差があるとおもう。
例えば、飲食業では一つのメニュー、単一民族に絞るのではなくフュージョンのような幅が広いメニューが受け入れられる。日本の進出で失敗しているのはうどん専門店のような店。和食で成功している企業も、和食をうまく現地にアレンジしている企業が目立つ。
大衆層にフォーカスするビジネスであれば、まずは見た目から入ることが重要。機能や感情部分は国やそこで生活している国民のレベルが追いついてから。まずは徹底的にコストを考えながら、雰囲気が味わえる「なんちゃって」で参入した企業がシェアをとっている印象。余りにも凝り過ぎて研ぎ澄ましたビジネスはまだまだ受け入れられる余地が少ない。ライフサイクルを考えながら企業のポジションを変えていく必要がある。
一方で、ライフスタイルに西洋文化が浸透してきている過渡期であることを感じる。モールなどにも日本でも流行りそうなベーカリーやケーキ店が人気を出している。ベーカリーやパン屋などは今後、屋台がひしめく街並みにも徐々に増えていくことでしょう。
【国による大きな特徴】
今回の視察で改めて感じたこと。それは、国によって得手不得手があるということ。
例えば日本。間違いなくはモノづくり、サービス精神の国であることを感じる。従って日本はモノづくりやサービス精神を追求して、その他の部分は徹底的に外注するか他の国のスタッフに一任することが重要だと感じる。
例えばアメリカ。この国はなんといってもビジネスモデルを構築したり、混沌とした考えやアイデアを分かりやすく体系化する能力は超一流。また、イノベーションの国でもある。誰もが考えたことがない技術やアイデアをゼロから一に形づくるのが得意。日本は、これらのアイデアや思索的な技術を更に洗練させていくことが得意。
例えばユダヤ。これはなんといってもファイナンス。資金の調達から運用のセンスはセカイでも郡を抜く。
例えば欧州。欧州は感情やデザインやブランドの国。モノやサービスを洗練させるには彼らが一番。品質はそこそこなのに、何故か彼らがプロデュースすると物質的欲求が高まりワクワクする。
例えば中国。なんといっても架橋の商売上手を見たら彼らは既にあるビジネスモデルを現地や地域になじませて実際に利益を得るモデルを実効する行動力とノウハウと人脈がすごい。逆に言えば、彼ら彼女らとうまく組んで、架橋に多めのインセンティブを渡したパートナーシップが結べれば一気にそのビジネスのシェアを取れるとおもう。
近年、コリアンは文化をうまく表現してポップに語り、コリアイメージを特に若い層に上手に構築している。
グローバルビジネスを展開する場合、全てを一人で行うのではなく、得手不得手をよく理解しながら強力できると理想的な組織が作れるかもしれない。これは理屈のセカイで、実際にその協調をとる作業は非常に難しいと創造するが。
日本のパルコがタイ、台湾などから撤退した理由は、見た目のみのファションを韓国や中国からパクられたことに起因する。仮にアパレルで模倣の困難性を構築するには、ユニクロのように確固たる機能を持つことが出来なければ直ぐにパクられる。一度パクられるとモノの違いがなくなり後は自然とコスト勝負になり、安く提供できる仕組みを持つ韓国や中国がジワジワと力をつける結果となる。もしこの勝負に勝ち目をつけるためにはユニクロのように圧倒的な機能繊維を全面に打ち出すか、H&MやZARAのように徹底的にイメージを構築するかが必要。従って、パルコは撤退を余儀なくされている。これは上記の考察を見てもよく理解できる。
【ブキット・ビンタン地区】
飲食、小売、サービス業の出店としてブキッ・ビンタン地区を視察。こちらはクアラ・ルンプール随一の繁華街。ホテル、モール、レストラン街、屋台街と忙しい。ブキッ・ビンタン通りには、Starhill Gallery、KL Plaza、BB Plaza、Lot 10、Sungei Wang Plaza、Pavilionなどの巨大ショッピングセンターが立ち並ぶ。
