早嶋です。
昨日に引き続き、購買行動についてです。
今日も、お気に入りの椅子に座りながらブログを書いています。念願の椅子をやっと手に入れることが出来たのも最終的にはネット通販でした。そこで、現在のネット通販の市場規模を調べてみました。
富士経済による流通市場の分析によれば、ネット通販は今後も市場を拡大していきます。注目するところは、ネット通販の中で、特に携帯電話を利用したモバイル通販の規模が随分拡大するという予測です。(以下、富士経済 通販・e-コマース市場調査抜粋)
インターネット通販
06年見込み 1兆5171億円
08年予測 2兆1338億円
対06年比 141%
モバイル通販(携帯電話端末からのネット通販)
06年見込み 1837億円
08年予測 2954億円
対06年比 161%
上記の数値予測を見て、アマゾンや楽天などのショッピングサイトがだいぶ消費者に浸透した事を実感できると思います。更に、消費者行動の変化というのも、あわせて感じ取ることが出来ます。特に、情報検索や評価・選択のフェーズにおいて、もはやインターネットを無視することは出来ないと思います。
消費者行動論では、比較的高い買い物や、滅多に買わない買い物などの行動プロセスは、AIDMA(アイドマ)としてモデル化されてきました。
例えば、自動者を買う場合です。テレビCMなどで、新しい車などを見たときに、「わー、かっこいいな!」と思ったとしましょう。これは、A:注目のフェーズです。この時点では、購買する意識は未だ芽生えていませんが、その自動車の存在に気付いたということで大きな変化です。
A:注目のフェーズで気になっていれば、I:興味のフェーズに移ります。ここでは、CMで見た車について詳しく知りたくなったりするでしょう。ここでは、沢山の情報を集めて、興味が深まっていくことでしょう。
D:願望。人によっては、興味を持って情報収集をしているうちに、ものすごくCMの自動車を欲しいという願望が生まれるかも知れません。
M:記憶。欲しいという願望が生まれれば、実際に試乗したり、カタログをもらったりして、知らず知らずに頭の中にイメージが残ります。人によっては、車を買うという段階に無くても、車だったら、CMの車というイメージがあるかもしれません。
A:行動。そして、車が必要になったり、急にお金回りがよくなった利したら?車を買うときにCMの車を考えて購買する。
といった、流れがAIDMAです(例は極端に書きました)。さて、近年、このプロセスがAISAS(アイサス)に移りつつあるという学者さんがいます。AISASのSASは、S:検索→A:行動(購買)→S:共有です。
つまり、情報収集の主たる目的が検索なので、S:検索になり、その場でネットで購入する。そして、その情報をコミュニティーでS:共有するのです。
昨日の一連のブログの内容は、まさに、S:共有にあたりますね。
—ブログマーケティング第5弾、ただいま実験中!—
実験の詳細は、ブログマーケティング『第1弾!』『第2弾!』『第3弾!』『第4弾!』『第5弾!』をご覧ください。
「中小企業」「マーケティング」「コンサルティング」「経営コーチング」「経営診断」「MBA」「歯科」「営業」「biznavi」
2007年2月 のアーカイブ
AISAS
購買行動
早嶋です。
ル・コルビジェのLC4、シェーズロング(Chaise Lounge)。さて、これだけでイスを想像する事ができた方がどのくらいいらっしゃるでしょうか?おそらく、イス好きでなければ何の事だかさっぱりだと思います。
ル・コルビュジエ(Le Corbusier)は、建築家です。彼は、スイスで生まれ、フランスで主に活躍しました。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ。建築関係やデザイン関係の方は、彼が近代建築の四大巨匠(フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ、ヴァルター・グロピウスと共に)である事は周知の事実ですね。
LC4、シェーズロング。建築家であるコルビジェは、建築する家にあった家具のデザインも手がけていました。LC4はその中でも名作椅子として呼び声が高く、世界的にも知名度の高い作品です。こちらの作品は、コルビジェのアトリエでデザインが進められていたチャーチ邸の為にデザインされた家具でした。
シェーズロングは、休息をテーマに、人間工学による曲線の算出や毛皮の算定まで、実にこだわりを持って仕上げられた作品(椅子)です。この椅子は、現在も、人気が高く、リ・プロダクト製品として、当時のデザインを忠実に再現した製品として、高級家具のカッシーナや、その他の工房で販売されています。
さて、そのLC4。念願かなえてやっと購入。LC4の欲求から実に1年半、長い道のりでした。消費者行動論では、消費者がモノを購入するまでのプロセスをフレームワークで考える事があります。今回のLC4の購入仮定に当てはめて見ました。
