IPO時のバトンタッチ

2006年2月13日 月曜日

早嶋です。



注目していたロッテショッピングのIPOですが、韓国・ロンドン両方とも順調で35億4000万ドルの資金を調達したようです。因みにソウル市場での当日の終値は公開公募の1.75%上回る40万7000ウォン。



”創業経営者か、ベテラン経営者か”というタイトルで最近読んだ記事を紹介します(ハーバード・ビジネス・レビュー)。新興企業がIPOを果たす場合、創業経営者からベテランの経営者にバトンタッチするケースがある。これは、投資家からの信頼を多く得る目的のためだ。果たして、これは正しい選択なのか?という問いに答えた記事です。



結論は、創業者が引き継き指揮を執った方が長期的には企業価値が高まるとの事です。同誌によれば、創業者が社長を勤める企業はIPO後、その魅力が復活することに加え、時間の経過とともに、ベテラン経営者が指揮を執った場合よりも時価総額が高くなるという。



創業者経営者が時間の経過とともに、ベテランの経営をしのぐ要因として、

①創業者は、自ら起した企業を経営する最も相応しい人物であること。

②ベテラン経営者の場合、新経営陣と既存勢力の間で争いが生じ、創業時期のすばらしい企業文化が崩壊すること。

の2点が論じられていました。



これは近年盛んに行われているMBO(management by out)の利点と相通じるものを感じます。MBOは、経営者や経営幹部が個人で自社の事業部門等を買収することです。MBOのメリットにも、買収されても買収した相手が自社の社員や関係者であるため、経営人と従業員の間で、コンフリクトが少ないことがあります。同時に買収した側も自らが経営者兼株主となるために、会社に対するコミットメントが強化されます。



一連の事件で世間を騒がせているライブドア関連でも、子会社のライブドア・オートがMBOを考えているの事も容易に納得できます。もっとも、この場合のMBOの一番の動機は、ライブドアの資本関係を一掃したい事のほうが大きいでしょうが。



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