パビリオンデパート。福岡で言えば、リバレインのイメージ。高級店舗を集めたモールですが、価格をハイエンドに振りすぎているせいか、人通りもまばら、この価格帯でお買い物ができる人がまだまだ追いついていない印象。モールに入っている飲食店を中心に視察、老舗の日本料理店である勘八(現地では高級)かフードコートが人気で中途半端な価格設定の店舗の客足はまばら。
パビリオンデパートの6Fにある日本を彷彿とさせるコンセプトショップ街であるTokyo Street。イメージは羽田空港の国際線ターミナルにある江戸小路のマレーシア版のようなもの。行く前の口コミでは現地人を含めて大人気の場所とのことでしたが、コンセプトがまだまだクアラ・ルンプールに馴染んでいる印象がない。売っている商品や食べ物も現地価格からするとやはり割高。ハレの日のデートにちょっと見学する程度の利用が目立つ。当然、こちらには日本でもなじみの店舗が出店している。
この地区には更にスーパーブランドを集めているモールがある。そこには最高のレストランも揃っている。リッツ・カールトンなどの一流ホテルも併設している。平日はまだらな客足だが、休日になると買い物客で賑わっている。一部はシンガポールから車を飛ばして食事と買物がてら楽しんでいる顧客もいるという。通常の見方であれば成り立たないような空間と商品ラインナップであるが、超金持ち層のお買い物ニーズを満たすにはちょうどよいサイズでもある。
【飲食事情】
宿泊したパークホテルの周辺は、地元で人気のモールがあり、その裏には昔からの屋台街が広がる。当たり前ですが、モールと屋台街、その周辺の飲食レストランの価格差が面白い。モールと違って周辺のレストランはどこも現地の人や観光客、ビジネスパーソンで賑わっている。
マレーシアでモールが充実しているのは、元々はウエットマーケットで食事や買物のをする風習があるからだろう。フードコートと言っても、様々な料理を楽しめ、味はモールの上層階のレストランとほとんど大差はない。レストランは、着飾ったハレの場でフードコートは日常的に食事を取る場所という印象。モールを離れた場所では今でも市場と併設した屋台が折り重なっている。こちらで日常的にご飯を食べている姿はアジアを彷彿とする。面白いと感じたのは、食事をテイクアウトするさい、普通のビニール袋に入れて終わり。ん?残飯!なんて思ってしまったが、それは考え方の違いでしょう。食事という機能に徹底的にフォーカスされた結果でしょう。従って、今後は食事を目で楽しむというプレゼンテーションが徐々に受け入れられるにつれ、食事の容器などに変化が出てくるのでしょう。
マレーシアは宗教的な理由から、お酒の提供が出来ないお店が多い。お酒の提供をしているお店で人気なのが街角にある立地でテラス席を多めに有している店舗。メニューもアラカルトを増やしてビールや他のお酒に合わせて提供する店は現地の人、ビジネスパーソン含めて賑わっている。一方、同じお酒を提供する店でも、メニュー1つの商品が割高で、しっかりとした食事のニュアンスで提供している店舗は賑が少ない。
基本アジア圏はどこも外食文化がある。アジア圏かつイスラム圏の特徴は、お酒がNGといところか。マレーシアではお酒を飲みながら食事をする習慣はローカルの人にはない。従って、お酒をのみながら少しづつご飯を食べる作法はこのまれなのでしょう。日本食、フレンチのようにコースという概念は余り一般的ではないようです。一方で、プレートにご飯やおかずなどが一緒に盛られた食事はいたるところで見かけます。また屋台ではいわゆる焼きそば、焼き飯、串焼き、鍋の類が多く、皆、あまいジュースを片手に食事を楽しんでいます。
従って、ローカルをターゲットにするには食事を中心に、一気に提供できるようなお店が無難。ローカルでも人気店は23時から24時頃には閉店。一方、チェーン店やどこでも見かけるような大衆向けのレストランは24時間あけていて、ローカルの胃袋を満たしています。後者のポジションは明確で、24時間、ローカルの食事がお酒は無いけど、格安で楽しめる、といったところ。ただし、ローカルと言っても様々な人種が入り交じっているのでターゲットを絞るのが難しそうな印象。