○問題認識のフェーズ
消費者が商品を購入する場合は、必ず、消費者の中にある問題が存在します。消費者行動論では、商品はその問題を解決するための方法である、と考えるからです。例えば、外食するための問題は、「お腹がすいた」「流行のレストランがどのような店か気になった」「彼女といい時間をすごすために」と人によってそれぞれです。
今回の私の問題は、「本を読むためのリラックスできる椅子」でした。
問題認識の程度は、購入する製品の内容によって違ってきます。例えば、繰り返し購入するような日常品なんかは、無意識のうちに考えていますが、滅多に買わない家や車などは、「こんな家がいい」「こんな車がいい」というニーズの裏に、必ず問題が潜んでいるのです。
○情報検索
さて、一度、問題を認識すると消費者は、その問題を解決する方法を探すために、情報検索を行います。当然、こちらも認識する問題の度合いによって深さが異なります。日常品であれば、情報検索はお店の戸棚かもしれません。また、車や家などは、実際に見たり、話を聞いたり、ネットで知らべたリ、実際に使っている人の意見を聞いたり様々です。
今回は、まずネットで調べてみました。当時は、ロッキングチェアーをキーワードに調べていたのですが、検索を繰り返すうちに、LC4や他の椅子が候補に上がってきました。実際に、大塚家具やカッシーナに行って、様々な椅子を体験しました。見て触って、店員に話を聞いて、カタログをもらってまた調べて・・・。さらに、また家に戻って、暇があったらネットで検索という繰り返しでした。期間にして実に半年程度。
○評価・選択
上記の情報検索では、LC4を買いたい欲求が生まれたのですが、どこの工房で買うかに大いに迷いました。LC4などの、巨匠といわれるデザイナーズ家具は、いわゆる本物を買うことが出来ません。しかし、リプロダクトを買うことはできます。評価・線t無くのフェーズでは、どこのリプロダクトを買うかが大きなポイントでした。
リプロダクトとは、コルビジェの作品のように、商品デザインに対する意匠権が切れた製品をオリジナルに忠実に復刻したリ商品をさします。コピー?と考える方もいるかも知れませんが、違います。コピー品は、意匠権があるものを違法に販売目的で複製した物のことをさすからです。
評価・選択で悩んだのは、価格、工房のブランド、デザインの忠実性、品質等です。比較的価格の安いものは、選択していくときに、複数の要素を比較・検討することはありませんが、今回の買い物のように、滅多に買わないものに対しては、選択する要素に無意識のうちに点数をつけていき、最終的に総合判断を行います。(右脳型選択と左脳型選択参照)
結局、価格、忠実性、品質の順に優先順位をつけて総合的に判断しました。実に、半年程度、長い時間をかけて評価・選択していました。
○購買
購買は、ネットです。アマゾンで本を買うようになってから、椅子や本棚など、実際の品質が確認できるものは、ネットで買う習慣がすっかり付いています。
評価・購買から、「これにしよう!」と決断してからは即決です。無論、決めるまでに半年かかって増すので、即決という言葉はおかしいですが。
○購買後評価
消費者は、自分の買った商品に、「購入したことに間違いが無いか?」と心配になる生き物です。自動車の宣伝で、走り抜けた後ろ姿を移すCMが多いと思った事はありませんか?自動車を買った人は、自分と同じ自動車を街中で見かけたとき、その車を目で追いかける習性があります。無意識のうちに、自分の購入した車は間違いなかったんだと、納得しているのでしょう。そのため、後姿で終わる絵を意図的に入れて、最後に会社のロゴを入れるCMが多いのです。
私はと言うと、椅子に座って、ブログでそのことを書いて、再度、HPで検索して、浸っているところです。
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ハイブリッド建機
早嶋です。
昨日の紙面にコマツがハイブリッド型の建機を世界で初めて販売するとありました。ハイブリッドと聞けば、トヨタのプリウスを想像することでしょう。こちらは、ガソリンと電気モーターの組み合わせによって動くエンジンを載せた車です。
今回のハイブリッド型建機は、ディーゼルエンジンと電気モーターの組み合わせで動く建設機械です。コマツは、まず油圧ショベルと呼ばれる代表的な建機でハイブリッド市場を形成します。
建機の業界では、コマツは世界第2位。今回のハイブリッドの投入で最大手の米キャタピラーを追撃する目論みです。建機の世界で、環境・燃料技術が競争条件に加わることは重要な意味を持つと思います。コマツ調べでは、今回投入するハイブリッド型の油圧ショベルは、従来機種と比較して軽油使用量を3割削減する事ができるようです。販売価格は従来の2割増しなので、使用年数が長い建機では、このランニングコストは魅力的です。
