脳みその進化

2011年8月8日 月曜日

早嶋です。

マーケティングは脳みその研究に領域を拡大しています。人間の脳みその発達からすると、脳科学の領域はマダマダ始まったばかりでしょう。しかし、確実に世の中に変化を与える領域になることは間違い無いと思います。

人間は脳みそを発達させることによって、現在の食物連鎖の頂点に立つことができました。発達する前の人類の人生は短く危険にさらされたものだったでしょう。他の動物と比較して足は遅く、非力な人間は生き延びるために指先を器用に動かすことを身につけました。両手を使うことで、性能が高い武器や道具を使い、狩りをしたり、他の動物から身を守る事を成し遂げます。

同時に人間は喉の構造を変化させ気管が喉の下にさがり聞き取りやすい声を出せるようになったと言われます。そう、コミュニケーション能力が急速に高くなります。人間は、社会性を保ち、強力関係を持つようになるにつれて、言語によるコミュニケーションを必要としたのでしょう。

初期の時期、人間にとって大切な能力は、敵と味方を見分けることだったとある学者さんが書いている本を読んだことがあります。相手の行動や表情を元に予見する能力です。こうして人は集団で行動し、互いに強力し、徐々に脳を肥大化させていきました。

ただし、脳の肥大化は人に取ってトレードオフの関係でした。肥大化する脳を格納するための頭蓋骨の容量が大きくなります。この進化に対応した女性の体は、出産がしやすいように骨盤が広がりました。これは本来の走るという人間の機能からすると逆行です。また肥大化した脳は、従来の脳みそと比較してより多くの酸素とグルコースと血液を必要としました。燃費が悪くなったのです。最近の脳科学の定説では、脳みそは体全体の3%の重量しか無いのに、実に20%のエネルギーを消費していると言われます。

そこで脳みその肥大化は2つのイノベーションを実現しました。一つは、脳を更に大きくする代わりに、脳にシワをつけました。折りたたんでシワをつくることで表面積を広げ脳の大きさを一定に保つことに成功したのです。そして、2つめは、赤ちゃんが母親の骨盤を通過できるように、まだまだ頭が小さい内に産まれるようになったのです。これは、他の生物と比較して赤ちゃんが無力なまま産まれてくる事を意味します。

これらの進化によって、子供が生まれると母親が一定期間そばを離れずに面倒をみることが必要になります。その間、父親は母親に食べ物と住まいを提供しないといけなくなりました。そのために、集団で協力しあい、高度な社会構造を必要とするようになったのです。このことが更に脳みそを進化させ、高度な社会構造に耐える思考力や、互いを理解するための共感する力などが芽生えてきたのです。

いやー、少し考えるだけでも脳みそってワクワクしますね!



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