ローカルにフォーカスするのであれば、同程度の価格で少しだけ味のテイストを上げる。24時間オープン。飲食が集まる立地条件。差別化をするのであれば、モールやローカルフードが集まる立地条件に、ハイエンドの価格で勝負をする店舗。ただし、その国の味をそのまま提供する本格はではなくあくまでマレーの味付けに変更したフュージョンが受け入れやすい。中途半端なショップは貧富の差が明確なのでまだまだ受け入れられない印象。日本食で勝負をするなら、ラーメン、カレー(豚はハラルで要注意)、焼きそば、たこ焼きなど濃い味で一度にお腹が満たされるような食事、これらのような単品で勝負して回転を上げる業態の出店は未だ少ない。が、左記の商品をプレミアムを付けて価格をあげた瞬間、単品だけでは顧客を集客できないのでポジション、ターゲットと価格帯の整合性は非常に重要。
ドリアンの専門店や屋台が目立つ。街なかを歩いている時に強い臭いを感じることがある。何度かトライしたが、玉ねぎが腐ったような強い香りと後味がなんとも言えない。このような腐敗臭の強い果物は旨味成分が詰まっているため徐々にやみつきになるのだろう。ちなみに一度ドリアンを食べると、胃の中からしばらくその香りと隣り合わせになることになる。場合によっては大衆や汗からもその香りがして、なんとも言えない感覚に陥る。
南国文化か、朝のスタートはゆるく、夜遅くまで賑わっている。夜の時間帯でフードコートやレストラン賑わい始める時間は19時過ぎころからでピークは21時頃と日本と比較すると2時間程度は遅い印象。
【人材事情】
ローカルフードを提供している店員の印象。非常に親切。こちらが注文したメニューを良く覚え、メニューにも精通した印象。一方アナログの処理をまだまだ行っているので、個人個人のスキルや接客対応に大きなバラツキがあり、それを問題視するような経営者はまだ少ないと感じる。
店のスタッフは価格帯、提供している立地や場所、扱っているメニューによって、ここの対応がバラバラ。ここに日本式のちょっとしたサービス、いわゆるちょっとしたおせっかいのサービスを提供する発想はありだと感じる。ローカルに出店した場合の社員教育はどのお店でも苦労している話を伺った。日食の店舗では数年かけて毎週1回、社員を集めて日本語に加えて、サービスのあり方や考え方を徹底的に教育していると言います。
これを外注して、他の飲食業に提供するというサービスはあってもよい。これから1次、2次産業の割合が徐々に3次産業に移るいまの時期、上記のようなコンテンツを展開するBusinessの成長は考えられる。
日本と比較した場合、圧倒的に他の国でのサービス業の基本が低い。クアラ・ルンプールでの水族館、モール、高級レストラン。どこに行ってもハードは充実しているがソフトは一切ついていっていない。人口が3000万人で日本の土地の0.9倍の国。今後、労働力不足が出てくる可能性は高い。マレーシアでも内地の人材派遣ビジネスは徐々に認知されていっている。
マハティール首相は、90年代はこぞってマレーシアの優秀な学生を国費留学させていた。現在は現地の普通の人材に対しても日本のサービス業やスピリッツを学ばせたい需要が強い。マレーシアの労働者や学生を短期間受け入れる企業があれば、マレーシアからの補助金を取ることも可能。
【街歩き】
2日目の朝は、ローカルの野菜、肉、魚などの市場を訪れる。規模としては中位だが、通勤前の社員が朝食を食べているそばで市場が開催されている。ものを運搬する道具にサイドカーが目立つ。日本式の後ろから引くタイプが普及しなかったのは、荷物を横で見えれるという安心感からか。
