早嶋です。
経済が成熟していくと更に成長を求めるためのオプションとして、1)既存市場のシェアを取る、2)新規市場のシェアを取る、の2つの方法が考えられます。
前者は市場を純粋に取り合う形の戦いです。従って、首位の企業が2位以下の企業のシェアを奪ったり、互いが接近戦をしながらシェアを確保することになります。成熟した市場の特徴として1位の企業はコストローダーシップ戦略を取り、市場全体にリーチしています。一方、2以下の企業は1位と立ち位置を変え、差別化戦略を取ります。そして、大企業で1位から5位程度までの企業で殆どのシェアが取られてしまします。そして、その顔ぶれもおおよそ落ち着きます。
市場が成長していた時のように、2位以下の企業が首位の企業の模倣を行うと2番煎じと解釈され、ますます厳しい状況に成るでしょう。これは首位の売上を促進すうお手伝いとなり全くの逆効果であることが分かります。そんな時、行われる定石は、自分達よりも下位の企業のシェアを獲得することです。この方法も、1)競争する方法と2)仲良くなる方法があります。
どちらの方法にもM&Aは1つの選択肢として採択されます。1)は敵対買収で2)は友好的買収です。どちらの方法も、2位以下の企業が1つになることで規模が大きくなるため、もともとの地位よりも高い割合になるでしょう。シェアが純粋に足し算でふえるからです。
自分達が属している業界が既に伸びることが無、今後はシュリンクしか無い。と分かった場合、今度はコレまでの技術が応用できる別の市場、新しい市場を求めることでしょう。この時も、1)ゼロから始める。2)既にあるビジネスに紙本を入れて参画する、という2つのやり方があります。
ゼロからスタートする場合、必ずそのビジネスが成り立つ保証は薄く、既にそのビジネスでも首位のプレーヤーや2位以下のプレーヤーがひしめき合っているので頭で描くようにビジネスが成り立ちません。一方、2)の既にあるビジネスに資本を入れてM&Aして行くやり方も考えられます。この場合は、書いて手にとっては、リスクが読めて、ゼロから立ち上げるよりも時間がかからないことがメリットです。
上記のようにM&Aは成熟社会に置いて戦略オプションの1つとして選択される可能性が高くなる手法です。しかも近年は企業規模が小さい企業でも選択され、実際に行使されています。M&Aのメリットは、時間を買うこと。ビジネスに絶対はありません。仮に、優れた資源を有していてもゼロからビジネスを立ち上げ、収支を上げることは非常に難しいことです。M&Aを行う前に、買収側は売却側に依頼をかけ、コレまでのビジネスの内容やこれからのビジネスの概要を確認することがでます。
既存の顧客や、従業員も既にいる、何よりも収支バランスが完璧に分かり、多くのビジネスが黒字を上げています。となれば、ゼロからリスクを取って店舗展開するよりもリスクを抑えることができます。何よりもM&Aした直後からそのビジネスが成り立ちます。
一方、売却側にとっても、市場が厳しい状況に大手の資本を入れて頂くことによって経営が安定します。また部品や原材料の調達などは規模の経済が働くことになり、コストメリットも享受できます。また、後継者が不在である企業にとっては、ビジネスが存続することにも意味付けができます。
M&A。印象が先行して中身が理解されていない。大企業の中でも今ひとつ理解されていない方が多い。きっと中小企業にとっては相当ネガティブなイメージでしょうが、実際はオプションの1つですので様々に活用できるのです。
2012年8月 のアーカイブ
戦略オプションとしてのM&A
収支バランス
早嶋です。
貿易収支が7月としては過去最高の赤字に。欧州債務危機に伴う海外経済の減速、原子力の稼働停止による火力燃料の輸入増と続きます。加えて中国の経済も失速ぎみで外需の減少が日本の輸出を直撃するシナリオが続きます。上記の要因は短期的なものではないため日本の貿易収支赤字は長期的なものとなるでしょう。
収支のバランスは入りと出。片方が多すぎても良くなく、バランスがとれている姿が良いとされます。近年、日本のサッカーが注目されています。香川選手のマンチェスター・ユナイテッドでの活躍は赤いユニホームの売れ行きを左右します。1998年まで日本のワールドカップへの出場すらならず、海外でプロとして活躍する選手も稀でした。しかし、今はどうでしょう。日本代表の半数は海外で活躍しています。しかも香川選手のようなビッククラブも含まれます。
