人間の脳って、世の中で偶然起きている事象を見ながら仮説を立てる傾向が強いようです。そのため、長期的な経営戦略のシナリオを立てるときは、その仮説だけではあまりにも乱暴すぎるのでディスカッションやフレームワークを使って思考を発散、収束を繰り返しながらあらゆる戦略オプションを立案していきます。
最近、この偶然起きている事象を必然的に起きている事象として、何故勘違いするのか?という問題に、数学的なアプローチで解説している本を読みました。『たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する』
この中では、数学の歴史から最近の行動経済学での内容までを実に面白可笑しく描写しています。そして、世の中がランダムに動いているような気分を読み終えたときに覚えました。
たとえば、空前の大ヒット映画が誕生する、ひいきのチームが20連敗する、宝くじで連続当選する、などなど、全てが偶然が支配しているのでは?という事を考え始めるのです。確率を考えると、それも納得してしまうのが実に興味深いです。
でも、上記のような事象がおこれば、キット素晴らしい才能があるだろう、すごく幸運に恵まれているのだろう、実力だよね、などと考えるでしょうね。
今、様々な不確かな事が起こり、将来を考えると不安になるかもしれません。しかし、この本を読むとむしろ将来なんて予測できなくて、将来起こった事を起こってから後つけで整理しているにすぎない!など、ランダムネスについての見識が広まって来て、また世の中の見方が変わるかも知れません。
早嶋聡史
2009年12月 のアーカイブ
ランダムネス
セミナー報告
昨日、今日と2日間、東芝三菱電機産業システム株式会社さんの営業パーソン研修でした。
1日目は、戦略思考について。全社的な視点になり、大きな視点で戦略を立案するプロセスを考えて行きました。2日目はマーケティング発想。1日目の内容をベースに、B2Bにおけるマーケティングのポイントをまとめ、営業パーソンの戦略を皆さんと議論しました。
2日間、お疲れさまでした!
師走
お師匠さんもバタバタ走りだすほど忙しい12月。
年末にかけてドイツ出張が入りました。パスポートの期限を確かめると3か月もありません。あら大変。東京の仕事の合間に福岡でパスポートの申請。再び東京に行って、福岡に取りに行く。実に要領悪く東京と福岡を行ったり来たり。本日は再び新横浜に来ています。週末はフランクフルトです。
今年は世の中の景気に左右されることなく、去年の仕事のリピートを多方面から頂きました。とてもありがたい事です。来年は3月に向けて営業管理者向けの書籍を出版することになりました。長田との共著で早嶋はマーケティング発想を担当しています。こちらも初めての試みですが、楽しみながら時間を見つけては手を加えています。
弊社のコミュニケーション・ツールのビジックの改訂もはじまりました。それからこの仕組みを使った企業とのコラボレーションも年末年始にかけて形になります。時間がかかりましたが起業した頃のイメージが一つ一つ形になっています。12月はまだまだありますが、手を抜くことなく、焦ることなく着実に行動にフォーカスして過ごしたいと思います。
恒例のピザ会
ビズ・ナビ&カンパニーの年の瀬は毎年ピザで締めくくられます。
今年は、週末からドイツ出張があるため例年より早く実施されました。古賀さんのピザによるパーティー。会社の会議室でピザを作ってもらい、1年のお疲れ様会です。今年も熱々のピザを美味しく頂きました。
セミナー報告
本日は東芝研修センターさんで公開講座でした。内容は「1-Day-MBAシリーズのクリエイティブシンキング」
ロジカルシンキングでは論理的に発想したり、収束したりする事を行いますが、本講座では、自由に発想する事を中心にワークショップを行いました。と言っても、ステップを踏んだり、人間の脳みその仕組みを利用してアイデアを出す手法を実践していきました。
また、脳のメカニズムを体験するために、最近ノーベル賞を取っている行動経済学の論文に示された実験を行いながら楽しく体験しながら学ぶワークショップでした。
参加者の方々、お疲れさまでした!
セミナー報告
本日は、NTTラーニングシステムズ様の営業パーソン向けにプレゼンテーションの研修をさせて頂きました。実際にクライアントに提案する資料をベースにプレゼンを行って頂き、その内容に対してフィードバックを行いながら進める実践的な内容です。
参加者の方々、お疲れさまでした!