屋台で食事をしている方が、テイクアウトをする時。たんなるビニール袋に入れて終了。日本のきれいなパッケージのような発想はなく、あくまで食という胃袋、栄養を満たせばよいという機能にフォーカスされている。今後、サービス産業が盛んになってくれば、見た目の美しさ位にお金をはらう文化が定着するか、少し疑問に感じる。
しかし、街を歩いていると屋台には朝の10時ころから賑わっている。日本のように朝は出社前、昼は12じから13時が賑わうがその他の時間は主婦。という景色ではない。いったいいつ仕事をしている?と言わんばかりに人があふれている。南国の雰囲気を十分に感じられる。聞くところによると、公務員ではまずはじめにスタンプカードで行動を管理したとか。夜が遅い国のため出社がなんとなくルーズ。そして16時頃には交通渋滞がはじまるので、皆、早めに帰っていっていたそう。そこで、例えば9時から17時の時間を縛るためにタイムカードを活用したと。実に国民性を表すお話だと思います。
【ホテル・宿泊・不動産事情】
クアラ・ルンプールのように一人あたりのGDPが1万ドルを超えるくらいから、国内外の移動者が増加し始める。しかし多くのホテルはリゾート系でレストランとウエディングを併設する。旅行者やBusinessで利用する人に対してホテルが不足している。ここに対して清潔と安全が保証されるBusinessホテルの需要は高まる。長期滞在者向けにはホテルよりもサービスアパートメントやコンドミニアムなどが重宝するが、圧倒的に少ない。
ジョホールバルでは学生が帯味する施設が不足している。それも単なる学生ではなく、イスラム圏、オイル資源を持つ国からの留学生を受け入れる施設。多くの学生用の施設がプレイベートの確保が無い苦学生用の建物。しかし上述した学生はお金はもっている。従って個室が確保され、かつ学生が集まる施設や建物を誘致することができれば、ここにはビジネスチャンスが生まれる。親がカネを持っているので契約も年間契約で予算化できるため、今後も学生の受入を増やし、大学施設が多いジョホールバルでは伸びていくビジネスになると感じる。
継続的に建設ラッシュが続いている。クアラ・ルンプールや郊外を中心に高層マンションの建築を至ることろで観察できる。
クアラ・ルンプールは土地が狭く経済圏として栄えているため、結果的に土地が高等している。アクセスの良い住宅地では、100坪程度の戸建ては2億円前後の価格帯になる。同様の立地条件でのマンションも6000万円前後の価格帯。当然、クアラ・ルンプールから距離が離れていくとその価格帯の1/10になるなど価格差が激しい。
ジョホールバルは、シンガポールまで20分程度の立地条件のため、シンガポールで仕事をしている人がこぞって住宅を求めている。日本は当然のこと、イギリス、アメリカ、台湾。シンガポールの人も含めて、ジョホールバルに引越をしている人が多い。不動産開発を行うのであれば、クアラ・ルンプールはかなり成熟してきたので、ジョホールバルはそういう意味ではまだまだ可能性が残っている。
地震が少ない国なので、日本の鉄筋や基礎を比較すると恐ろしく貧弱。マレーシア全体が建設ラッシュが続いており、至る所でスクラップアンドビルドが続く。ビルを解体している時のコンクリートや鉄筋を見ても、その量の少なさが際立つ。
街並みが整備されたところは日本と同じように見える。しかし、歩道や道路など、基礎が弱いため、経年劣化による凹凸が目立ったり、ヒビ割れが目立ったり。ひどいところは陥没しているところもある。一つ一つの工程を適当に行っていることが分かる。こちらに関しての改善、違いを強調した施工を提案するとチャンスはあると感じる。
【病院事情】
マレーシアの病院は日本の医療に加えて、熱帯性の病気や感染症に対応しないといけないため、難しい印象がある。基本は国立病院の医療は全て無料だが、どこの病院も長蛇の列で待ち時間が長い。従って富裕層は、私設の病院を医療費全額負担をしても直ぐ診てもらえる病院に行く。
