ロボット掃除機

2016年10月18日 火曜日

早嶋です。

日立がロボット掃除機市場に参入します。母体は白物家電の開発販売の日立アプライアンス。ルンボが市場を創出して、そこに追従するかたちです。

日本での自動掃除機ロボットの市場を創造したのはiRobot社のルンバです。日本で普及するためにiRobot社が取った販売戦略は代理店販売です。電通出身の木幡氏が同社退職後にルンバ販売を目的にセールス・オンデマンドを設立して日本での認知と普及に貢献しています。

iRobot社はロボットの企画設計を自社で行い、製造はEMS、そして営業販促、販売、アフターサービスは日本ではセールス・オンデマンドというバリューチェーンを構築しています。

ルンバの阪大台数は2013年に累計で100万台を突破し、この頃より総合家電量販店でもルンバの販売や他社のサンユウが際立ってきました。2008年ころまではロボット掃除機の売上台数もそんなに伸びなかったのですが、2009年にツカモトエイムがエコモを発売。2011年に東芝がスマーボでサンユウ、シーシービーはラクリート。2012年にシャープがココロボットでサンユウ。2013年にハイアールや東芝が参入と成長期に突入していきます。

日本には凡そ5000万世帯があり、各家庭に1台以上は掃除機があることから規模は5000台程度のポテンシャルがあると考えられます。その中、まだロボット掃除機の導入は10%程度でしょうから、今後一気に普及にはしるでしょう。

実際、国内掃除機の市場規模はメーカー出荷台数レベルで500万台から600万台で長期的に横ばいが続いています。従って各種メーカーは、ここにメスを入れてロボット掃除機での需要拡大を狙いたい。そのような想いがあると思います。

ルンバのシェアは凡そ7割でダントツのトップメーカー。そこにこれまでとは逆に大手が参入してマイノリティからシェアを取りたく戦略を立てていますが、一人勝ちの状態が続きます。

ロボット掃除機の各メーカーの販売価格を見ていると、マミロボットが1から2万円と従来の掃除機と同等のレンジで戦っており、ここがもっとも多い中央値になっています。一方、ルンバと他の大手メーカーは5万円以上の高価格帯での価格を設定。今回の日立も10万円台と高機能家電の領域で戦うようです。

もし業界の雄であるルンバが価格を下げる戦略に走れば業界での価格帯、そして利益率が一気に低下して、昔のテレビの二の舞いになるでしょう。従ってルンバや他の家電メーカーが引き続き付加価値を訴求して高価格で勝負することをして欲しいと思います。



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