中国市場とインターネットプロモーション手法、そしてこれから

2010年2月5日 金曜日

早嶋です。

中国の検索大手、百度(バイドゥー)の中日駐在代表の陳氏のお話を聴く機会がありました。以下、その時のメモです。

【タイトル】中国市場とインターネットプロモーション手法、そしてこれから
【日時】2010年2月5日 19時30分~21時15分
【場所】アタッカーズ・ビジネススクール 100名
【インタビュー】
■少年時代~ビジネス
公務員の家庭に育つ。兄弟2人姉1人。アモイ。130万人都市。アモイ理工大学日本語学科。卒業後旅行会社へ。日本の現場を知る目的で日本に留学。百度との出会いは4年前、北京駐在中に応募。100人の応募で1人だけ。沖縄国際大学商学部経済学部、神戸大学経済学修士、中国との関係があるNTT日本法人営業部3年間、2000年に株式会社インデックス中国駐在首席代表、当時台湾戦略を打ち出していた。DAC(博報堂とADKの出資会社)北京現地法人COO、副社長。百度中国公司駐日主席代表。

ベンチャー、大企業、経営、ネット経験、40歳以下、日本と中国の両方を知っている。立ち上げが得意、過去に6社の立ち上げ。現在、観光庁の観光大使。

北京、上海、シンセンは、会社を作っても天塩に育てた社員がすぐにヘッドハントされる。アモイは会社が無い上、市が土地、建物を提供してくれる。ヘッドハントも少ない。日本と中国のWebマーケティング及び経営を得意とする。専門は日本語。

【講演】
■会社概要
エンジニアが唄い、受付が踊る、北京大学の体育館を借りて7500人で毎年パーティー。2時間30分。2時から開始。事業計画、社長スピーチ、等々後にパーティー。オンとオフの両方が出来なければ採用しない。平均年齢28歳。遊びながら仕事。仕事オンリーの人は世の中の感覚が分からない。プロで遊びが出来なければならない。毎年社長から社員を表彰。社長41歳。一体感を大切にしている会社。毎年、会社全員参加の文化祭で部署ごとに出し物を披露。優秀な芸には表彰。社長も自分からダンスを練習してタンゴを踊る会社。元気な会社。だからGoogleを駆逐した。

■ビジョン
2020年に二兆円、現在600億円。

■中国ビズの落とし穴
中国高官との人脈、パートナー選定の失敗
昔と違い、任期、情報化の流れで意味が薄れてくる。中国VIP接待と宴会作戦も同様。
日本のビジネスプランをそのまま中国に持ち込む
大問題。中国は激戦地、世界の企業、現地の企業が競争。コアのビジネスを持たないと勝負出来ない。

アドバイス
日本にいながら中国人へ商売をする発想
年間、100万人に来ている中国人に対して商売する。中国サイトを作って日本で商売をする。ネットのおかげでメールとサイトで商売が出来る。四億の人口に対してビジネスが可能。広告は百度で出す。行く前にWebでテストマーケティングして、現地に展開する。
既に成功を収めた企業、人物と組むことで成功の確率を上げる。
だまされた方が悪い、と言うのが中国。実績が無い人と組むのは難しい。ポイントは成功者、企業と組む。

■中国市場
近代化。2008年オリンピックを期に経済のパワーを獲得。マクロではGDPの成長。日本、インド、アメリカ、中国を比較して歴然。新車1300万円、贅沢品の消費年間4500億。ビザ、3カ月に4500件。銀座に観光バスで観光。

オバマ政権の中に重要ポスト2名が中国系。中国戦略に如何に力を入れているかが分かる。海外に行くと持ちだし金額が限れているがデビットカードを使って、無限に消費する。

GSP世界で2番目。米国交際保有額は1番目。中国企業のグローバル化。M&Aで中国の企業が日本、海外の企業を買収。ラオックスは全て免税店になり対象を中国からの観光客向けに。楽器ビジネスも。楽器を1階で売り、屋上にライブハウス。その映像を外の壁、ネットで放映。

味千ラーメン。日本のビジネスを中国でやってみた。中国で一番有名なラーメン。2007年香港で上場。やる気と専攻者のメリット。中国火鍋は、上海で流行っている店を日本に持ってきた。味千ラーメンの反対。

戦後50年の企業ばかりで新しい企業は日本にない。ヤフーやソフトバンクだけ。改革しないと難しい。

■中国のネット文化
2002年 5000万
2009年 三億 普及は30%程度 沿岸地域 若い人が多いが、30代、40代に伸びている。

■検索文化
中国では買い物する前に67%が検索している。アパレル、書籍、化粧品、日用雑貨などがWebで売れる。百度が首位。中国語は自然語を入れた検索で行う。キーワードで検索しない!中国のユーザーはわがまま、自分が入れたモノが出てこない場合は、コレはだめだ!と考えられチェンジされる。日本と違う。この発想は中国のみ。