マレーシアはリタイアした後の人を積極的に誘致しているが、バリアフリーの観点からするとまだまだハードルが高過ぎる。街を歩いていると至るところが凸凹で、交通のルールも守られているようで秩序が一部欠如している。そのような国でお年寄りに取っては非常に住みにくい。勿論、都市を離れたところで生活するのであれば別だが。平均年令が低い人口構成だから、今のインフラでも文句が少ないのだろう。
【ハラル】
マレーシアのハラール認証はどのイスラム圏よりも厳しい。そのため、今後イスラム圏に進出したい企業はマレーシアでまずハラールの認定を得て展開を考える。ハラールの認証は飲食の材料加工や調味料。薬をつつむカプセルなど、様々な分野がある。
【プロラジャヤ】
マレーシアでは公務員は相当手厚い。元々、公務員の出社が10時頃からで16時には帰る。その理由は16時頃から渋滞が始まるので早く帰らないと巻き込まれるから。そんな文化があり、マハティール首相は行政区を町ごと作ったのがプトラジャヤです。日本でいう霞ヶ関ですが、そこには国の各省庁とそこに務める公務員専用の住宅などのインフラが整備されています。タクシーの運転手の話によれば、各省庁の建物がそれぞれ異なる。それは首相が海外に行って気に入った建物をそれぞれの省庁で作ったからだとか。広大な敷地に巨大な建設物がならんでいる姿は圧巻です。街全体は人口の湖を周囲に排してその中に行政区を作っています。
プロラジャやの完成度は40%で未だ60%の計画が未達。背景は財政がおもうように回っていないということをタクシーの運転手が言っていた。確かに、その巨大さ、人口3000万人の規模に対する公務員用途と考えると、明らかに課題な投資をイメージした。公務員は一人一つの部屋が与えられており、そのため一つの建物が巨大になっている。将来、人口が増えた時にも対応できるように建物には余裕をもたせているそうだが、40%しか計画が進んでいないというのも納得。
クアラ・ルンプールには、ほぼ全ての施設が充実している。更に加わるとしたらオーケストラの演奏が出来るくらいの劇場くらい。都市の至るとコリには公園があり、人工的に作った池の周りに人が集う景色を良く見かける。
【水事情】
観光客やBusiness客に対しては、基本はミネラルウォーターを買って飲むことを勧める。まだまだ浄水と下水の技術がおいついていない。水処理技術に対しては、日本とマレーシアの双方の政府援助を受けながら、日本の中小企業が進出して技術を提供している。
インフラ全体で街なかにある配管事態が古く、細いため、技術を導入しても直ぐには改善しない。時間をかけて計画的に配管を含めた水回りを改修していかないと品質は向上しないだろう。
マレーシアの経済を支えるBusinessの一つであるパーム油。パームヤシの実を機械で圧縮しながら油を絞りとる単純な工程だが、その過程でかなりの水を使う。その汚れた水の処理は徐々に問題視されているので、ここにも日本の水処理技術が注目されている。知人でパーム油のビジネスを行っている経営者は日本の経済産業省経由で日本の中小企業の技術を直接取り入れている。彼の話しによれば、大阪の中小企業が水処理技術を多数保有しており、日本の大企業におさめている。従って、彼らは中小企業と直接取り引きを行いながら取引単価を抑える仕組みを作っている。
上記のように地域の環境問題を解決する技術に対してはODAの補助金がつきやすい。企業の規模にもよるが、この手の技術を日本から海外に持ち出す場合、段階的に補助金が支給されている。パーム油のビジネスでは、工場に対して日本のISOのような認定があり、その認定のなかに水処理を一定レベルにすることが義務付けられている。その認定がなければ海外に輸出することができないのでパーム油企業も水処理技術の改善に対しては力を入れている。
【パーム油】
