新規事業の旅83 ペット保険にAmazon参入

2023年11月2日 木曜日

早嶋です。

Amazonがペット用の保険に参入する。11月1日より申込が始まる。商品は「わんにゃん保険」。現時点でAmazonで検索しても出てこないので、報道の通り、初期はテストマーケティングをしている。曰く、18歳以上のアカウントで申込を無作為に抽出して一部の消費者に提供して、本格的に12月の中旬頃よりサービスを展開するという。

ペット保険の市場規模は1,000億円程度とされ、各社の保険商材をみると5歳の小型犬で2,500円から5,000円の月額課金だ。ペット保険に参入する企業は20社程度あり、最王手はアニコムHD

国内で飼育されているペットは犬猫合わせて1500万から2,000万匹とされ、新型コロナウィルス禍で21年のペット(犬猫)の新規飼育頭数は過去最大の88万匹強が増えている。1,000億程度の保険市場も数年前は500億円規模だったので、規模自体は小さいにも関わらず成長事業になっている。

直近の動きでは、
・22年7月にチューリッヒが少額短期でペット保険の販売を開始
・23年1月にアフラックがグループ内のペット保険を引継ぎ営業開始
・23年3月第一生命がペット保険のアイペットHDを子会社化
・23年3月東京海上日動がアニコムHDと資本提携
・23年4月オリックスがペットメディカルサポートの保険を販売開始

等々、各社の動きが活発だ。ただ、人間を相手にした市場規模と比較して遥かに小さく、大手に取って手間がかかる割には収益の貢献度は低い業界だ。それでも人間の保険商材が縮小し、ペットを通じて飼い主や家族との接点を取る動きを重視するのだろう。

生保協会の発表では、22年3月末での人様の保険等収入の規模は32兆円。コロナ前の19年と比較して1割程度減少している。各社の経営は苦しくなり、より合従連衡が進み淘汰されることも予測できる。

一方で、新規参入の中小にとってはニッチではあるがそこそこ規模が大きい。ただ、自社の商材を知って頂くためのプロモーションコストが高くなかなか収益を出せないというのが現状だったと思う。

そこにAmazon。飼い主の多くは、Amazonでペット関連のグッツを買っているであろう。そこに対してペット保険を提案できるのだ。しかも過去の購買履歴からペットのサイズ、ペットへの愛情、ペットの年齢などを推定するのも用意だ。Amazonがペット保険の代理業務を始めれば、一定数の販売シェアを獲得する可能性が高いことが他人の目から見てもわかる。

ペット業界や保険業界からすると、Amazonの動きがただただきになるのではないか。そのうち、本丸の人様の領域にも入ってくれば、保険商材の提案も大きくかわるかもしれない。

(過去の記事)
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