AKB流マーケティングは失敗?

2010年7月21日 水曜日

マーケティングの考え方は数打てば当たらない!、です。そのため環境分析の結果から市場をセグメントに分け、どのセグメントを狙うのか?ターゲットを明らかにします。その後、そのターゲットの中での自社商品の位置づけを明確にするためにポジショニングを施したのち、マーケティング・ミックスの選定を行います。

一方で、数打てば当たる的な、いわばAKB48のような作戦で展開している商品があります。低アルコール飲料(RTD)です。

例えばキリンの氷結は豊富な味のラインナップでターゲット世代であった若者を取り込みRTD市場を開拓した商品です。商品ラインナップを増やしながら消費者の支持に従ってコア商品を入れ替えていく。その手法はあたかもAKB48のようなのでAKB流とも称されます。

しかし、AKB流、やはり資本があっても苦しい戦略のようです。キリン氷結の商品数は現在で13種類。しかしその9品はカンキツ系が占めています。この状況はAKB方式を断念しているようにも見えます。

氷結は2001年7月にビール以外のアルコール飲料を強化する総合酒種類化戦略の第一弾でした。当時は20代から30代にかけてチューハイがブームになっており、この波に乗って、居酒屋から家庭需要を取り込もうということでレモンとグレープの2種類で氷結ブランドを立ち上げました。

その後は、市場の状況や居酒屋での売れ筋を参考に、次々と新しいフレーバーを販売していきます。しかし、ライバル企業も新たなフレーバーを矢継ぎ早に投入するなどしたため、消費者が反応を示しだします。企業は少し味を変えては新発売といして販売した結果、自らのブランドイメージを水に薄める行為を行ったのです。

そこでキリンは2008年頃から氷結をレモンを柱に備えるビックレモンプロジェクトを開始させます。他のフレーバーを廃止して、レモンやグレープフルーツにフレーバーを絞り込んだのです。

数打てば当たる、これは短期的にみれば良いですが、長期的に見たらやはり良い戦略とは言えないのでしょうね。


早嶋聡史



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