ホルムズ海峡と原油価格

2006年9月11日 月曜日

早嶋です。



日本の石油は、ご存知の通り、消費の99.7%を輸入に頼っています。輸入相手国は、上位よりアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イラン、カタール、クウェートと中東地域が全体の87%を占めています。



最近の石油価格の上昇は、中東情勢が穏やかでないことに原因があります。さらに言うと、世界が最も恐れている、イランによる原油輸出停止につながる報復処置が懸念材料です。手元に世界地図があったら、イランの場所を調べてみてください。ペルシャ湾の出口にホルムズ海峡があります。



世界が最も恐れている報復処置というのは、イランにおけるこのホルムズ海峡の封鎖です。ホルムズ海峡は、ペルシャ湾の出口にある、イランとオマーンやUAEに挟まれた比較的に狭い海峡です。



現在、世界の20%の石油供給がホルムズ海峡を通過して世界に運ばれています。もし、イランがホルムズ海峡を封鎖(海底に機雷を沈めてタンカーが通れないようにする)した場合、どうなるか?専門家によれば、海峡を封鎖は1週間程度で行えるのに対して、その機雷を取り除くのには3ヶ月の日数を要します。



この場合、アメリカのGDPは4~5%の減少を受けると見ており、そのときの原油価格は1バレル当たり150ドルを超えるとも言われています。もちろん、日本にとっても大打撃です。日本の場合、ホルムズ海峡を超えて運ばれる石油は実に90%。封鎖された瞬間から3ヶ月間、石油の供給がストップすることになります。日本の備蓄日数が180日なので備蓄の半分が無くなる計算です。かなり深刻です。



イランは79年のイラン革命やその後のイラン・イラク戦争でイラクの石油輸出を止めるために実際にホルムズ海峡に機雷を仕掛け封鎖を行っています。当時は、原油価格が一気に3倍に跳ね上がる結果になりました。



イラクのホルムズ海峡は、地理的な要因からアメリカも手出しができません。つまり、イランの緊張が高まっている限り、石油価格は不安定なままとなるのです。



—ただ今、ブログマーケティング実験中。—



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