欧州のビッククラブにとってもアジアの市場は魅力的でしょう。飽和状態の欧州と比較して、放映権の販売、グッツの売れ行きでクラブチームとしては売上高の増加の余地が十分にあるからです。その近道として、アジア選手の活躍は彼らからしても美味しいとおもうところ。
また、彼らの海外マーケティングは見事です。強豪バルセロナは毎年、シーズンオフにはインド、ベトナム、シンガポールばどでサッカー教室を実施しています。各地でチームのユニホームを着てもらいファンを増やし、才能ある子どもは自国に呼び寄せ将来のスターへと育てます。
国内のサッカーが強くなったのにJリーグがあるでしょう。現在は、国内の強化とマーケティングを兼ねてアジア各国でサッカークリニックを実施しています。タイヤやベトナムではJリーグの放映も始まりました。しかし、海外の選手が日本で活躍するには、まだまだしばらく時間がかかりそうです。その一方で、国内の優秀選手は海外流出を行う。ここにも収支バランスの悪さが目立ちます。
日本人が海外で活躍するのは非常に嬉しいことですが、海外の優秀な人材を取り入れて日本の経済や世界の経済を活性化することも考えないといけません。世界の主要企業のトップの1割以上は、その国の人以外が最高経営責任者という立ち位置。特に、オランダは3割、スイスは7割を超えています。日本ではゴーンさん以外に想像できませんね。海外の優秀なプレーヤーが活躍しにくい仕組みや文化なのです。
これは役員レベルにも言えることです。トップはおろか、その企業の役員レベルにも邦人以外がなれないのであれば、優秀な人材は集まりにくいですよね。他方で優秀な人材はスポーツにかぎらず海外の企業に流れています。人材という意味でも収支がマイナス。
グローバル化を外にすすめるのも重要ですが、企業の内部をグローバル化していくことも重要です。
吉野家のテストマーケティング
早嶋です。
吉野家の牛丼は新橋に務めるサラリーマンがターゲットかのように、基本は一人でさっさと食べるスタイルが主流。うまい、はやい、安いに代表されるQCDを満たした商品です。しかしこの層に訴求できる立地条件や店内のレイアウトや机の配置などは一方ではファミリー層に不向きでした。また、従来のサラリーマンを狙った商圏では現在の店舗でほぼ飽和状態。これ以上の成長が見込めません。
8月1日に新装開店した川越的場店は違います。これまでのターゲット外であった家族連れや女性客を意識した店舗設計になっているからです。テーブル席を多く配置して、小鉢メニューを充実させています。従来の男性客から女性、ファミリーを意識したテストマーケティングとしての位置づけでしょう。この店舗が成功すれば、今後の店舗展開が生活圏にフォーカスされます。これまで1500店から1600店で飽和とされていた店舗が、ターゲット層の広がりによって一気に2000店舗くらいは対応できるようになるでしょう。
◯ターゲット:
女性&ファミリー層、これまで入りたくても入れなかった!というような子連れのママ。
◯商品:
器を白で統一した小町セット。小さめの牛丼に小鉢が2品。小鉢は野菜を韓国風にアレンジしたビューティーナムルやまろやか山芋豆腐など、健康志向をうたった6種類からの選択。総菜は店での仕上げにこだわる。製造工場から下準備をした野菜を調達して店内で調理。
◯価格:
小町セットでワンコインからお釣りがでる490円。
◯流通:
JR川越線的場駅徒歩5分。生活圏に密着した立地。白壁にレンガ風のタイルを貼った外観とオレンジ色の背景にミドリ色で吉野家と描いた新しいサインボード。店内は白木の床にLED照明を組み合わせ、清潔感を演出。広さ100m2の中央に厨房を配置して左手に10人分のカウンター席、右手に20人分のテーブル席。子供も安心して座れるようにテーブルの角を取って安全に配慮。乳児でもあやしながら食事ができるテーブルでトイレにはおむつ交換用のベビーシートを設置。
◯販促:
店舗前看板には、「テーブル席あります」「お子様セット」というのぼりを立ててファミリー層を誘引。入り口にも小鉢のポスターを提示。
アリアケジャパン
早嶋です。
2013年3月期の決算予想、売上高353億円(前期比12%増)、営業利益58億円(同18%増)と強気の予測をする企業。アリアケジャパン。
同社は豚や鶏がらなどから天然調味料を作るメーカーです。顧客は外食産業、つまり典型的な下請け企業です。商品点数は約2500。日本での常識は下請けは利益を吸い取られる。しかし、アリアケジャパンは違います。なぜか?それは食品業界のインテル的な位置づけを構築しているからに他なりません。
