数字のギャプと心理

2017年12月15日 金曜日

早嶋です。

国内外の高級ブランドショップが相次いで値上げをしています。サンローランやボティガが10月から11月にかけて一部商品を対象に値上げ。バーバリーもバックや衣料品の一部を値上げ。バレンシアガは紳士服を価格改訂。英国グラフは12月から8%、TASAKIも1月から数%の値上げ。

確かに10月頃から百貨店の外商メールから複数のブランドが数%から10%程度値上げをするのでその前に買いませんかメールがどんどん入っていました。

ドイツの生理学者にウェーバーがいます。品減の感覚に関する実験を行いました。100gの重りに1gづつ重りを追加して102g、103gと追加していきます。人は何グラムで重さを感じるかを調べる実験です。実験結果は一様では無い。でした。まぁ、この感覚は五感と同じで、人が刺激を受けて脳で処理した結果ですから納得です。

例えば、スーパーのレジ袋が10円から20円になったと知れば、高いと思うでしょう。10円の差よりも、2倍になったと思うでしょう。

例えば、ポテトチップスが90円から100円になったらどうでしょう。10円の差ですが、高いとは思わないでしょう。同じように電車の値段が200円から220円になっても高くなったとその時は感じにくいものです。

ということで、同じ金額でも高額であったり、金額のみせかたによって高いと感じたり、何も感じなかったりするでしょう。というのを考えるとブランドショップからすると、各ブランドショップが一斉値下げ!的な報道は止めていほしいでしょうね。そのために10%前後の微妙な値上げをしていて、気が付かれないようにしているのに。それを宣伝するかのように報道する。って。

ちなみに値上げは車業界でもありました。ベンツはAクラスなどの小型車を中心に1%程度の値上げを行います。それは大したことが内容に思いますが、Aクラスはエントリーで300万円から。つまり3万円程度の値上げです。3万円と捉えると大きいですが、300万円と比較するとそんなに感じない。まさに人の感覚は不思議なものがありますね。

政府の予算に対しても同じような感覚があるのかもしれないですね。100億、1000億単位で簡単に何か話している感じを受けますが、予算が全体で100兆円もあったら、たしかに小さな金額に錯覚してしまうのかもしれません。増税は仕方ないと思いますが、使いみちは精査してもらいたい。意味もないと思うような使いみちはやっちゃいかんよな、と思います。



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