交渉の戦術

2008年4月14日 月曜日

早嶋です。



交渉の戦術4つ、紹介します。



●Time pressure

time日本語では締め切り効果になるのでしょうか、時間の制約を利用した戦術です。マーケティングでも、本日限りの大御奉仕!などとありますよね、これがそれもその種の1つです。



【ありそうな例】

A:「遠路はるばる、良くお越しで。帰りのご予定は?」

B:「○時の○便です」



Aは雑談をしているわけではなく、タイムリミットを引き出しています。会話の中から交渉相手のデットラインを聞き出し、交渉を有利に進める戦術なのです。交渉中に、相手が時間を気にし始めたら一気に本格的な交渉に入るのです。もしくは、いったん成立した交渉のテーブルをひっくり返すこともあります。デットラインが気になった相手は冷静な判断が出来にくくなるので安易に合意をする場合があるのです。



【この戦術に対する打ち手】

不用意な情報を提供しないことです。デットラインがある場合は、延長のオプションを準備することも重要です。





●Door in the face

交渉中であっても、要求を断ることに罪悪感を感じますよね。そこに漬け込んだ戦術がドア・イン・ザ・フェイスです。この戦術、はじめに相手が承諾しないレベルの要求を意図的に提示して、いったん相手に拒否させます。その後、はじめより緩い条件を提示して相手に合意を求める戦術です。



【この戦術に対する打ち手】

予想外の条件を出して交渉相手の心理を揺さぶる戦術であるため、打ち手としては冷静に判断すること。感情的に対応するとまんまと条件を飲んでしまうかもしれません。



【この戦術のリスク】

頻繁にこの戦術を使えば、相手に悟られてしまい、はじめは高い要求、その後に譲歩した要求が来るだろう!と読まれてしまうコトです。



【ありそうな例】

新聞屋さんの勧誘(エピソードⅡ)

A:「お願いします!半年契約でいいんです、契約して下さい!」

B:「半年なんて、いらないよ。」

A:「せめて、1ヶ月だけでも、お願いします!」

B:「1ヶ月だけだよ・・・。」

A:「(ドア・イン・ザ・フェイス成功!)」





●Foot in the door

こちらの戦術は、ドア・イン・ザ・フェイスの間逆の発想です。小さな同意を作り上げてから徐徐に大きな要求をしていく戦術です。マーケティングでも購買障壁を下げるために良く使われています。



【この戦術に対する打ち手】

はじめに「Yes」と言った手前、途中から断りづらくなります。従って、相手の要求の大小に注目するよりも、そもそも、その内容に応じるか否かを冷静に判断することです。ひょっとして、フット・イン・ザ・ドアかな?と疑うのも良いでしょう。



【ありそうな例】

新聞屋さんの勧誘(エピソードⅠ)

A:「こんにちは、ビズナビ新聞ですけど、新聞とっていただけませんか?」

B:「家は結構です。」

A:「まぁ、話だけでも聴いてください!洗剤とか色々ありますから・・・。」

B:「あら、話だけですよ。」

A:「(フット・イン・ザ・ドア成功!)」





●Nibbling

通称、おねだり戦術です。この戦術は合意に到達した直後に意図的に追加条件を提示して、その条件を相手に飲ませてしまおう!というものです。交渉が合意に達した場合の相手の気の緩みを利用した真理的な戦術です。



【この戦術に対する打ち手】

交渉の前後も気を抜かない!です。この戦術を利用するネゴシエーターは相手の不意をついたり、意図的に褒めて追加条件を出したり。さりげなく、自分が出した条件は取るに足りないモノであることを強調したり。緊張感を維持して相手の発言に対応する事が肝心です。



この戦術、フット・イン・ザ・ドアとの愛称が良く、徐徐におねだりが大きくなる事があるので要注意です。



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