ハード系ベンチャー企業

2013年10月16日 水曜日

早嶋です。

昔は、限られた組織が多くの情報を握り資本を費やしR&Dを繰り返すことで富を分配していました。現在は、複数の個人や組織が情報を自由に交換しながら、様々な有用なアイデアを共有しイノベーションを起こします。そしてその行動する動機もマネタイズすることから、行動そのもの、参加することそのものにシフトしています。従って、大きな組織のR&Dよりも、自由なつながりの中のネットワークが自発的に楽しみながらイノベーションを繰り広げるのでそのスピードと質が突出していきます。

アイデアや考えや情報を自由に表現し自由に交換し共有する。

この変化は、ビットの世界の専売特許のようなもの、そう思っていましたが、ここ5年くらいで大きく概念が異なってきています。アトムの世界であってもロングテールの発想がじわじわと導入されつつあります。

昔は、アイデアを形にするための試作の段階で大きな資本を要していました。従って、数少ない人脈を駆使しても、試作に至る過程すらハードルが高かったと思います。多くの方は、そのアイデアを形にすることなく、頭の中の空想で楽しんでいたことでしょう。一部の人は、そのアイデアをいつか実現することを楽しみにしつつ、特許を書いて、蓄積していったかもしれません。まれに、そのアイデアが大手と出会うことになり、採用してもらったかもしれません。でも、その確率は実にわずか。

導入されると、多くの企業が、そのアイデアをベースに、独占的にマネタイズしたいために自由な発想を取り入れることなく商品化が進みます。結果、世の中のニーズを取り入れる重要性を理解しながらも実現できないジレンマを感じます。少しの修正をするためにも膨大な調整や努力が必要になる。時には、自社の売上を自ら損ねることになる。ということで、頭でわかっていても改善を先送りにするパターンが多く観察されました。

現在、試作という段階から商品化という段階まで小ロットで誰でもできるようになりました。机上でパソコンやネットに繋げてアイデアを形にしていきます。そのアイデアを設計するCADの言語自体が標準化されます。従って、瞬時に世界のどの工場であってもメールで送ることが可能になり、自由に交渉して試作を依頼することができます。また、小さな部品であれば、そのまま机上の3Dプリンタにつないで形を作ることもできます。仮に、その部品がOKであれば、その部品の図面を別の部品メーカーに送る、或いは小ロットで作ってもらった部品を他の完成品メーカーに送り、商品を完成させることだって可能です。

理屈の世界では、メーカーになるための初期投資は、ネット環境とCADツールを操作できるPCだけで良いのです。昔のように大きな資本がなくても、完全なるファブレスでメーカーになることが可能になったのです。ソフトウェアのやWebのベンチャーが続々と生まれている中、ハードのベンチャーも徐々に盛り上がっている背景、それが今まさに起こりつつあるのです。



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