今回、注目するポイントは、ハイブリッドを構成する主要部品である、キャパシターと呼ぶ逐電装置と電気モーターをコマツで設計している点でしょう。他の日本の建機メーカーでも、日立建機や住友建機など、ハイブリッドの開発を進めています。今後、日本勢によるハイブリッドの技術が先行することが予想できます。
ハイブリッドの開発を進める社会的な背景には、2011年から導入される大気汚染を防止するための排ガス規制の導入が決まっている事があります。この規制は日米欧で第4次排ガス規制として導入されます。今回のハイブリッド対応の建機の販売は、業界に先駆けた動きでした。
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教育フォーラム
早嶋です。
本日は、NPO法人師範塾主催の教育フォーラムに参加しましたので、その紹介です。フォーラムのテーマは、「大人が変れば子供も変る~大人はどう変る必要があるのか?~」。
内容は、講演とパネルディスカッションでした。フォーラムを通してのテーマは子供の教育に関しての内容でしたが、ビジネスシーンに当てはめて考えれるものが多々あり非常に参考になりました。特に原田氏の講演内容は、感涙を得るものでしたので簡単に紹介します。
原田氏が教育現場で子供たちに行ったのは、「教えないで、教えること」です。そして、原田氏が教育で目指すところは、最終的に自立した人間を育てることです。原田氏が言う自立型人間とは、まず自分の夢に対してのイメージがあり、そのための目標がある。そして、その目標を達成するために、何をしたらいいかを考え、自ら行動する人です。
これは、経営を行う上でも最も大切な部分です。夢=ビジョン。将来、どのようになりたいのか?そしてそのためには、どのような目標があるのか?その目標を達成するために戦略を立て、実際の行動計画に置き換えていきます。この仮定で具体的な行動が見えてきます。経営では、計画を正しく行うために管理するフェーズが追加します。
原田氏が教育現場で行った内容は、まさに様々なビジネスシーンで行われている内容と同じなのです。そして、原田氏が最も力をこめた部分は、心づくりの指導だったと思います。靴をそろえる、挨拶するなどの態度教育です。
この心づくりの態度教育は、割れ窓理論(Broken Windows Theory)の応用です。NYの重犯罪の件数は、ジュリアーニ市長のときに激減しました。この時、市長が利用したセオリーも割れ窓理論です。もとは、スタンフォード大学のフィリップ・ジンバルト教授が実験によって証明された理論で、以下のような実験結果を体系化したものです。
普通の車とフロントガラスの割れた車をそれぞれ住宅街に放置しその変化を観察する。1週間後、普通の車は変化がなかったのに対して、窓の割れた車は次々にガラスが割られ、金になる部品はほとんど盗まれていました。
つまり、小さな犯罪を放置すると、それが大きな犯罪につながるという犯罪心理学の理論です。
靴を並べる、椅子を引く、鞄を整頓する、はいの返事、正しい挨拶、目をあわせた会話、掃除、正しい姿勢・・・。当たり前のことを子供に徹底することによって、子供に変化が現れるといいます。当然、上記の行動を子供に行わせるには、原田氏の熱血がなくしては出来ないものだとおもいました。
「ルール・規則に従わないが、ムードに従う」「言葉に従わないが、人の行動・態度に従う」。原田氏は、態度教育をまさに実践して教育してきた先生なのですね。
今日は、教育という現場の最前線を体感する事が出来ました。世の中は確実に2極化し、競争社会がますます激しくなります。このような社会構造では、何もしなくても社会、学校、家庭等は荒れていくでしょう。今後、教育というものがますます重要な課題になると言うことは間違いないですね。
以下、本日のフォーラムの概要。
○講演
学校教育に関する講演:
テーマ「教師が変われば子供は変わる」
講師 原田隆史氏(㈱原田総合教育研究所所長)
家庭教育に関する講演:
テーマ「親が変われば子供は変わる」
講師 長田百合子氏(塾教育学院メンタルケア部門代表)
○パネルディスカッション
コーディネーター
野口吉昭氏(㈱HRインスティテュート代表取締役)
パネラー
原田隆史氏、長田百合子氏
川口雅昭氏(NPO法人師範塾塾長)
吉田優貴雄氏((社)福岡青年会議所メンバー)
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知財紛争その2
早嶋です 。
昨日の内容に続いて、知財紛争についてです。
シーン2:警告への対応
特許侵害を確認したA社は、B社に対して、その旨を通知する警告書を送りました。シーン2では、B社がこの内容に対してどのように対応するかについての寸劇がありました。
B社がA社の警告に対して、特許を侵害していない事をどのように証明していくか?がポイントになります。以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。
○そもそも、どうやって弁護士と出会うか?
