誤った戦略立案

2011年8月29日 月曜日

早嶋です。

戦略の本質は違いを作ること。そのための方法論は様々にあります。しかし、多くの場合誤った場合があります。例えば、アクションリストの羅列。戦略的な価格設定を◯◯円にする、コストを◯◯円削減する、商品のスペックを◯◯まで実行する、等々です。悪くはありません。しかし、これらをどのようにつなげるのか?どのように実行していくのか?そのシナリオが無いと実行に結びつきにくいのです。個々の要素がどのように絡んで実現できるのか?イメージが描けるように示すことが大切です。

例えば、テンプレートとしての戦略論。つまりフレームワークありきで、マス目を埋めていく戦略立案です。SWOT分析やVC分析などを行うのは良いですが、それらがバラバラになっており、やはりどのようにつながり、絡んでいるのかのイメージができない。子供は塗り絵を与えると楽しそうに色を置いていきます。いつでもどこでも気軽に出来ます。しかもやっている感がたっぷりです。でも戦略は塗り絵ではありません。考えないで、ただただひらすらに、フレームワークに沿って戦略ができるという甘い考えは捨てた方が良いでしょう。フレームワークはあくまで考え方や視点のベースです。テンプレートであって完成ではありません。

例えば、ベストプラクティスの模倣。この業界は◯◯を行うと成功する!ということを丸っとスルッとコピーする。前回、経営はカンニングOK!というタイトルでコメントしましたが、やはり経営者のビジョンや置かれている環境、業界の状況や組織によって全く違います。従って、ベストプラクティスをただ単に模倣して戦略ができるわけが無いのです。

例えば、ビジネスモデル。一見、これも戦略のように見えあすが、基本は取引のやり取りや情報の流れをまとめたモノです。どのような仕組みで利益を上げるかは分かりますが、イコール戦略ではありません。このビジネスモデルをどのように実現するのか?というストーリーも大切です。

大きな企業になると戦略を立案するスタッフが専属でいます。しかし、前回もコメントしたように個々の分析がメインで綜合する作業を怠っています。つまり個々のパーツを一生懸命に作っているけれども、プラモデルを組み立てる役割の人が不足しています。分業は上手くいっているかもしれませんが、断片的になりがちです。コンサルに丸投げでストーリーが全く無い場合もあるかも知れません。昨今は様々な情報が瞬時に入るので、前述したよにベストプラクティスの模倣に終わっているかも知れません。もっとひどいところは数字の羅列で終了!というところも少なくありません。

戦略は実行して意味があります。実行しなければ意味がありません。戦略に関わる人の全てが何をするのか?イメージがつくことが大切です。全体像を共有した上で、自分の役割を遂行することが大切です。そのためには、個々を綜合する作業は極めて大切なのです。

それから戦略は実行しないと検証できない事もあります。従って、こうなるだろう!というよりは、こうしよう!という意思が大切になる場合もあります。ある意味、皆が信じて行動できているか?ということが大切になるかも知れません。どちらかといえば右の脳みその役割になるかも知れませんが、皆が信じて行動する。そのためには全体のつながりを皆が意識して納得できていることが大切です。そういう意味で戦略は未来に向けた意思とも言えるでしょう。

さぁ!皆さんも戦略を立てて、それを綜合してみましょう。きっとワクワクするコトでしょう。人は将来を考えると脳みそが活性化するそうです。思わず人に話したくなる様な戦略を構築して実行しましょう!



コメント / トラックバック2件

  1. ぐるぐる より:

    本当にそうですよね。分析と総合。
    分析は、まあ、ルーティンの側面があるし、前例があるし、ハマると面白いし、だけど、担当者の責任感は軽い。
    対して、総合はクリエイティブだし、前例と違う方針が出てくることがありうるし、それだけに責任が重い。尻込みしたくなる気持ち、分かります。調整型でなく、牽引型のリーダーにも、同様のことが言えますね。
    それでも、失敗を恐れず「やる」、ですね。

  2. biznavi より:

    いつもコメント、ありがとうごあいます。

    ですね。

    失敗を恐れずにやるというよりも、実は信念のもとに成功すると信じて行っている。それが外から見ると失敗を恐れずに、と見えるのかも知れないですね。

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