マーケティングの今と昔

2010年2月7日 日曜日

世の中が成熟していくと、モノの価値が一様になる気分になります。正確に言えば、競合する商品の違いが良く分からなくなります。この場合、その違いは機能的な側面です。

例えば、テレビ。様々なメーカーがいくつかの方式で新商品を販売していますが、実際、ヤマダ電機などの売り場に行くと違いが分からなくて、インチの大きさが一緒だと、価格でその差を感じる事でしょう。もし、機能に違いを見出せなければ最も価格が安いテレビを選択する事でしょう。

例えば、洗濯機。最近流行りのドラム式洗濯機であっても、様々な仕様の商品が出ていますが、やはり売り場に行くとその違いが良く分からない。その場合、やはり価格で決定するでしょう。

これって、殆どの商品がコモディティー化していることになります。しかし、一方では同じ商品でも何か良いよね!と違いを出して売れている商品があります。しかも価格が安いのではなく、むしろ高くても売れる商品です。一体何が違うのでしょうか?

ひとつの仮説に機能的な側面の他に感性的な側面があるのかもしれません。何で、その商品がいいのですか?何かいいんだよね。こんな会話のやり取りは、感性的な訴求にひかれている証拠です。つまり、人間の脳に直接響いているのです。その結果、スペシャリティーな商品になっています。

今後の世の中、コモディティー化はますます盛んになり、価格競争に耐えられない企業は利益が圧迫されて生き残れないでしょう。一方で、スペシャリティーな商品を提供している企業は、今後も高い利益率を得ながら生き残る確率は高いままを維持する事が出来るでしょう。

こんなマーケティングが今後は主流になるでしょう。

早嶋聡史




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