油を搾り取るパームヤシは、マレーシアの郊外にいくと至る所でみることができる。クアラ・ルンプールに飛行機で離陸する際に、パームヤシの畑が大規模に広がっている様子が見えた。パームヤシは木を植えて3年程度でヤシが収穫できるようになる。そして20年間くらいヤシは収穫を続ける。これらを絞って油を作っている。その際出た絞りカスは感想圧縮してチップにして日本に輸出する。このチップはボイラーをたくための燃料として用いられる。
マレーシアは国の規程で森林を50%保たなければならない。現在、60%程度が森林で、今後パームヤシ畑の開発が限られていく。そのため近年はインドネシアに進出してパームヤシ畑の開拓を進めている。乾季の今の時期、インドネシアの森林を焼き払い、パームヤシを植える準備をしている。森を焼く作業が昼から夕方にかけて行われるため、夕方頃からマレーシアはスモッグのように、焼いた煙に包まれ、視界がわるくなる。シンガポールも同様に視界が悪くなる。シンガポール政府は抗議をしているが、マレーシアは自国のメインビジネスが関係するためなんとも言いがたいという。
【インドネシア】
日本の製造業も進出しているが、マレーシアのネイティブも同様にビジネスチャンスがあると考えていることが分かる。ただし、マレーシアと違って、インドネシアはビジネスや政治や法律等のルールがコロコロ変わる。従って、インドネシアでのビジネスを行うには、インドネシアでの現地パートナーを持つことがポイントのようだ。チャンスはある一方でまだまだ貧富の差が激しく、治安が悪い部分がある。日本企業であれば、ある程度、マレーシアでモデルを作った後に、インドネシアに展開するというのはあり。
【車事情】
やはり日本車は人気。だが、マレーシアでは日本の車には3倍もの関税がかけられるため、普通の車でも1000万円程度の価値になってしまう。これは、国策として1社存在する車メーカーを保護する目的だろうが、やはり高いと感じる。当然中古マーケットも栄えている。
シンガポールのように車の乗り入れ規制をしているわけではないので都市部は慢性的な重体になっている。朝夕はひどいラッシュが日常的な光景として目に焼きつく。このまま経済が発展すると車の規制は必ず進むとおもう。この背景は、公共の交通機関で通勤する、通学するという考えが若干少ないというのもあるかもしれない。
【結婚事情】
イスラム圏は一人の夫に対して4人まで妻を持つことが許されています。が、最近はそのように振る舞う方が少なくなっているようです。一人の妻に対して家を買った場合、他の妻に対しても平等に振る舞わないといけない。金銭的に問題があると同時に、女性の地位が高くなっているというのがあります。
マレーシアでは優秀な学生は国費留学で国内外で学びます。その半数が女性で成績も女性が平均的に高いそうです。現在では、そのような女性が医者、弁護士、会計士、国家公務員などにつき、地位とお金を持つようになった。そのため独身の女性も増えているようです。これは経済が豊かになっていく時期に観察される現象だと感じました。
【基礎データ】
国土は日本の0.9倍の約33平方キロメートル。人口は約3000万人。
民族は、マレー系(67%)、中国系(25%)、インド系(7%)
言語は、マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
宗教は、イスラム教(61%、連邦の宗教)、仏教(20%)、キリスト教(9%)、ヒンドゥー教(6%)
政体は、立憲君主制(議会制民主主義)
内政の概況として、2008年3月の総選挙で、独立以来政権を担ってきた与党連合(統一マレー国民組織が中心となる組織が議席を大幅に減らす(90%→63%)とともに、同日実施の州議会選挙(12州)のうち5州で野党が政権を奪取した(野党議員の離党で現在は4州)。その結果、アブドゥラ首相(当時)は政治的求心力を失い、2009年4月にナジブ副首相に政権を移譲してナジブ政権が成立した。
