人口と経済

2012年10月2日 火曜日

早嶋です。

ドラッカーは、その多くの論文で人口動態から未来のストーリーをつむぎ出すことを言っています。唯一、未来を読める先行指標なのです。人口ミラミッドをみれば将来、その国の経済がどうなるのか?ある程度、予測ができると思います。

例えば、出生率の低下は、人口を構成する年齢層のバランスを変化させます。一方で急激な人口の増加もしかりです。

欧州と米国では、1946年から1964年にかけてベビーブーム世代が形成されます。この世代が幼少期の頃、国家は教育や様々に子供が必要とする資源を提供するために巨額の投資を行いました。歴史を見ると、この時期を迎える家庭は子供が沢山いる一方で、祖父母の数が少ないです。これはまだまだ平均寿命が短い時に生まれているからです。更に、女性は家に留まって家族の面倒を見る場合が多かった時代です。

同じような観察は、1970年代のアジア、現在のアフリカでも観察できます。ベビーブーム世代が成長して労働人口の仲間入りを果たすと、国家は約40年に渡り反映しています。この40年間に、少子高齢化がスタートして、家族の構成人数が減少します。一方で所得が増加していき、大きな中産階級が誕生します。それから平均寿命が急速に伸びていき、社会に大きな変化が現れます。離婚の増加、晩婚化、独居形態の増加等々です。

そして、この世代の方々が老齢期を迎えると今度は一気に経済が悪化していきます。大きな老齢人口を比較的に小さな後継世代が支えなければならなくなります。国が不安定になり高齢者の不安が増大します。まさに今の欧州や米国、そして日本がこの時期に該当します。そしてこの状況は2030年ころよりアジアでも経験することになるでしょう。

ドラッカーの言葉とおり、経済の行方は人口形態の動向に左右されていくのです。



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