新旧3本の矢

2016年1月8日 金曜日

新しい3本の矢。

1つ目は、5年後に500兆円の国内総生産(GDP)を600兆円にするというもの。旧3本の矢の実行においても2年半の期間を経ても2% の伸びも実現できなかったのに20%を伸ばす説明が無いと思います。

2つ目は、希望出生率を1.8にすること。これもかなりハードルが高いと思います。少子化に取り組んでいる他国の事例やケースを見る限り出生率向上の効果が出る期間に15年から20年はかけているからです。

3つ目は、安心につながる社会保障です。過去20年間のデフレの間にそれまで凡そ900兆円だった個人金融資産が今では1700兆円に達しています。景気が低迷して成長が見えにくいなか800兆円もの個人資産が積み増されているのです。

個人資産が積み増されるということは、1つは毎月必要なお金を使っても余裕があるということ。もう一つは個人が既に政府を信用していないのでお金をせっせと蓄えていることです。

これは社会保障に不安を持っているというよりは安心してお金を使えないとも取ることができます。

そもそも今の超低金利時代にお金を借りてバンと使う個人があまりにも少ないです。金利が固定で1.数%で35年間フラットという金融商品があっても、誰も動きません。バブル当時の金利は7%でも30年のローンを組んでみんなお金を借りて家を建てていました。

考えると、銀行に預けても金利は0.1%以下の世界。そのような中にもせっせとお金を貯める日本の国民性を考えれば、1つはお金を使う欲や動機そのものが極めて薄くなっている。そして政府が言っている金利に対して全く反応を示さない。という国民性になってしまったのです。

となればお金をばら撒けば当然ながらそれは貯蓄にまわり経済を賑やかにする消費に回らないというのは見えています。こんな心理状態ではバラマキ政策は意味がないと思います。

じゃ、何をすると良いのか。個人金融資産の1%でも皆がぱっと使えば、年間に17兆円の消費が発生します。余っているお金を貯めないで使う。無駄な消費をどんどんするムードを作っていく。これが政府がまずもって先に行うべき仕事だと思います。



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