賃金介入のインセンティブ

2015年12月2日 水曜日

安倍政権で最低賃金に関しての発表がありました。「年間に3%程度を目処に引き上げ、全国加重平均で時給1000円を目指す」という表明(参照1)です。

現在、全国の最低賃金は、厚生労働省によれば690円から900円程度の開きがあり加重平均で798円です(参照2)。これを加味し、地方は600円後半から都内で1000円程度の開きがあることがわかります。仮に加重平均で1,000円と考えると、地方の時給を200円以上引き上げなければ達成出来ません。

となれば現在10人を700円で雇用している企業の1時間あたりのコストは7000円(その他を一切含まず)。それが時給が900円になるので9000円になります。時間あたりのコスト上昇が2000円アップということを考えると企業の行動としては、1)人数を減らして最適化する、2)そもそもの雇用を見なおしてやはり海外に仕事をアウトソーズする、3)この手の仕事を再度合理化して機会化、コンピューター化する、4)止める、という選択肢が発生すると思います。もちろん0)単純に従うというオプションもありますが、難しいでしょうね。

仮に、雇用を維持するとしても上記のオプションの1)を選択するでしょうから、これまで7000円で10人雇用していた企業は、追加の2000円を払うことはなく、7.7人で仕事をこなせるようにインセンティブが働くと思います。結果的にバイトやパートの仕事が2割程度、あるいはそれ以上世の中からなくなることを意味します。

参照1:http://www.asahi.com/articles/ASHCS766THCSULFA03C.html
参照2:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/



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