移動
日曜日の用事を済ませて、再び最終便で東京です。
明日は、NTTラーニングスクエア様の営業パーソン向けのプレゼンテーションの研修です。実際の営業プレゼンを行って頂き、その中から改善、修正項目をピックアップしてブラッシュアップするという流れです。
明後日は、東芝様にてクリエイティブ研修です。普段アイデアを発想したり、何かから考えを発散する思考方法を紹介して体系化します。そして、その考えをビジネスに活用するワークショップを繰り返しながら体験した頂く研修です。
セミナー報告
本日は、りそな銀行ビジネススクールでした。今回のテーマは「問題発見・解決」です。
MBAで学んだ内容の中で、直ビジネスにつながっている内容は?といわれたら、この「問題解決・発見」を挙げることでしょう。勿論、そのままのタイトルで学んだわけではないのですが、2年半の間の中で、この考え方をずーっと実践しながら学んできたと思います。
ポイントは、実際に起きている問題は実は問題では無く、現象かもしれない!ということです。そのため、まずは現象としてどのような事が起きているのか?という事をWhat?のツリーを用いて分解していきいます。この時に、ロジックツリーだとかMECEの概念だとか、ロジカルシンキングのツールが大活躍します。
そして、現象を広く捉えた後に、本当の問題を定義します。この部分が問題発見の極意かもしれません。多くの場合、実際の問題を定義していない、あるいはあやふやなまま、解決策を見出すため、根本的な解決がなされないのです。従って、問題の定義のこのステップは極めて意味のある行動です。
さぁ、問題を定義することができたら次は、原因の分析です。この場合、問題からWhy?のツリーを使って、原因を分析していきます。それから原因が追究できた後は、それを今度はHow?のツリーを用いて、解決策を考えます。解決策を考えるポイントは、オプションを沢山出す事でしょう。
最後に、どれを実行するのか?という意思決定を行います。この場合、評価テーブル等を作成して選択していきます。1日の期間ですが、実際に銀行内で起きている現象を抽出して課題を定義、原因を分析、そして解決策の提案までをワークを通して行いました。
参加者の方々、1日お疲れさまでした。
早嶋聡史
T―ポイントカード
ファミマで買い物をしてT-ポイントカードを提示します。TUTAYAで書籍や雑誌を購入する時、金額の端数をポイントで清算する事ができます。なんとなく、使っていますが、購買行動を分析されている事を実感します。
例えば、最近はTUTAYAでのCDレンタルを殆ど行っていないので、ファミマのレシートにクーポンが印字されます。
「あたり!TUTAYAレンタルクーポン」です。明らかに、TUTAYAへの購買行動を誘導するクーポンです。このクーポンは、DVD・ビデオ・CDアルバムの旧作が1本無料でレンタルできます。しかも、期間が1週間。
これは、逆のパターンもあります。TUTAYAをよく利用して、ファミマを利用していない場合、今度はファミマのクーポンが印字されるのです。例えば、30円引きのクーポン等です。
Tポイントは、CCCグループのTSUTAYAをはじめ、ファミリーマート、ENEOS、ブックオフ、すかいらーくグループなど、62社の提携先約3万店舗でポイントを取得/利用できるサービスです。月間のトランザクション件数は1億件にもおよぶ国内最大級のポイントサービスで、会員数は2009年10月末現在で3365万人に達します。
企業がお金を払ってポイントカードを導入する理由は、企業の枠を超えた消費者の購買行動を基に、効果的なマーケティングを期待しているのです。ポイントカード導入に費やすコストよりも、それによって得られるリターンの方が大きいと言う事でしょう。
早嶋聡史
アイデアについて思う
アイデア。フリスクのCMを見ているとアイデアについて考えずにはいられません。
アイデアはコストを必要とせずに、無限に広がって行きます。そして、そのアイデアは富を生みます。勿論、アイデアの発端から何かを奪う事も無く、アイデア自体が次々に富を生み出します。この事について特許制度の生みの親であるトマス・ジェファーソンはろうそくに例えて表現しています。
まるで私のロウソクから火をもらった者が、私のロウソクの火を暗くすることなく明りを受け継ぐように。と。
アイデアは究極の潤沢な商品かも知れません。伝達のためのコストはゼロです。アイデアが生まれると自然と自ら遠くへ伝わって行きます。まるでその事を望んでいるかのようにです。そして、そのアイデアに触れたもの、全てが富を享受するのです。
しかし、実際のところこの伝搬は特許や権利としてビジネスで抑えられています。アイデアの伝搬を意図的に抑える事によって、アイデアの不足を生み出すのです。この状態はある企業にとっては優位な立場になり、残りの多くにとって不協和な状況になります。企業機密、特許、権利。まさに知的財産そのものです。
ビジネスは、自然に広がるアイデアの動きを強制的に妨げ、そこに不協和を生み出し、そしてそのアイデアを生み出した本人が富を得るようにしている事かもしれません。アイデアを生み出した人にその権利があると主張すると、その考え方は極自然ですね。しかし、最後には特許も切れるので、長い目で見ると、やはりアイデアは自然に伝搬して、伝搬した全てに一様に富を生み出します。
と考えたものの、伝搬するには、あらゆる制約があるのが現在の世の中でしょう。
早嶋聡史
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