ナジブ首相は、「One Malaysia」をスローガンに掲げる。民族融和と行政改革を前面に打ち出す。市場志向的な新経済モデルの提示。2020年までの先進国入りに向けたロードマップに相当する政府変革プログラム、経済変革プログラム等を発表して、各民族・階層からの与党連合への広範な支持回復を図っている。
一方、アンワル元副首相が2008年8月に下院補欠選挙で当選して以降、野党連合首班として名実ともに野党を牽引するほか、野党連合は次期総選挙を控えて連携を強化している。
2013年5月5日、総選挙が実施され、ナジブ首相率いる与党連合が現有議席から2議席減の133議席を獲得して勝利した。翌6日、ナジブ首相が再任し、16日に新内閣が発足した。
コモディティ業界のリーダーの価格戦略
2014年2月24日
早嶋です。
コモディティ化している業界。今後、コモディティ化するであろう業界。どちらも、業界全体の商品(製品やサービス)供給量と市場全体の需要をしっかりと把握する必要があります。また、その中で業界が得られる全体の利益を左右するのはトップの企業の戦略であることを理解する必要があります。
■業界の供給量が市場の需要よりも少ない時。
この場合、業界に参入している企業は総じて黒字化します。ただし、最も利益を得られるのは、1位の企業です。商品の供給量が大きい企業ほど1つあたりの製造単価と販促コストが下がるということを前提とします。
この場合、
1位の企業の利益の総額>2位の企業の利益の総額>3位の企業の利益の総額>・・・
となります。これらを極端に考えてみます。
企業が販売している量:x、 企業が生産するコスト:y、と表現すると(x、y)と表現できます。
例えば、1位の企業は販売量が5、コストが3で(5、3)
例えば、2位の企業は販売量が4、コストが4で(4、4)
例えば、3位の企業は販売量が3、コストが5で(3,5)
例えば、4位の企業は販売量が2、コストが6で(2,6)
例えば、5位の企業は販売量が1、コストが7で(1、7)
だとします。
上記の場合、業界全体の商品供給量=5+4+3+2+1=15になります。
市場全体の需要が15よりも大きい場合は、どの企業も利益を得ることができます。供給量が市場が求める需要より足りていないので高くても購入されるからです。
ちなみに市場の平均的な供給価格が8だとすると、
1位の企業の利益は5×(8−3)=25
2位の企業の利益は4×(8−4)=16
3位の企業の利益は3×(8−5)=9
4位の企業の利益は2×(8−6)=4
5位の企業の利益は1×(8−7)=1
となります。
上記の場合、業界全体が得られる利益=25+16+9+4+1=55になります。
■業界の供給量が市場の需要よりも大きくなった時。
この場合、業界に参入している企業の一部が赤字になります。当然、販売量が大きい企業は利益を得ることが出来るでしょう。しかし、市場全体の需要が小さくなるため、提供価格は良くて維持、通常は下落します。従って、各企業の利益も減少します。
仮に市場の均衡価格が8から7に、市場全体の需要が14に下がったとします。この時、5位の企業は市場から追い出されます。かつ、4位以下の企業も自社の利益が目減りします。総じて業界が得られる利益も減少します。
1位の企業の利益は5×(7−3)=20
2位の企業の利益は4×(7−4)=12
3位の企業の利益は3×(7−5)=6
4位の企業の利益は2×(7−6)=2
5位の企業の利益は0×(7−7)=0
となります。
上記の場合、業界全体が得られる利益=20+12+6+2=40になります。
■この状態で1位の企業が価格を更に下げてシェアを拡大を目指したとします。
市場の均衡価格が7の時、1位の企業はコスト3で対応可能なのでシャア拡大目的で価格を一気に5まで下げたとします。1位の企業はコスト3なので5で販売しても利益2を確保できます。この場合、市場の需要が14のままだとすると、
3位の企業の利益は3×(5−5)=0
4位の企業の利益は2×(5−6)=△1
