サプライチェーンの一歩先

2007年5月10日 木曜日

早嶋です。



今月号のハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)に面白い論文が載っていたので紹介します。『High-tech ways to keep cupboards full』、サプライチェーンを一般家庭まで普及させて冷蔵庫の中身など、日常品にも品切れをなくそう!、と言ったニュアンスのタイトルです。



サプライチェーンとは、供給者から消費者までを結ぶ、開発・調達・製造・配送・販売といった一連の業務の連鎖、つながりのことを指します。本論文の問題提起は、販売後の消費者にまで手を伸ばそう!と言うものです。



例えば、小売店の陳列棚に生活商品があふれていても、消費者の冷蔵庫等に、その商品が供給されていなければ、企業にとって無意味になります。購入されたとしても、その後、定期的に補充されなければ、サプライチェーンは小売でストップしていることになるからです。



日常品は、ブランドロイヤリティが高くても、すぐに浮気をされます。使い切って、再購入する商品は、計画的な買い物では無いため、衝動買いに多くが依存されます。牛乳や歯磨き粉などは家庭でも比較的上手く在庫管理がなされており、これらの商品を良く買い忘れる消費者は2%未満だったそうです(本論文の調査結果より)。一方、ビールは20%、炭酸飲料は18%、スナック類は14%の消費者が切らした経験があるそうです(炭酸飲料やスナックが日常的にストックされていると言うのも面白いですね)。



本論文では、このような消費者の冷蔵庫や食料庫の在庫を常に切らせないようにするためにICタグが一役買うといっています。



未来のゴミ箱は、捨てられたゴミのICタグから日常商品の利用状況を察知して自動購入を促したり、冷蔵庫は、中のICタグを読み取って、使用状況によって足りないモノを購入するように促したり、自動注文したり。



このようにサプライチェーンの終点は、これまで認識していた以上に消費者に近づいてきているのです。



参照:Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 06月号 [雑誌]



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