規模が大きい企業では、顧問弁護士に相談する事が出来ます。しかし、多くの企業は顧問弁護士に相談する体制は整っていません。この場合、知り合いの紹介が一番多いようです。中でも税理士からの紹介等です。ただし、相談内容によって、弁護士の得手・不得手があるとの事。そこで、県内の弁護士会を利用したり、知財ネットの活用を勧めていました。こちらで有れば、予め相談内容に詳しい弁護士と出会う可能性が高くなります。
○回答書のポイントとは?
警告書を受けたB社は、警告内容に対して、A社に回答を出す流れになります。その時の回答書のポイントとして、以下を挙げていました。
・特許侵害に対しては、利権者と全く関係が無くても侵害が成立することがあります。そのため、まずは冷静になること。
・回答することによって、解決という事には至らないので、回答後、どのようにア対応していくかの方向性を見極めること。
・当然、回答した後、裁判という可能性も秘めているため、回答書には不利になる内容などは一切記さない。
シーン3:回答書を受けて
こちちのシーンでは回答書を受けた利権者の対応を寸劇で再現していました。特許侵害に対して、最終的に裁判を決定した場合、九州では全て大阪高裁の管轄になります。従って、すぐに裁判と考えないで、仲裁、調停のことも考えることが大切ですと指摘されていました。
以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。
○回答書の分析について
回答所の分析について、大きく2つのことを考えると話がありました。相手の主張内容と、相手の態度です。
相手の主張内容は、相手側が特許侵害を認めたのか否か、権利の有効無効についてなどです。仮に、権利行使が難しい場合は、その後の交渉のプロセスを考えて慎重に行うことの重要性を強調されていました。
また、相手の態度も重要です。警告書を送付した後に、回答書が返ってきたということは、誠実な態度があると見ることが一般的には出来ます。そこで、相手側の回答書の中に、主張内容に対して法的に有効な理由の有無の確認は重要。もし、ある場合はやはり慎重な対応が必要になるからです。
シーン4:交渉
こちらのシーンでは、回答書を受けて、弁護士立会いの元でA社とB社が裁判を行う前の交渉を行う場面です。以下、参加者の弁護士と弁理士でディスカッションされた内容です。
○交渉に臨むときのポイント
・交渉の目的を明確にしておく
・交渉の機会を認識する
これは、被告にとって、裁判を行う前の交渉は時間稼ぎにもなります。つまり、その分準備が行えるという事を双方の立場で理解しておくことが重要。
・不利な発言を行わない
・弁護士を抜きに交渉を進めない
被告が原告側に対して質問をするときは、特に注意する必要があります。被告が原告に質問をするのは、裁判で切り込むポイントを探している場合が多いからです。そのため、質問に対しては、むやみに回答しない事です。必要であれば、弁護士を通してからの発言をして下さいと、強く強調されていました。
○特許侵害訴訟について
特許侵害を確認して裁判に流れは、シーン1から4までの流れのように、特許権利者による分析⇒警告書⇒非権利者による警告書の分析⇒回答書⇒訴訟前交渉⇒裁判となるようです。さて、気になる勝率ですが、どのくらいの割合で特許侵害として認められるのでしょうか?ディスカッションの中で出ていた数字は僅か2割程度との事でした。権利者の方が数字を見る限りでは不利なのですね。
と、長々と寸劇の報告をいたしましたが、知的財産の侵害というモノは、以外に身近な所で起きていることが分かりました。経営を行っていく上で知財に対してのアンテナをはっておくこと、つまり、知財リテラシーを高めていくことも必要な活動なのです。
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知財紛争その1
早嶋です。
