スイッチングコスト

2008年3月31日 月曜日

早嶋です。



先日、父の会社を訪れた帰りの出来事です。父は会社の前の道路を挟んだ斜め前にある駐車場を月極で利用しているのですが、駐車場に着く頃には車がスタンバイしていました。その駐車場は立体駐車場です。通常であれば、顧客が駐車場についてから車をまわしますよね、しかし、その駐車場は違います。



207なぜか?父の会社の電気が消えたのを見て、車を出すだろう!と推測して車を動かしているのです。これは、例えば通りの向こうに父の顔が見えた瞬間にもやはり車を動かしてスタンバイしてくれるそうです。



父の会社は駅前にあり、立体駐車場はいくつかありますが、このようなサービスを提供している駐車場は他には無いでしょう。まさに、スイッチングコストが高い例だといえます。



スイッチングコストは、顧客が現在利用している製品やサービスを仮に他社の製品やサービスに乗り換えた場合に顧客が負担しなければならないコストです。このコストには金銭的なコストの他に心理的なコスト、手間コストなどが組み合わさります。



ウィンドウズのPCからマックのPCを買い換える場合、デザインはマックがいいけどOSに慣れるのが大変そう・・・、といった理由で買換えを控えるのが手間コストです。この場合、スイッチングコストが高いと表現します。仮に、マックのOSもウィンドウズのOSも不自由なく相互に使えるのであれば当然、スイッチングコストは低くなります。



このように、通常、顧客は利益やメリットなどとスイッチングコストの大小を無意識のうちに判断して購買活動を行っています。となれば、継続的に製品やサービスを利用していただきたいのならスイッチングコストが高くなるように努力をする必要があります。一方、買換え需要を狙う企業は、買い換える場合の顧客のスイッチングコストをいかに低くして差し上げるか?がポイントになるでしょう。



駅前の駐車場の例は、父のスイッチングコストを心理的な価値を高めることによって高く維持している例だと言えるでしょう。



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