ウブロ

2014年1月17日 金曜日

早嶋です。


ウブロ会長、ジャン・クロード・ビバーの話を聞く機会がありました。冒頭に彼は健康と愛という言葉をしきりに発していたのが印象的でした。今回のメインディッシュはいかにウブロのブランドを確立していったか?です。そして、結論は、一番になること、ユニークであること、他と違うこと、と話されていました。

定年の話から始まりました。現在、退職年齢は65歳ですが、寿命がこれだけ伸びているのに適切なのでしょうか?という問題提起を。70歳の平均寿命であれば65歳で退職しても5年で他界するから問題ないが、それが90歳に近づいている今、退職してからの時間が25年もあるのは都合が悪いと言っています。そこで退職時期を80歳に引き上げても良いと思う、と。昔と違い医療が進歩しました。また年齢の増加にともなって体力の減少はあっても、頭脳の低下はそれほどでもありません。体力の衰えと頭脳の衰えは異なるのです。これは感覚的に納得できます。

この話は、シェアするという点の前置きでした。定年時期が早ければ、企業が投資した人材を流出することになります。定年で会社を退職する人と、これから力を発揮して仕事をする人では抱えているもの、余裕がことなります。20代、30代に対して先輩がノウハウを教えるのは、自分の競争相手を強化することにもつながる。ひとによってはそう感じるかもしれまえん。しかし、教育やノウハウを提供するひとが60代であれば、その方は企業の中でのライバルという意識は薄れていく。従って、互いが真にコミュニケーションを取りやすくなる。と。ウブロの成功に、社員間で情報やナレッジをシェアしていくことがあったと度々繰り返していました。

ビーバー氏は2004年9月にウブロに参画。当時のウブロはブランドとしてあったものの認知や影響という意味では存在していなかったものと語っていました。当時、オメガの成功チーム共にウブロのブランド再生に力を入れました。競合するスイスブランドは既に数百年の歴史がある。そのようなアドバンテージのなか、どうやって1位になり、ユニークになり、他との違いをつけるか。プロジェクトチームが3ヶ月間議論を繰り返します。そして出てきたコンセプトが過去と未来の融合。これがウブロの現在のコアとなりました。例えば、400年前の伝統と400年後の未来を結びつけることができたら?

このフージョンを起こすこと、それがビックバン。展開している時計のコンセプトが誕生したのです。興味深いのははじめに強烈なコンセプトを徹底的に詰めていることです。ウブロが存在する1番になれる、他と違う、そしてユニークなコンセプトを。それからウブロのミッションが明確になりました。機能美の統計を作ることでも、正確な時計を作ることでもなく、400年前の時計と400年後の時計を感じる時計を作ることだと。もちろん、そのようなコンセオプトの時計は他にはありません。

コンセプトチームがとりかかった取り組みは金です。金は1000年も2000年も前から貴重なものとされてきました。そして時の流れとともに同じ形をとどめています。しかし、金の素材の特徴からどうしても傷がつきやすい。時間の経過とともにその傷が目立ち始めます。フージョンのコンセプトに基いて考えた素材が傷が付かない18金です。1000年たっても、2000年たっても傷が付かない18金。この開発には2名の教授の力を借りていますが、そのコンセプトを共有しながら進めたからこそ、新しい素材の開発に結びついたとウブロのチームは考えています。

この専属チームは、新しい素材を生み出しただけではなく、今ではウブロの強みとなっています。近年はフェラーリのチームの依頼で傷がつかないアルミニウムの開発も遂げています。強烈なコンセプトがウブロを作り続けているのです。



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