マクドナルドのIT化と落とし穴

2011年8月11日 木曜日

早嶋です。

Web3.0によって企業と個人、顧客が直接的に結び付きやすくなりました。マクドナルドが進めているリテンションサービスの一つに、購買履歴に応じて個別に値引きをする携帯電話クーポンです。計画では5年程度で普及させるようです。

『今だけ!アイコンチキン○○セットが半額!』などのメールがマクドナルドに良く通う会社員に送られてきます。こちらのサービスは既に都内で実験が開始されています。これまでのように一律に全員に一定の割引率を示すよりも、顧客の頻度や傾向に応じてクーポン配信や情報配信ができるので、反応も高くなり、少ない原資で高い効果を生むのが特徴でしょう。

こちらの携帯電話クーポン、集客の目的に加えて、レジの待ち行列を削減する効果もあるでしょう。例えば、昼時は込み合うレジ。そこに、携帯クーポンで注文をする顧客がいれば、メニューを考える時間や注文の時間等を短縮できます。ピーク時の売上を更に高くする効果もあるのです。

こちらのシステム。落とし穴は何か?システム的な発想は間違いなく素晴らしいと思います。しかしマクドナルドは急速なFC化を進めています。07年に30%であったFC比率を来期中に70%まで高める方針だったと思います。となれば、このようなシステムの投資はFCと共有で進める必要があります。クーポンを個別に配信して割り引く発想は、FCのオーナーからすると減収をイメージする可能性もあります。

これまでは直営でキビキビ動かしていたでしょうが、本部とFCの連携がこれまで以上に高まり、かつFCの理解を得なければならない、という課題に直面すると思います。しかし、そこは杞憂か、米国マクドナルドの最高経営責任者を目指す原田さんは、その先を考えているに違いません。



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