ブランディングの変遷

2007年9月24日 月曜日

早嶋です。



三連休、最後の日、いかがお過ごしでしたか?早嶋は、本日、休みを取って海に船遊びに出かけました。海水はまだまだ温かく、ご機嫌でした。



近年のブランディングは、新しいテクノロジーが同じモノを大量に生産するのを超えて、ブランド自体も購買客一人ひとりにマスカスタマイズすることを可能にしています。ブランドの所有は元来メーカーのものですが、未来のブランドは消費者に所有されることになるとマーチン・リンストロームは著書、Brandchildで説明しています。



変化の兆しは、90年代末にあり、Brandchildではこの現象をMSP(Me Selling Proposition:消費者が自分自身を強調することを可能にする販売提案)と名づけています。



50年代、ブレンディングの歴史の中で、USP(Unique Selling Proposition:ユニークさを強調する販売提案)が提唱されます。これは、ブランドではなく、商品特徴や便益(ベネフィット)といった商品そのもので差別化することが中心でした。



60年代になると、ESP(Emotional Selling Proposition:感情を強調する販売提案)がブランディングの中心となります。同じような商品でも、感情的な愛着の有無によって異なった知覚を得るようになります。コークとペプシの例では、コーラを飲む間隔よりもラベルを買う傾向が強くなりました。



80年代は、OSP(Organizational Selling Proposition:企業を強調する販売提案)が誕生します。ブランドを生み出した組織や企業そのものがブランドになりました。そのため、組織の理念はとても重要視されます。代表的なブランドはナイキです。ナイキに属する従業員は愛社精神が強く、彼ら彼女ら自身がブランドを広げる大使の役割を果たしました。



90年代、更に進化し、ブランドそのものが大きな力を持ち始めます。BSP(Brand Selling Proposition:ブランドを強調する販売提案)です。特徴はマーチャンダイジング・ビジネスが広がり、1つのブランド名がシーツや歯ブラシ、身の回りの小物まで、ブランドが形成される過程(ストーリーなど)よりもブランドそのものに執着しました。



この次期より、インターネット技術が普及し相互作用のプロモーションが重要な手段となり始めます。相互作用によって消費者は様々な要求を企業に問いかけ、MSPへと発展を開始しました。先のナイキでも、ウェブサイトを通じて自分の好きな色やサイズに合わせたオリジナルの自分だけの商品をカスタマイズして提供しています。



では、MSPの次は?マーチン・リンストロームは、ブランドがMSPを超えて次の領域に移項している数多くの兆候を指摘してます。それは、HSP(Holistic Selling Proposition:ホリスティックな訴求方法を強調する販売提案)です。HSPブランドは、伝統的で、宗教性を帯び、ブランドを訴求するホリスティックな方法として感覚(5感)を利用したブランディングの考え方を採用しています。



マーケティングと5感、感覚はこれから確実にキーとなる概念です。おいおい紹介していきますね。



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