顧客には個店のラーメン屋さんからフランス高級料理のロブションまで守備範囲も実に幅広いのです。
アリアケジャパンの特徴は他の下請けと違って積極的に提案をすること。様々な味を自ら開発して取引先に提案。それらを採用してもらうというビジネスモデルを展開しています。インテルがPCメーカーから新商品開発のロードマップを示してもらい、それにあったCPUを提供するがのごとくアリアケジャパンも商品提供をしています。一歩先の味の提案を行なっているのです。まさに食品業界のインテル。
畜産が盛んな九州に工場を構え、従来労働集約だったモデルを大規模な設備を投入して効率化を実現しています。また積極的な海外展開も行なっており近年、同社の売上高に匹敵する額の投資を行い米国にも製造拠点を構えました。分散化、グローバル化にも適応しているのです。
原材料高、震災による需要の落ち込み、スーパーの値引き攻勢と食品業界の三重苦を乗り越えて、経営の手腕で見事に高収益を上げているのです。素晴らしい経営ですね。
マイルドセブンの刷新
早嶋です。
JTは2012年8月にマイルドセブンのブランドを全世界においてメビウスに変更する発表をしています。これに合わせてデザインも世界で統一します。
JTは1999年に米国のRJRナビスコ傘下のウィンストン、キャメルを買収しました。国外ではマイルドセブンよりもこの2つのブランドが有名です。現在、ウィンストンは85カ国約1300億本、キャメルは91カ国約400億本の販売です。一方、マイルドセブンはアジアやロシアを中心に17カ国約760億本の販売です。
今回のブランド戦略は、マイルドセブンを世界展開ブランドにするたの策です。
JTの売上(2012年3月期)を見ると連結で2兆338億円。内訳は、国内たばこ事業が31.8%、海外たばこ事業が47.5%、その他医療薬品や食品飲料事業が20%。事業の伸びを考えると国内はステイもしくはダウンですので、今後は海外事業の比率を更に高くする必要があることが分ります。実際、日本の喫煙者率は現在20%程度で17年間連続で減少しています。
マイルドセブンは、国内ではタバコをすわないでもその名称を知っているブランドです。実際、JTを代表するブランドで35年間も慣れ親しんだ名称です。1977年に販売が開始され、1978年からはずっと国内ナンバーワンシェアの銘柄です。今回は、マイルドセブンのブランド名をメビウスに変更して、新たに全世界で販路を広げたい意思でしょう。
その背景は、それぞれのタバコのポジションです。JTは、ブランドのポートフォリオを整理して、全てのそうに対応したいと考えたのでしょう。リーマン・ショック後、景気の悪化に伴って喫煙者が安価なブランドに流れる傾向が顕著に出ています。先のウィンストンはサブプレミアムの価格体。低価格のブランドの必要性を感じ、ベルギーのタバコメーカーを買収しています。つまりサブプレミアムのウィンストン、低価格帯のCrysonと粒と揃った。そんな時にプレミアムゾーンのブランドが欲しくなったのでしょう。
ブランドを構築する場合、1)マイルドセブンそのまま、2)新しいブランドという選択肢があったと思います。しかし、マイルドという表記が一部欧州で認められないため、ブランド名を変える必要がありました。そこで選択肢は2)が選ばれます。2)を行うとしても、従来のようにマイルドセブンが馴染んでいる地域17カ国ではそのまま使い、他の新しい地域に対してメビウスを使用するというアイデアがあったはずです。それをすべてのブランドを統一する方向で動くという意思決定を行った。
仮に、この決断を迫られたら、マイルドセブンは残すと思います。そもそも、17カ国ではマイルドセブンのポジションは1箱410縁でサブプレミア。名前を変えてプレミアムゾーンに持って行くのであれば、マイルドセブンを残し、新たにブランドを構築したほうが良いのではと思います。コストは大きく変わらないでしょう。そして、新たに立ち上げたメビウスをプレミアムに仕上げていく。
マイルドセブンをブランド変更して、サブプレミアからプレミアにするのには、17カ国の喫煙者からするとコンフリクトがあります。ブランドを刷新するコストもおそらく、ゼロから作るコストも大きく変わらないと思います、今回の規模では。
