未来はリーダーシップにかかっている

2022年10月6日 木曜日

高橋です。

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

今回のテーマは「未来はリーダーシップにかかっている」です。古今東西、未来を先取りし備えてきた企業は繁栄しています。リーダーに必要な時代の先を読むスキルについてお伝えします。

私にとって初めて「未来を先取りした!」商品は、小学生の頃に発売されたソニーのウォークマンです。(田舎者の私がウォークマンを知ったのはきっと発売されてからずいぶん経っていたのでしょうが笑)ポケットに入るほど小さくて、外に持ち出せて、ヘッドフォンで聞く、当時のCMはおじいさんと金髪の女性がウォークマン片手にヘッドフォンをして踊っていました。確かに今までにないモノを感じ「カッコイイ!」と思いました。もう40年以上昔のことです。

「音楽を聴く=リビングのオーディオセットで聴く」が常識だった時代に、「音楽を外に持ち出す」スタイルが将来くるだろうと予見したのでしょうか、いくつか開発秘話が語られています。発売前は否定的な意見が大半を占めていて社内からも「こんなの絶対に売れませんよ」と言われていたそうです。当時会長の盛田昭夫氏は「自分のクビをかけてもやる決意だ」とまで言ったとか。それぐらいのリーダーシップがなければ、皆を率いて前例のないことにチャレンジすることは難しいのでしょう。結果が示すようにウォークマンは音楽業界に革命を起こし、ソニーには莫大な利益をもたらしました。

リーダーが未来を先取りし、それに備える方法はあるのでしょうか?その一つにシナリオ・プランニングという手法があります。

シナリオ・プランニングとは「起きる可能性がありそうないくつかの未来像を描き、その未来が実際にやってきたときに、柔軟に対応するための準備をする手法」と「シナリオ・プランニング」の著者Woody Wadeは定義しています。
世の中の「変化の兆し」を見逃さず、そこから数年後(10年程度の短期や30年先の長期)の世界を創造し、いくつかのシナリオを描きます。ポジティブなシナリオもネガティブなシナリオもあるでしょうが、もしそのような世界が現実となったとしたら、自社(自分)がとるべき戦略は何か?今から準備をするという手法です。

もっとも有名な事例は、ロイヤル・ダッチ・シェル社のケースです。シェル社は未来に起こりうるシナリオの一つに「石油危機シナリオ」を作成し、もし実現した場合に備え事前に体制を整えていたので1970年代の石油危機に対応できたといわれています。
逆に、スイス航空は中小のエアラインをどんどん買収していましたが、格安航空会社の参入を予見できなかったために業績悪化と多額の買収資金返済に苦しみ清算に追い込まれました。(2001年の同時テロによる需要激減の影響も大きかったですが、いずれにせよ予期しなかった二つのことが起こったということです)

リーダーは、世界がどこに向かっているかが見えなければ、ヒト(社員やステークホルダー)を導くことはできません。今起きていることにだけ目を向けたところで、対処療法で場合によっては手遅れになりかねません。
未来に起きることを予見し、色々なシナリオに備えることが、この激変の時代だからこそリーダーに求められるビジネススキルと言えるでしょう。ウォークマン開発のように、未来を創造し、困難に絶えずチャレンジすること、チームを鼓舞し前に進めることがリーダーシップの本質であると思います。

シナリオ・プランニングについては、また別の機会にその手法を詳しくご紹介することができればと思います。

営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。



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