本日、知的財産マネジメントシンポジウムin九州2007に参加してきました。このシンポジウムは、弁護士と弁理士が共同で開催したもので、九州初の知財に関する実践的なシンポジウムだったようです。
開催内容は、大きく3つのパートに分かれていました。
Part1:ドキュメント「知財紛争」
Part2:九州・アジアの知財マネジメント
Part3:九州における知財戦略の支援等の紹介
中でも、Part2は、弁護士と弁理士の方々が役者になって、実際の事例を基に作ったケースを寸劇で再現し、知財を考えるテーマでした。ケースは、特許侵害の確認から訴訟に至るまでの過程でした。これらを4つのシーンに分けて再現していました。
以下、それぞれの弁護士の視点や、原告、被告の留意点等をまとめてみました。
シーン1:権利者の警告
ここでは、A社の特許侵害をしているB社の商品に対して、A社からB社に対して特許侵害を警告するまでを再現していました。
特許の権利者として、もし、自社の特許を侵害している商品を確認した場合は、相手の会社に対して警告を通知することから始まります。このときのポイントとして、
・相手の会社の規模・概要を確認する
・特許侵害に当たる商品の販売量(過去に遡って)を確認する
・特許出願前に相手の会社が販売を開始していないか確認する
・要求事項を確認する
等を上げていました。
要求事項に対しては、その目的が、商品の販売中止や製造中止を求めるものか?、過去の販売に対しての損害賠償を請求するものか?、ライセンス販売の意思を伝えるものか?などになります。
シーン1を終えて、役者の弁護士・弁理士でディスカッションがありました。
○誰が特許侵害を探すのが効率的か?
企業規模が大きいと、自社の特許や権利の内容を社員全体が把握することは難しい。そのため、特許が侵害されていることに気付かない場合がある。解決案として、特許や権利の内容を比較的把握しやすい部門単位に発見できる仕組みを作る。仮に特許侵害を発見して、それが基に賠償請求を勝ち得た場合は、発見者やその部門に対して数%のインセンティブを与える事等を行えば、組織をモチベートすることができます。
ただ、実際に特許侵害に当たる商品を見つける機会が多いのは営業マンが多い。そのため、営業マンが「おやっ?」と思った場合に、特許の侵害についての相談窓口を会社の内部に設置すること更に有効です。
また、特許侵害に対して警告を出す場合、まず弁護士や便利士と打ち合わせを行います。このときの時間を有効に使うポイントとして、以下のようなアドバイスをされていました。
・特許侵害の内容を事前に報告して弁護士に渡しておく
例えば、その商品が購入できるモノであれば実物を購入し、領収書を取る。そのときに、その商品の製造番号を控えたり、購入したときの様子を写真に取ったりして、その商品を実際に買ったことを証明できるモノを用意する。これは、後の証拠品として有用になるからです。
また、商品が分かりにくい場合、購入しにくい場合は、その商品の入手方法等を予め調べておく。仮に、その商品のパンフレットやチラシなどがあれば、それを取り押せておく。これは、その他の特許侵害を探す目的もあります。
・権利者で有れば、特許番号、特許こうほう等を予め弁護士に伝えておく。
こうすることで、特許の内容を弁護士が予め把握した上で相談をすることが出来ます。また、特許がどのような経緯で登録されているかの記録があれば、そちらも事前資料として準備しておきます。
上記の作業を行わないで、急に相談となっても、状況がつかめななく、時間の浪費となる場合がとても多くあるようです。
最後に、警告書を作成する際のポイントとして、以下を挙げていました。
・警告によって、相手から何を確認したいか?(目的を明確にする)
・相手から何を引き出したいか?
・相手とのスタンス。論争するか、交渉の余地を与えるかなどです。
シーン2以降については、明日、続けます。
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