三方良し

2007年5月4日 金曜日

早嶋です。



企業における利益について改めて考えました。企業は、将来にわたって無期限に事業を継続するという前提、ゴーイング・コンサーン(going concern)より、投資した以上のリターンを獲得できるビジネスアイデアを考え、それを実効することを絶えず繰り返します。



利益を上げた経営者は社会から評価を受け、株主からも喜ばれるでしょう。企業を継続的に存続させ、利益を上げる事による世の中の賞賛により経営者は日々努力を続けます。



これが正だとすれば、会計上の利益には実体が無いので、会計の抜け道を積極的に追いかける企業も出てくるはずです。代表的な企業にエンロンやライブドアがあがるでしょう。利益を追いかけるあまり利益を出すための手段を選ばなくなるのです。



利益に関して、ピーター・ドラッカーは次のように言っています。「利益とは明白のビジネスを支える糧です。利益を生み出さなければ、企業はビジネスを継続することはできません。しかし、利益だけを追求してビジネスを行うことは間違っています。利益はビジネスの成果を判断するための基準ですから。」



利益は無くてはなら無いものですが、追求しすぎると間違った方向へ向かう危険性を示唆しています。企業が自らの利益のみを追求すると、悪質な商品を販売したり、環境や省エネなどを考えないで生産性のみを追及するということも考えられます。しかし、上記のことは社会に負担をかけることになるので、最終的にはその企業は社会から受け入れられなくなるでしょう。



とはいっても企業にとって利益は必要です。では、一体度の程度の利益が必要なのでしょうか?



これに関しての明確な解は無いと思いますが、近江商人に昔から伝わっている経営哲学にこれに対しての考え方が昔から伝わっています。「三方良し」という哲学です。これは、売り手、買い手、世間の三者がバランスよく成り立ってはじめて商売が上手くいくという考え方です。



利益の追求・・・、とても重要なことなのですが、モラルある範囲でビジネスを行い、出来る限りの大きな利益を上げることが大切なのですね。当たり前のことですが、考えると深い話だと思います。



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