だったら、マイルドセブンの価値をゼロにする意思決定は理解し難いです。
内需の外需化、エムケイタクシー
早嶋です。
タクシー大手のエムケイグループは海外展開を加速しています。昨年の米国進出を皮切りに韓国、中国でもハイヤーサービスを開始しています。国内のタクシー産業は相変わらずの規制の塊で成長が見込めないと判断。いち早く市場を外に見出します。エムケイタクシーのサービスが、米国や韓国や中国で受けられたら。考えただけでも有り得ない!という感じです。乗車前に扉の前に立ち、丁寧な挨拶、自己紹介をした運転手が行き先確認を行う。海外のタクシーでこのようなサービスを拝むことはビフォーエムケイでは考えられなかったことでしょう。
2011年4月にLAで現地法人を立ち上げ、現在はハイヤー6台、運転手8人と小さな規模であるが、日本の大手企業幹部社員を中心にサービス展開のテストマーケティングを実施しています。LAでは単黒を迎え、次は韓国。2012年7月にハイヤー7台、運転手10人で開始します。主に空港とホテルの送迎のほか、貸切も受け付けています。上海は大手レンタカーのハーツとタッグを組んで展開しています。こちらではハーツの車にエムケイの運転手が乗るかたち。6台の車に10人の運転手で開始しています。
3カ国とも当面は現地の日本人を対象としていますが、徐々に拡大する計画です。LA、ソウル、上海は日本人出張者も多く、SFや北京の展開はまもなく始まるでしょう。
そもそもエムケイタクシーが海外に目を向けた理由はタクシーの規制です。京都でのタクシー保有台数は910台で京都の台数シェアでは10%程度の規模。一方東京では270台の保有で首都圏1都3県の保有シェアの1%もありません。その理由は、都内での事業拡大に対する規制。2009年10月施行の特別措置法で減車、休車が進み多くの企業が台数を減らしています。タクシー業界の規制の最強化に市場の伸びは無い、そう見きっているのでしょう。
エムケイの海外展開のポイントは、現地の言葉と日本語を話すタクシーの運転手。加えて、エムケイのKSFでもあるサービスの教育手法の確立。現地採用を考えると相応の報酬が必要でしょう。しかし、過去に行政相手の訴訟も辞さずに規制の壁に挑んできたエムケイ。国境を超えた海外でも粘り強くビジネスモデルを構築して欲しいものです。
内需の外需化、伊藤園
早嶋です。
おーいお茶と言えば、伊藤園。はじめてペットボトルにお茶を入れ、ペットボトルの飲料市場を構築した銘柄です。現在では、ペットボトルで飲料や水を買うことはすっかり馴染みになりました。一方で、お茶ペットボトル市場は様々なメーカーが参入したため、随分と飽和状態を迎えたものです。
そんな中、おーいお茶はシリコンバレーで人気モノになっています。顧客は、GoogleなどIT産業を牽引するエリート企業戦士。米国には元々無糖の飲料が少ないため、健康に悪い!という印象があったのでしょう。そこに活路を見出した営業マンが小売店を中心におーいお茶を普及します。健康志向の波に上手に乗ったかたちです。
このことを考えると、果糖の飲料を飲むアジア周辺にも市場の可能性が広がります。初めて蘇州に出張したとき、サントリーの烏龍茶に加糖と無糖という表記があることに驚きました。日本企業の飲料マーケティング力は半端無く強いです。この強みをいち早く海外の可能性に投資した伊藤園。
内需の外需化、グローバルで市場を確保する場合の1つの成長の鍵ですね。
1980年代と今
早嶋です。
市場が伸びている時、首位の企業の真似をすることで、2位以下の企業もある程度の売上を確保することが容易でした。追随をしても、市場自体が拡大しているので、共食いをする可能性が少なかったからです。一方、現在のように市場が成熟すると、2位以下の企業が首位の真似をすることは自社の首を絞めることにつながります。
市場がシュリンクしていて、ともに競争をする中、顧客の中には1位企業以外は魅力を感じなくなるからです。そこに、1位と同じことをしても、所詮は2番煎じ。昔と違って消費者も余裕が無いため、同じものであれば有名なもの、ブランドを構築している商品に意識的、無意識に目がいきます。また、企業の体力も1位とそれ以下では格段に違い、全く同じ方法を取ったとしても、そもそも資本力で負けてしまっている。販促やプロモーションにまでは力が及ばず、結局は似ている1位の商品が一人勝ちをするのです。
