天ぷら屋さんのプライシング戦略

2011年2月4日 金曜日

久々に、オフィスワーク。インフルエンザのワクチンを遅れながらも接種しました。

しばらく通っていなかった天ぷら屋さんに行きました。値下げしているではないですか?

以前は、お昼のメニューは、1種類の690円。これが、590円に!世の中のおとーさんの財布はここまで寂しくなったのか?と考えながら、注文をすると・・・、おや?

これまでの定食の内容:690円
イカ、キス、トリ、野菜3種類、ご飯、味噌汁、お漬物

今回の定食の内容:590円
イカ、キス、トリ、野菜2種類、ご飯、お漬物

野菜が1種類減り、味噌汁が減っていました。しかし、メニュー表には昼のみ味噌汁50円。そして、野菜の追加が50円~100円、他の天ぷらは100円~200円で一品の追加は昔から変わっていませんでした。そして、メンヒュー表を良く見ると、昔の定食と同じ内容の定食が700円になっていました。

なるほど!

世の中のおとーさんの財布に合わせてただ単に値下げをしているのではありません。野菜と味噌汁を減らすことで、590円からでも食べられる環境を提供していたのです。

このプライシングのセンス、さすがだなーと思いました。

実質は値上げなのですが、品数を減らすことで上手く値下げのように見せて、懐の温かさに応じて、味噌汁のトッピングを頂くのです。そして、あまり気にしないお客さんは、従来の定食を10円高い700円で注文を頂いていました。

おそらく、この価格の違いを考えながら天ぷらを食べているお客さんは皆無でしょう。そして多くのお客さんは値下げしたんだ!と思っていることでしょう。

絶妙なプライシングに大満足して、天ぷらのネタを3品も追加したので、2倍近い客単価を支払っていました。いやー、あっぱれです。


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コメント / トラックバック1件

  1. ぐるぐる より:

    以前、中島らもの本で、こんな話を読みました。
    天ぷらそば 500円(a)、かけそば 250円(b)、単品の天ぷら 200円(c)。b+cで、aが食べられるのに、最初からaを頼むと、50円も高く払うことになる。なぜ、こんな値付けをするのかをめぐり、延々、ああでもない、こうでもないとバカな議論をするのです。世の中、面白いですね。

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