中国の検索の仕方。I、われ、私、ぼく程度、中国は38パターンある!これを理解しなければ作れない!徹底的なユーザー思考。

■百度
百度は世界で3位、Google1位、Yahoo2位。中国では圧倒的。2005年にNASDAQにIPO。グローバル企業。時価総額で1.3兆円。楽天9500億。Yhaooで1.9兆。社外取で出井さん、ソニー。ブランド価値で3位の会社。世界で20位のブランド価値。

1日十億ページビュー。現在53個のプロダクト。コミュニティーを沢山つくることでスイッチを防ぐ。中国の人が誰でもいつでも欲しい情報を提供する!これがミッション。目が見えない人にも検索サービスを提供している。音声サービス。2年前から。

年寄り向けの検索もある。字が大きい、手書きOK、なども提供。百度は中国の社会の一部になっている。本社は北京。4000人。

■ビジネスモデル
ビジネスモデルは広告主から。百度に広告を出してきてもらう。1か月に二万人、沖縄の広告。楽天は国際配達の広告を百度に題している。中国ビジネスのプラットフォームという位置づけ!!!クライアント三十万社。

■今後
日本では知名度が低い。人材を集めている。社内は日本語。日本と中国企業の違いは中国は結果、日本人はプロセス。中国は商人、日本は職人・技術者。

人生で一番重要なのはお金ではなく時間。人生時間=365日×80年=29200日。人生1回しかないから目標を設定して企画して実行した方がよい!今やらないと時間が無くなる。人生を設計してデザインする。目標を持たない人は持たない人から利用される。チャンスは待つのではなく、自分で作る。本当の人脈は、相手にとって頼られる存在になる。これは自分の得意分野を1つ作る。相手から頼られる存在になる。自分から寄っていっても意味がない。

■成功の秘訣
・好きな事をする 
・得意な事をする
・特化する

本を一万冊読むよりも歩く方が良い。歩くよりも、人と出会う方が良い。人と出会うよりも成功者と共に進む方がよい。成功者、素晴らしい経営者を選ぶことが成功の近道。

信:約束を守る
義:正しい事を行う
仁:相手の立場になって物事を考える

親孝行。実家にどの程度帰っているか?親孝行をしない人は社長の話を聴かない。同じ技術を持っていれば心、魂を磨く人が良い。社会貢献とオウム真理教の差はここにある。頭がいいだけではNG。

リーダーになる条件:レノボの社長
・組織を立てる
・戦略を作る
・チームを導く

つまり、正しい判断を行う

良い人材の条件
・パフォーマンスをだす
・会社の文化にあう
・学習能力が高い

これからはアジアの時代。早い段階から中国企業との付き合いを学べ。習得した方が良い。これからは中国とのコネクションが強い人間が強くなる。

■陳氏のポリシー
競合の会社に転職しない。キャリアを積むための転職。チャレンジ。ハングリー。仕事の中身が大切、会社の名前では無い。

■Q&A
Q:百度の会社の由来・想い
A:中国の漢詩

Q:楽天とのメリット
A:百度は日本のBTOCのノウハウを期待。中国のブランド力。相乗効果。

Q:楽天との合弁で作ったとき配送、代金回収での差別化は?
A:中国の物流は内陸出なければ、沿岸地域であれば整備されている。企業の体力を考えればパワーがある。価値があるため総脚力がある。シナジー効果は高い。

Q:昔の日本と今の日本
A:昔の人はハングリー精神。今の若者は体力が無い。日本は仕事が無いわけではなく、働きたい人がいないだけ。それなのに派遣切りの問題が如実。まだ、仕事を選んでいる印象がある。普通の人以上に苦労しなければ人の上に立つ理由は無い。壁にぶつかっていかにクリアするのか?すると成長出来る。人生は諦めた方が早い。楽。簡単。辞める。これは成長しない。環境が変わった。豊かになった。頑張らなくて良くなった。これは危険。

Q:日本人で足りないタレントは?
A:ハングリー精神。もっとやりたい。夢。成功願望。強い願望。強いミッション。世の中で一番いいサーチエンジンを作りたい!

A:中国にいる日本の企業で儲かっている企業は文句を言わない。中国は・・と言うのは自分の失敗を中国のせいにする。交渉の仕方は互いの企業に期待する事を初めから明らかにする。

A:百度の社員4000人、部長40人、最年少23歳、2年で。取締役10人。
現地の人が一番情報を持っている。中国で一番有名な企業はサムソン。徹底的な現地化。

Q:戦術
A:ユーザーからの支持。

Q:開発拠点としての中国
A:日系企業が出資する時の比率、ケースByケース。



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