1位の企業であっても、市場が伸びているときと成熟している時では戦い方に変化が必要です。自社の顧客も市場の成熟とともに要求レベルやそもそものニーズが異なるからです。例えばオリエンタルランド。開業は今から30年前。その頃のロイヤルカスタマーは現在では40歳を超えています。繰り返すリリピートに対して、独身からファミリー層に上手に変化させ、継続的に来園してもらうための仕組みを構築しています。数十年に渡るロイヤルカスタマーの確保は、その層が年齢を重ねるフェーズに合わせて提供するサービスを柔軟に適応させて来ているのです。
ペプシコーラは一時期、コカ・コーラに対抗してティーンのいけてる炭酸飲料というポジショニングを構築して、クールなコーラという地位を獲得しました。しかし、当時のティーンが年齢を重ねる内に、新たに若い層が定着せずに、徐々にターゲットの年齢が高くなりました。すると10年、15年経つとクールな飲料としてのイメージがすっかり薄れました。ターゲット顧客とともに年を取ってしまったからです。
化粧品業界でも市場の成熟化によって2位以下の企業の動きが目立ちます。資生堂はこれまで通りトップオブ化粧品の地位を躍進しています。一方で当時から4位の位置にいたポーラ化粧品は従来からの販促方法に大きな変化を見せています。働く女性が増えて家庭用の化粧品の販売がすっかり低迷したポーラ。再成長の方向性を従来の家の中から家の外に見出しました。全国の訪問販売拠点2400箇所を活用してエステ店を展開。外に顧客を呼び寄せるこれまでと逆の発想に転換しました。これによって、高齢化した従来のターゲット層を見事若返らせ、20代から30代の女性顧客の開拓に成功します。
人口が減少すると従来のドメインだけでは売上が比例して縮小する。これに上手く対応する企業の収益は高くなっています。例えばJR。営業利益の2割から3割り程度を現在では小売などの鉄道以外で稼いでいます。例えば調剤薬局のクオール。これまで病院の立地近くに展開する発想を変え、あえて繁華街に出店攻勢をかけ集客力を高める戦略で成功しています。
市場が成熟すると、各企業は新しい市場にその活路を見出します。ってことは、既存の企業からすると、何を自分達の市場に参入しているの?ってなります。つまり、これまで以上に異業種の戦いが激しくなるのです。先に示した化粧品会社は、富士フィルムなどの素材メーカー、ロート製薬などの薬品メーカー、などと様々な職種が乱立しています。
コンビニエンス各社が相次いで最高益を更新する。このことは食品スーパーの業績低迷とリンクしています。コンビニが惣菜やデザート類を充実することで食品市場全体のパイを取り合う形になるからです。これは同様にファミリーレストランのような外食産業にも同様な影響を与えます。
ウチワのプロモーション
早嶋です。
近鉄奈良駅を出たところに、ウチワを配っている企業がありました。近くのマンションの広告を載せたウチワです。配布している時期はお盆の15日前後。場所柄、奈良駅から多くの観光客が大仏を拝観しにいきます。そして、この時期はとても暑い。そこでウチワが大活躍という訳。至る所でそのウチワであおいでいる人がいました。
プロモーションとしては良く考えています。しかし、多くの人が観光で来ていることを考えると、奈良駅近辺のマンション広告のターゲットとしてはやや離れてしまいますね。
プロモーションミックスを考える場合も先ずは誰に対して?なぜ?を考えることが大切ですね。
チュッパチャップス
早嶋です。
サルバトールダリと言えば、スペイン出身のシュルレアリスムの巨匠。スペインに行けば彼のデザインを体験する場所がいくつもあるでしょうが、日本ではどうでしょうか。
先日、デザインの本を斜め読みしていたら、日本でもダリを身近に感じる商品があることを知りました。それは、チュッパチャップスです。もともと、チュッパチャップスはスペインの会社で、1969年にグローバルブランドとして世界展開する時に、当時も世界的に有名だったダリにロゴのデザインを依頼していたのです。あめ玉を包み込む印象的な包装紙。カラフルな色使い。巨匠、ダリの作品と知ればふっと買いたくなりますよね。
ストーリーとしては当時のチュッパチャップスの会長がダリを昼食に誘い、ロゴを依頼。するとダリはその場でレストランのナプキンの上にひな菊を模したデザインを書いたそうです。会長は即座にそのデザインを採用したのが今のロゴになっているのです。
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