生保とM&A

2011年5月20日 金曜日

中小企業経営者にとって、保険の加入は、万が一の時の備えに加えて、様々なメリットもあります。これはM&Aを考える時にもしかりです。

例えば、将来の出口戦略のひとつとしてM&Aを考えている場合、
1)保険による節税と資金の確保、2)M&A時に手取り金額を増額させる、などが考えられます。

企業の評価をする場合、節税対策を行うための利益の減少部分は、実質の利益に換算して考えるため、保険加入による利益の減少部分は実際の評価とは関係ありません。また、保険を活用することで、M&A持に役員退職金を支給することで、実質のキャピタルゲインよりも手取りを増やすメリットも考えられます。退職金の支給原資を確保するための保険利用もあるということです。

退職金の支給は、会社に現金がなければできませんが、その原資を保険で積み立てるというスキームです。退職金に関しては買い手が資金注入すれば良いように思いますが、これは売り手の利益にしかならないため、会社に資金がないときに、わざわざ買い手が貸付や増資してまでも退職金スキームは使いたくないでしょう。また、保険によって退職金、相続資金を確保できる企業であっても、ビジネス上の後継者がいるとは限りません。
M&Aと生保は片方だけでは解決できない課題を抱えており、カニバリズムを起こすことなく、非常に良い組み合わせと考えられます。



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