製造業の転換期

2012年1月3日 火曜日

製造業の方針が大きく分かれています。生産拠点を成長市場に進出するか、或は国内で競争力を更に追求するか。

生産拠点を海外に向ける場合、例えば、自動車業界では、主な投資先はブラジル、中国、メキシコ、インドなど国の成長が著しい地域。この傾向を後押しするのは円高。裾野が広い自動車業界では、完成車メーカーの生産拠点シフトと同時に部品や素材メーカーの現地化が加速します。日産自動車などと取引が多いユニプレスや鬼怒川ゴムなどの部品メーカーも海外工場の投資に積極的です。

韓国や台湾、中国などのアジアの振興メーカーとの競争が激化す電機メーカーでも海外展開に拍車がかかります。パナソニックは薄型テレビ事業の立て直しのために、国内5カ所あったテレビパネル工場を2カ所に集約する方針です。一部を太陽パネルの工場に変更する計画を廃し、マレーシアにテレビの新工場を建てる計画です。東芝も去年の6月にエジプトでの液晶テレビの合弁生産を開始しています。方針でも東芝は今後の新工場の建設を新興国で計画するようです。

自動車メーカーのように国内電機メーカーがデジタル家電の生産計画を見直せば、付随する素材メーカーや部品メーカーも海外勢との連携を強化する必要があります。スマートフォンの部品を供給する住友科学も韓国に工場を建設し、サムスングループに部品供給を強化する方針です。

海外に生産を置く日本企業の傾向としては、研究開発拠点は日本に置いたまま、生産拠点を海外にシフトする企業が多いですね。

一方で国内の生産力を強化する企業もあります。HPは日本で販売するノートパソコンの生産を中国から日本にシフトしています。中国での生産は人件費が安いためコストが安くなるメリットがありました。HPの意思決定の背景は、消費地での生産を行いながら生産効率を高めることで納期を更に短くでき販売台数を更に伸ばすことができると判断したのです。

同様の動きを富士通も行っています。ノートパソコンの増産を現在の島根の工場で決定しました。2013年を目処の現在の3倍の規模にするそうです。円高を活用し、海外から部品を安く調達。開発機能がある日本で組み立てた方が、中国で生産するよりも品質を上げ短納期にでき、結果的に勝てるという意思決定をしているのです。

さて、製造業では、生産拠点を海外か国内かという意思決定を行っていますが、サプライチェーン全体の設計からバリューチェーンまでを含めた設計を今後どのようにしていくのでしょうか?世界の人口の70%を占めるBOPに本格的に市場ターゲットを向けた場合、国内で研究開発した途端、コスト高になるという考えもあります。海外の企業を見ると、生産拠点のみの海外シフトに加えて、マーケティング機能、研究開発機能、人事機能と会社そのものを消費地に向けていくという考えもあります。

今年も製造業の海外との関わりも大きな転換期になりそうです。



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