安藤です。
仕事は、「一を聞いて十をやる」「少しの気配りが自分の仕事を生む」と以前、教えられたことがあります。哲学者の内田樹氏は、このようなエピソードを書いています。(引用:日本の論点2010:文藝春秋)
あるとき武術家の甲野善紀ほか7人で連れだってレストランに入った内田は、メニューに「鶏の唐揚げ」を見つけた。「三ピース」で一皿だったので、七人では分けれない。仕方なく三皿注文することにした。すると注文を聞いたウェイターが「七個でも注文できますよ」と言った。「コックに頼んでそうしてもらいます」。
彼が料理を運んできたときに甲野は彼にこう訊ねた。「あなたはこの店でよくお客さんから、『うちに来て働かないか』と誘われるでしょう」。彼はちょっとびっくりして「はい」と答えた。「月に一度くらい、そう言われます」。
ほとんどの仕事は代替可能な仕事である。とくにアルバイトなどはそういう面が強い。しかし、自分のできる範囲で気配りや機知を加えれば、それは自分の仕事―だからこそできる仕事―に化ける。と、特にこれからは代替可能な仕事増えていく時代です。
組織の人事担当者から、最近の新入社員は、「気が利かない」「いわれた事しかしない」「段取りが悪い」「感謝の言葉がない」「主体性がない」等、要は使い物にならない・・と相談を受けます。
「使える人材」と「使えない人材」といいます。「使える人材」は、子どもの頃に親の手伝いをした経験があるということも言われています。手伝いの経験と仕事力との関係がどうなのか。子どもの頃から家庭内での一部を指示されて任されているという経験が、コミュニケーション力、段取り力、計画力、問題解決力、最後までやり遂げる力などが自然と身につくではないでしょうか。
『人材開発、人材育成に活かす外部キャリアコンサルタントによる企業内キャリアコンサルティング、組織にキャリアコンサルタントを育成したいなどのご相談がありましたら、弊社にご相談くださいませ。
2019年5月 のアーカイブ
新入社員使える人材
製品が良いだけでは売れない
原です。
良い製品を作れば売れると思われている人がいます。
ここで言う「良い製品」とは、「高機能・多機能こそが高品質」とされた製品のことです。
モノが無かった自給自足の時代では、自分で欲しいモノを自分で作りました。自分の期待が満足されればそれで良かった時代でした。
産業革命以降は、専門化が急速に進み、生産者と顧客が分離しました。生産者は自分の技術力を中心に考え、いかに高品質の製品を作り出すかに集中してきました。もちろん、製品の品質が高いのは良いことです。
しかし、良い製品=売れる商品なのでしょうか。
例えば、筆者が若い頃、高品質アロマ製品の開発から学びを得た事例です。
生産者と筆者は、天然の素材を使用し正しく製造すれば売れるのではないかと考えていました。しかし、開発後の商品販売では思うように売れませんでした。
ある催事販売では、アロマファンの顧客から次のような質問を受けました。「どうして私が、あなたからこの商品を買わなければならないの?」。
生産者は、「最高級のフレグランス(香水)を作りたかった。」と答え品質の説明を続けました。そうすると、顧客は、「それだけでは買わない。なぜならば、品質が良いのは当たり前で、私が商品に期待しているのは、私を満足させる商品だけだから。」この言葉に筆者は反省しました。
顧客が商品に期待しているのは、自分たちの期待を満足させる商品であり、生産者が満足している高品質の製品ではないのです。
製品が良いだけでは売れない理由は、とても当たり前のことだったのです。
高品質の製品だけでは売れなくなったのは、時代の流れが大きく関係しています。
20世紀はモノ不足の時代だったので、モノが人々に豊かさを与えてきました。品質の良い商品を持つことがプライドをくすぐり、他人よりもいかに高品質な商品を持つかに多くの人々が熱中していたのです。
しかし、21世紀になると人々の生活圏が広がり、社会生活が多様化し、モノよりも心の満足を求めるようになってきました。
つまり、顧客は製品の品質だけでなく心を満たす商品を求めているのです。生産者が作りたい製品と顧客が買いたい商品には、見えにくいギャップが生じています。
読者の皆様は、顧客から「どうしてこの商品を、あなたから買わなければならないのかと聞かれたら、何と答えますか」。
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