となるため、3位の企業、4位の企業は市場から追い出されます。結果、1位の企業は価格を下げることで、3位の企業の販売量3と4位の企業の販売量2の合計5を獲得できます。
その時に1位の企業、2位の企業の獲得する利益は以下のとおりです。
1位の企業の利益は(5+3+2)×(5−3)=20
2位の企業の利益は4×(5−4)=4
上記の場合、業界全体が得られる利益=20+4=24となります。
つまり1位の企業はシェアを獲得することは出来ても1位の企業としての全体の利益は変化しません。更に、1位の企業が値下げを断行したことで業界全体が得る利益は大幅に減少したことがわかります。
■今度は1位の企業が価格を少し下げてシェア拡大を目指したとします。
市場の均衡価格が7の時、1位の企業はコスト3で対応可能なので提供価格を6にしても利益は3出すことが可能です。この場合、市場の需要が14のままだとすると、
4位の企業の利益は2×(6−6)=0
となるため、4位の企業は市場から追い出されます。結果、1位の企業は価格を少し下げることでも、4位の企業の販売量2を獲得できます。
その時に1位の企業、2位の企業、3位の企業の獲得する利益は以下の通りです。
1位の企業の利益は(5+2)×(6−3)=21
2位の企業の利益は4×(6−4)=8
3位の企業の離型は3×(6−5)=3
上記の場合、業界全体が得られる利益=21+8+3=32となります。
つまり1位の企業はシェアを獲得して、かつ若干ですが利益を拡大することが出来ました。勿論、この場合も1位の企業が値下げをしたことによって業界全体が得る利益は32となり減少していることがわかります。
1位の企業がシェアを無理して拡大する場合、シェアは確保出来ますが、市場全体の利益と自社が取れる利益の総数を減少させることになります。また、シェアをある程度維持して、1位と2位の均衡を作ることによって、自社の利益を最大化することが可能になります。1位の動きが業界全体のシェアや利益を左右するのです。
アジア企業の台頭と衰退は抗体の時期が潮時
2014年2月20日
早嶋です。
台頭するアジア企業。その勢いが続く今、社長が交代するタイミングで崩壊を招く可能性があります。多くのアジア企業は欧米企業と異なり、同族経営によるガバナンスの維持が多く、後継者体制を創っていないからです。
例えば、欧米型の後継者育成、次世代リーダーの育成は徹底しています。1兆円を超える規模の企業は、将来のトップ500人位を5年から10年かけて明確なキャリアパスの基に経営者や経営幹部に育成しています。社長候補であれば、その中から4名から5名に絞り込む。最終候補者には、5年から10年のスパンで小会社の社長などの役職で成果を競わせます。そして生き残った経営者が継ぎのCEOとなり企業全体を率いていくのです。このようなやり方ですから選考に漏れた経営者候補は、一緒になって盛り上げるか、去るかです。しかし去った経営者は他の企業からスカウトされ破格の待遇でトップに迎えられることが多いです。それほどまで教育がしっかりしていて実力も伴って来ているということです。
一方でアジア企業の世襲、同族企業の場合です。サムスン電子のイ・ゴンヒ会長。LGグループのク・ポンム会長。長江実業グループのリ会長。ロッテグループ、タタ・グループなど。どの企業も現在のトップがカリスマ経営で絶対の決断力でグループを牽引しています。が、現在のトップがすごすぎて後継者体制がおろそかです。
サムスンは年間に1000億円もの投資を人材育成にかけて次世代の経営者候補を育てていますが、現在の息子が継ぐ限り崩壊の可能性が高いと思います。今の経営者のカリスマがなく、態度がきょくたんに悪いからです。おそらく世襲とともに優秀な社員が大放出されることでしょう。これは他の競合他社からするとかなりの人材獲得のチャンスになります。
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