さかさまに出来るビジネスモデル その2

2010年9月3日 金曜日

他に、さかさまに出来るビジネスモデルをざっくばらんに考えてみる。既にあるもの、無いもの。

カットモデル。美容師の卵、経験を積む代わりにカット代金を無料にする。ずいぶん昔から行っている。

資格を取ると無料。例えば、資格試験の教材や講座を販売している企業は、このようなうたい文句を言う。資格によって、合格率が推測できるので、過去の統計を見ながら行えば損をする事はない。資格を取ることが顧客の最大の満足度につながるため、その教材や講座を行った顧客が資格を取っていると他の顧客を呼び込むことが出来る。企業としては宣伝効果を期待する。

これらは予備校にも取り入れられる。東大、京大などに合格する可能性の高い学生は予備校の授業料を無料もしくは格安にして予備に来てもらう。そして実際に合格してもらえれば、東大合格○○名!と次年度の実績として残り、これもまた集客のアピールになる。

例えば、ダイエットを提供している会社にも応用できるかも。○kg痩せたら無料や或いはダイエットした体重分を現金でキャッシュバックするなど。これも統計によってペイするラインを求められるだろう。

昔のここ一番は1.3kgのカレーを30分以内に完食したら無料と言うのがあった。これもプロモーションの1つで実際に食べてくれればいい宣伝になるし、食べ残した場合お金が入ってくる。都合のよいプロモーションだったと思う。ちなみに学生の時は挑戦して完食した。

紹介に対してクーポンを払う。床屋、美容室、エステ、スポーツクラブなど多くの業種でみられる。既存顧客が新規を紹介した時にその報酬としてキャッシュバックやクーポンを配布する。

外来種を駆逐するため国や都道府県市町村が釣った魚や対象の生物を買い取る。例えばブラックバスなどを10匹○○円で買い取るなどを行う事もできる。ある県では職員が工数をかけて釣りをして捕獲しているという。その人件費よりも安い価格設定を行えば良い。釣りが好きな人が協力してくれるだろう。

東京マラソンなど、素人向けのスポンサー。例えば、2時間30分を切れば、ウェアの代金をキャッシュバックするなど、特に視聴率や注目が高いシティーマラソンにメーカーが素人向けにプロモーションを行う。チャレンジングで挑戦する素人ランナーは多いだろう。

ディズニーランドのファストパスを他の業界に応用して考える。例えば行列のできる飲食屋さんに食べたいけど、並びたくない人に、ファストパスを通常より高い客単価で販売する。JRではグリーン車はこの発想と同じだ。東京マラソンにもプレミア枠を作って、どうしても走りたい人に通常の参加費の5倍~10倍の枠を作るなども考えられる。或いは、東京マラソンのスポンサー企業が持っている枠を、そのスポンサー企業が販売している商品に抽選でプレゼントするなどの企画も、どうしても出たい!人と結びつきが強ければありだと思う。

iPodなど、新商品が出ればだれもが欲しい商品は、新商品開発のモニターを無料から有料にすることだって考えられる。誰よりも早く新しいテクノロジーに触れたいギークにとってはお金を出しても体験したいだろう。

モンドセレクトやグッドデザイン賞は良く出来ている。受賞したらお金を払わなければ、その権利を行使できないモデルだ。顧客からするとモンドセレクトやグッドデザイン賞のロゴが付いていたら何となく良いと感じて購入につながるかもしれない。その効果を考えれば企業はお金を払いたくなるのだ。

都内では農業体験を購入する顧客が目立つ。学生の頃は田植えと稲刈りのバイトを自給1,000円で4年間行った。今は逆でお金を払って、わざわざ稲刈りや田植えを行っている。人は自分がなかなかできない体験にはお金を出しても行いたいと思うのだ。

企業が行っているインターンもこれに相当する。一部の企業はお金を出しているが、今の時期はとにかく就業体験を積みたい優秀な学生が多いだろう。この層には体験ができるために無償或いは安価な形で労働力や知力を提供してもらうこともできる。

レッドブルが行っている。車の上にレッドブルのディスプレイを付けた車を無償で提供してある期間、その車を自由に使ってもらう。車の代金や維持費を企業が提供するかわりに顧客は宣伝を行うモデルだ。米国では広告を付けたレンタカーが格安で借りれるなど同様のモデルが複数ある。

1)通常は労働や仕事だと考えられることを体験として売る発想、2)宣伝の変わりに無償で提供する発想、3)プレミアムを提供することでお金を頂く発想、多くのモデルが上記のいずれかに分類される。

さかさに出来るビジネスモデル。自社の企業でアイデアを出して上手く活用する事を考えてみてはいかがだろうか。



早嶋聡史





コメントをどうぞ

CAPTCHA